「Z世代の採用で苦戦している」
「若手人材の考え方がわからず適切な採用手法を選べない…」
このような採用の悩みを抱えていませんか?
現在多くの企業がZ世代の採用に苦戦しています。世代によって価値観が大きく異なるため、従来の採用手法では思うような成果が出ないケースが増えているためです。
本記事では、Z世代の特徴や価値観を踏まえた効果的な採用戦略や手法を紹介します。SNSや動画を活用した採用手法や企業事例なども解説するため、Z世代の採用を成功させたい方は、ぜひ参考にしてください。
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Z世代とは?採用の現状も解説
Z世代とは、1995年頃から2015年頃までに生まれた世代を指します。明確な定義はありませんが、欧米で生まれた考え方が日本国内にも広がった概念です。
本項では、Z世代とほかの世代との違いや企業の採用の現状を紹介します。
ほかの世代との違い
X世代は1965年~1980年に生まれ、日本では高度経済成長やバブル経済を経験した世代です。経済的変化や社会的価値観の転換期に青年期を過ごしたことから、個人主義的な考えや独立心が高いという特徴があります。
一方、ミレニアル世代(Y世代)は1981年~1995年の間に生まれた世代です。インターネットの普及期に成長し、デジタル技術の急速な発展を若い時期に経験しました。
キャリアの選択肢の多様化を目の当たりにしたことから、自己実現やワーク・ライフ・バランスを重視する傾向があります。
一方、Z世代は生まれた時からデジタル環境が当たり前の「デジタルネイティブ」世代です。SNSを通じた情報収集や交流に長け、多様性を尊重し、社会的課題に関心が高いという特徴があります。
採用の現状や企業の声
株式会社月刊総務の調査によると、企業の約4割がZ世代の採用活動は難しいと回答しています。Z世代が企業選びにおいて情報の透明性や価値観との一致を重視する傾向が強く、従来の採用手法が通用しにくくなっているためです。
また、Z世代の採用活動で工夫している点として「Webサイトの充実」が45.9%で最も多く「選考のスピード感を上げる」が41.0%「選考後のフィードバック」が39.3%と続きました。
Z世代はデジタルネイティブとして情報を迅速に収集・比較し、意思決定のスピードも速い傾向です。そのため、企業側も迅速かつ透明性のある採用プロセスを提供することが重要になってきているのです。
Z世代の特徴や仕事・働き方に対する価値観5選
Z世代ならではの特徴や価値観を理解すると、採用活動の成功につながります。本項では、Z世代に共通する5つの価値観を詳しく解説します。
- ワーク・ライフ・バランスを重視する
- 効率的に働きたいと考える
- 社会問題や環境問題に関心がある
- 現実的な考え方をする
- 自分らしさを大切にする
それぞれの価値観を把握し、採用戦略に活かして、Z世代の人材確保につなげましょう。
1.ワーク・ライフ・バランスを重視する
Z世代は、上の世代である「X世代(1965〜1980年頃生まれ)」や「Y世代=ミレニアル世代(1981〜1995年頃生まれ)」がステータスと感じるお金やモノがなくても幸せに生きられることを知っています。シェアサービスが普及している状況もあり、所有にこだわらず、プライベートの時間や精神的な余裕を重視する傾向があります。
就職でも「長時間労働でより多くの収入を得る」働き方より、リモートワークが普及していたり、年間休日が多かったりする企業が好まれます。
2.効率的に働きたいと考える
Z世代は限られた時間内での効果を上げるタイムパフォーマンスを重視します。短い時間でも楽しさを求める傾向があることから、YouTubeショートやTikTokといった短い尺の動画が流行しています。
仕事でも、短い時間で達成感を感じる環境づくりなど、モチベーションを維持しながら成果を上げられる体制が求められるでしょう。
3.社会問題や環境問題に関心がある
生まれた頃からネット上で幅広い価値観に触れてきたZ世代は、異なる文化や性別、人種などの多様性を受け入れ、尊重する傾向が強いです。
また、社会問題にも敏感で、企業に対してもSDGsを実践しているかを重視します。実際に、チューリッヒ保険会社の2022年の調査によると、Z世代の62.2%が環境問題に対して危機意識を持っているとされています。
そのため、環境や社会に配慮した取り組みを行っている企業に対して良い印象を持ちやすいでしょう。
出典:Z世代の環境意識とチル消費に関する実態調査|チューリッヒ保険会社
4.現実的な考え方をする
Z世代は、不景気に生まれ、リーマンショックやコロナウイルスによる経済停滞などを経験した世代です。そのため、経済的に厳しい状況を目の当たりにしてきました。
したがって、日本の将来や経済の見通しに対してネガティブな見方を持っている傾向があります。このような背景から、現実的に考えて安定した会社を選ぶなど、堅実な選択をする人が多いのが特徴です。
5.自分らしさを大切にする
Z世代は、一人ひとりの個性や多様性を重視し、自分自身の価値観を大切にしています。他者と同じ価値観に合わせるのではなく「自分らしさ」を目指せる働き方を重視します。
仕事においても、SNSなどオンライン上で価値観の近い人と出会い、視野を広げ、会社の枠にとらわれないキャリア形成を進めるのが特徴です。
Z世代の採用時にアピールするべきポイント
Z世代を効果的に採用するために、価値観に合ったアピールポイントを明確に示しましょう。特に以下の4つの要素は、Z世代の心に響く採用メッセージを作るうえで大切なポイントです。
- 柔軟な働き方
- 最新のテクノロジーへの対応
- 多様性
- 成長できる機会
採用活動で積極的に発信すると、Z世代からの応募増加や採用成功率の向上が期待できるでしょう。
柔軟な働き方
Z世代は、自由度の高い労働環境を求める傾向が顕著です。フレックスタイム制やリモートワークなどの柔軟な働き方を提供している企業は、Z世代にとって魅力的に映るでしょう。
外資系企業のようなプロジェクトベースの仕事や、必要に応じて休暇を取得しやすい環境も高く評価されます。
最新のテクノロジーへの対応
クラウドサービスやプロジェクト管理ツールなどを積極的に導入し、業務効率を高める企業はZ世代から支持されます。Z世代は生まれたころから、デジタルに触れており、効率性を求めるためです。
DXを推進し、業務効率化に取り組んでいる点をアピールすると、Z世代の興味を引きやすくなります。
多様性
多様な人種や性別、バックグラウンドを持つチームが協力し、革新的なアイデアを生み出している企業はZ世代から高い評価を得られます。このような環境では、個人が自分の強みを発揮でき、互いの違いを尊重しながら働けます。
一方で、多様性を尊重しない企業は、Z世代から敬遠される対象となるため、社内の制度を整備するなどして改善しましょう。例えば、採用基準に多様性を取り入れたり、管理職向けにアンコンシャス・バイアス研修(無意識の偏見を取り除く研修)を実施したりするなどの取り組みが重要です。
成長できる機会
Z世代は自身のキャリアに強い関心を持っており、企業に対して成長機会を求めています。
特に専門性を高めることに意欲的なため、専門知識の習得やスキルアップへの支援がある企業は、Z世代にとって魅力的です。
そのため、以下のように成長を促進する仕組みが整っていることをアピールすると効果的です。
- 社員研修プログラムの充実
- 資格取得支援
- 定期的なフィードバック など
採用時には、自社に成長できる体制があるのかどうかを確認しましょう。
Z世代が入社を避ける企業の特徴
Z世代が入社を避ける企業の特徴を以下の表にまとめました。
Z世代が入社を避ける企業の特徴 | 内容 |
古い体質や価値観 | 良いサービス・商品や充実した福利厚生があっても、企業の社風や組織の体質が古いと受け取られると応募を見送られる可能性がある |
残業が多く休暇が取りにくい | 職場での残業の有無や有給消化率は、企業選びの重要な判断基準の1つ |
業務内容が不明確 | Z世代の就職活動では”企業”よりも”職”が重視される傾向にあり、具体的な業務内容や働く環境の明確さが求められる |
柔軟な働き方ができない | 出社とリモートワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」など、柔軟な働き方への対応が求められている |
上記の特徴を持つ企業は、Z世代の採用に苦戦する可能性が高いでしょう。社内の体制を整備したり、業務内容を明確に伝えたりする姿勢が求められます。
Z世代の特性を踏まえた採用戦略・採用手法5選
Z世代を効果的に採用するには、特性に合わせた戦略が必要です。従来の採用手法だけでなく、Z世代の行動様式や価値観に適した新しいアプローチを取り入れると、採用確率を高められます。
- SNSや動画コンテンツを活用する
- 企業のビジョンや価値観を発信する
- カジュアル面談を行う
- インターンシップを充実させる
- ダイレクトリクルーティングを活用する
それぞれの採用手法を自社の状況に合わせて取り入れて、優秀な人材を惹きつけましょう。
1.SNSや動画コンテンツを活用する
スマートフォンで複数のSNSアカウントを日常的に使用するZ世代は、就職活動などの重要な判断をする際もSNSから情報を集める傾向があります。
そのため、就活生や転職希望者だけでなく「自分に合う会社があれば転職したい」と漠然と考えている潜在層にもアプローチできるチャンスがあります。
Z世代のユーザーが多いX(旧Twitter)やInstagramなど、複数のSNSに企業アカウントを開設し、各プラットフォームの特性や企業の目標に沿った情報発信が効果的です。
SNSや動画コンテンツでZ世代の心に響く採用コンテンツを作るには、下記のポイントを意識しましょう。
- 実際の現場やリアルな姿を見せる
- 若手社員の活躍事例を具体的に紹介する
- 働く環境や制度を詳細に伝える
上記の要素を伝えることで、自分らしく働けるかどうかが明確になり、応募する際の判断要素になります。
2.企業のビジョンや価値観を発信する
Z世代から共感を得るには、企業が目指すビジョンや社会的な貢献を明確に発信する必要があります。Z世代は仕事を通じて社会貢献したい、働く意義を感じたいという傾向が強いからです。
例えば、自社の存在理由や社会・顧客にどのような貢献をしているかをエピソードやデータで示し、採用サイトやSNSなどを通じて社員が働くやりがいを伝えます。
また、SDGsなどに実際に取り組んでいる様子を動画などで発信するのも効果的です。
3.カジュアル面談を行う
本格的な選考面接の前に、気軽な対話の場としてカジュアル面談を設けると、応募者の緊張感を和らげ、リラックスした雰囲気の中で本音の会話ができます。
Z世代は形式張った環境よりも、フランクな対話を通じて企業の実態を知りたいと考える傾向があるため好まれるでしょう。
またカジュアル面談では、会社の雰囲気や文化、実際の業務内容などについて、やり取りができるため、相性を確認する良い機会となるでしょう。
4.インターンシップを充実させる
Z世代は実際の業務内容や職場の雰囲気を重視するため、リアルな就業体験ができるプログラムに高い関心を示します。
例として、プロジェクト型インターンシップ(企業から与えられた課題に取り組むインターンシップ)では学生が実際の課題解決に挑戦し、社員がメンターとして支援することで、仕事のやりがいや企業文化を体感してもらえます。
5.ダイレクトリクルーティングを活用する
企業が候補者に直接スカウトメールを送るダイレクトリクルーティングは、一対一のコミュニケーションが可能なため、特別感を演出できます。
SNS上で承認欲求が強いZ世代には「自分が選ばれた」という感覚が響きやすく、高い反応が期待できる採用手法です。
スカウトメッセージでは、候補者のスキルや経験に対する評価と、自社でどのように活かせるかを明確に伝えましょう。パーソナライズされたメッセージは、Z世代の興味を引き、応募につながりやすくなります。
ダイレクトリクルーティングについては、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ダイレクトソーシングとは?メリット・デメリットや採用代行(RPO)の活用事例などを紹介
Z世代の採用で優秀な人材を見極めるコツ
Z世代の能力を正確に評価するには、以下のように日々の行動パターンや過去の経験、価値観などを総合的に分析する必要があります。
質問例 | 評価できること | 評価ポイント |
職場でのコミュニケーションについてはどのように考えていますか? | チームワークに対する姿勢 | デジタルコミュニケーションに慣れたZ世代が、対面でのやり取りをどう捉えているかを確認できる |
過去に直面した困難な状況においてどのように対処しましたか? | 問題解決能力、レジリエンス(回復力) | ストレス下での判断力や粘り強さを具体的なエピソードから見極められる |
キャリアに対するビジョンや目標があれば教えてください | 長期的視点、自己成長への意欲 | 明確なキャリアプランを持っているかを確認できる |
質問を通じて得られる回答を多角的に分析すると、書類選考だけでは見えてこない人材の価値を見極められるでしょう。
また、固定的な質問ではなく、状況に応じて柔軟に掘り下げると、深い洞察が得られます。
Z世代の採用を成功させた企業事例2選
Z世代の採用に成功している企業は、特性や価値観を理解し、独自のアプローチで魅力を伝えています。本項では、Z世代採用で成果を上げた2つの企業事例を紹介します。
- 株式会社ファイブグループ
- ディップ株式会社
それぞれの企業がどのような戦略でZ世代の採用に成功したのか、詳しく解説します。
1.株式会社ファイブグループ
株式会社ファイブグループは、130店舗以上の居酒屋やダイニングを運営する飲食企業です。多くの飲食業界で若年層の採用に苦戦する中、同社は毎月30人以上のアルバイトと、100人を超える正社員応募を獲得する実績を上げています。
具体的な手法として、一般的な履歴書提出や志望動機の確認は行わず「休日の過ごし方」など応募者の価値観に焦点を当てた選考を実施しています。
また、求職者対応を迅速に行うために「コンタクトセンター」を設置しました。3~4人のスタッフが常駐して応募者との連絡を密にしています。
これにより、2024年には前年比184.4%増の正社員を採用しました。
2.ディップ株式会社
求人情報サイトを中心とする人材サービス事業を展開するディップ株式会社では、2020年頃からIT系人材の採用ニーズが高まっていました。
戦略として、採用オウンドメディアのブログをWantedlyのストーリーと連携させて定期的な情報発信を開始しています。情報系学部の学生に事業内容や魅力を継続的に伝えて、興味・関心を醸成しました。
さらに、データサイエンスに関心を持つZ世代向けに、時間をかけて取り組む課題型のリモートインターンシップを開催しています。延べ2,000名を超える応募があり、機械学習エンジニアとデータサイエンティストの2職種で計5名の内定承諾を獲得しました。
Z世代採用後に定着してもらうために企業ができること
Z世代を採用しても、求める環境が整っていなければ、早期離職につながりかねません。
そのため、下記のように、定着してもらうために必要な対策を取りましょう。
- 小さな成功体験を感じさせる
- オンライン・オフラインを組み合わせた研修を行う
Z世代の社員は、自分の努力や貢献によって業績が向上したり、プロジェクトが順調に進んだりと、組織に価値をもたらしていることを実感したいと考えています。仕事で「小さな成功体験」を積み重ねると、仕事への自信とモチベーションを高められるでしょう。
したがって、新しいスキルを習得したときや、業務で成果を上げたときは、成果とチームや会社にもたらした効果を明確に伝えましょう。
さらに、Z世代の教育・研修には、デジタルとリアルを融合したハイブリッドなアプローチが効果的です。短い動画を活用したオンライン研修と、ロールプレイなどを行う対面研修を組み合わせると、効果的に学習できます。
業務に必要な知識や理論はオンラインで学び、スキルや対人コミュニケーションは対面で習得するなど、研修内容に応じて学習方法を選択してください。
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Z世代は、ワーク・ライフ・バランスを重視し、効率的な働き方を求め、社会問題に関心が高い世代です。採用を成功させるには、柔軟な働き方や最新テクノロジーの導入、多様性の尊重など、Z世代の価値観に合った採用戦略が必要です。
SNSや動画コンテンツを活用し、ダイレクトリクルーティングを行うなどの採用手法を組み合わせると、優秀なZ世代人材の獲得につながるでしょう。
とはいえ、価値観の異なるZ世代の採用は従来の方法では成果が出づらい傾向にあります。そこで採用のプロフェッショナルが多く在籍するcoachee人事シェアをおすすめします。
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