「人事部って結局何をする部署なの?」
「人事の役割が重要と聞くけど、具体的にどのような業務があるの?」
このような疑問を抱えていませんか?
本記事では、人材紹介サービスや人事の即戦力人材を紹介するサービスを提供するcoachee株式会社が、人事が担う7つの主要な役割と業務内容、重要性を詳しく解説します。
また、戦略人事への転換やデジタル活用といった最新動向、人事担当者に求められるスキルも紹介するため、人事部門の全体像を把握したい方に役立つでしょう。
本記事を読んで、人事の役割への理解を深め、自社の人事機能を強化し、組織全体のパフォーマンス向上につなげてください。
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人事が担う7つの役割|具体的な業務内容も解説

本章では、人事の役割を次の7つに分けて解説します。
1.人材採用
人事は人員計画を立て、採用戦略を実行する役割を担います。
採用活動は単に応募者を面接するだけではなく、学生や求職者に自社の魅力を知ってもらう広報活動や、求人媒体・SNSを使った情報発信、社員紹介制度(リファラル採用)など多岐にわたります。
人材採用に関する主な業務は以下の通りです。
- 採用戦略や計画の立案
- 人員の見通しと採用予算の設定
- 求人広告の作成と媒体の選定
- 採用サイトの制作・更新
- 会社説明会やセミナーの企画・運営
- インターンシップの実施
- 応募者情報の管理と書類選考
- 面接の調整・実施 など
採用手法の詳細は以下の記事でも解説しておりますので、ぜひご覧ください。
【2024年】採用マーケティングの手法5選!フレームワークや成功事例を解説
ダイレクトソーシングとは?メリット・デメリットや採用代行(RPO)の活用事例などを紹介
2.人材育成
採用した人材を企業にとって価値ある人材へと成長させるのも人事の役割です。具体的には、新入社員研修から管理職向けのリーダーシップ研修まで幅広い研修プログラムを整え、ジョブローテーションなどを通じて成長の機会を提供します。
主な業務は以下の通りです。
- 人材育成の基本方針や計画づくり
- OJT(実務を通じた教育)の仕組みづくりと実施
- OFF-JT(研修や講座)の企画・運営
- 管理職・リーダー研修の企画・実施 など
企業が成長を続けるには、社員の能力開発を継続的に推進する仕組みが不可欠です。
3.人事異動・配置
適材適所の配置は、組織全体の成果を高めるために重要です。人事部は部門責任者と協力し、社員のスキルや経験、将来性を踏まえて異動・配置を決定します。
主な業務は以下の通りです。
- 組織の現状把握のための調査やヒアリング
- 各部門の人員ニーズや必要スキルの整理
- 社員のスキル・経歴・希望のデータベース化
- 異動シミュレーションや人員配置案の作成
- 辞令の発行や組織図の更新
- 異動後のフォローや定着支援
適切な配置は社員のモチベーションを高め、企業全体の生産性向上にも直結します。
4.人事評価
人事評価は、社員の成果や行動を可視化し、処遇や育成方針に反映させる仕組みです。通常は年1~2回実施され、給与や昇進に直結するため、公平性と透明性が求められます。
主な業務は以下の通りです。
- 評価制度の設計や見直し
- 評価項目や基準の作成
- 成果・能力・行動の評価手法の整備
- 評価シートの配布と管理
- 評価者に向けた研修の実施 など
評価制度の質は、社員のモチベーションや組織の成長に大きく影響します。
5.人事制度の整備・運用
人事制度は、経営理念や事業戦略を具体化した仕組みです。給与や報酬体系、福利厚生などは社員の働きがいや定着率に直結します。
人事部は法改正や社会情勢の変化に応じて制度を改訂し、常に時代に合った仕組みを提供する必要があります。
主な業務は以下の通りです。
- 人事制度全体の企画・設計
- 給与や報酬体系の策定
- 昇格や昇進の仕組みづくり
- 福利厚生や手当の設計
- 就業規則の作成や改訂 など
適切な制度設計は、社員が組織に対して感じる安心感にもつながります。
6.労務管理
労務管理は、社員が安心して働ける環境を維持するための土台です。
人事部が担う労務関連の業務は以下の通りです。
- 給与計算や勤怠集計
- 社会保険や雇用保険の手続き
- 労働契約や各種書類の作成
- 退職手続きの対応
- 労働条件や職場トラブルの相談対応など
労務管理が適切に行われていれば、社員は安心して業務に専念できます。
7.環境構築
職場の雰囲気や人間関係づくりも人事の役割の一つです。社内イベントなどを通じてコミュニケーションを促進し、働きやすい風土を醸成します。
具体的な取り組みは以下の通りです。
- 社員交流のためのイベントや懇親会の企画・実施
- 社内報やニュースレターの企画・発行
- チャットツールやグループウェアなどの導入・運用
- チーム力を高める研修やワークショップの開催
- 社員を称える社内表彰制度の設計と実施
- 多様性の尊重や柔軟な働き方を推進する取り組み など
こうした取り組みは、社員同士のつながりを強め、エンゲージメント向上につながります。
人事の役割が重要な2つの理由

本章では、人事の役割がなぜ重要なのかを次の2つの観点から解説します。
1.経営戦略に関わるため
人事の役割が重視される理由の一つは、経営戦略と人事戦略が切り離せない関係にあるからです。単なる管理部門ではなく、経営陣とともに組織の未来を設計するパートナーとしての役割が求められています。
One人事株式会社が行った調査では「経営戦略や事業戦略に沿った人事戦略や組織づくりを行うこと」が人事担当者の関心事項の上位を占めていました(40%が回答)。
また、日本能率協会の「日本企業の経営課題 2020」調査でも、人事部門が競争力向上に貢献できていると「強く感じる」人は少ない一方で「ある程度そう思う」と答えた割合が41.2%と最も多く、経営との連動が不十分である現状もうかがえます。
出典:
【調査レポート】One人事「人事部門の役割と人材マネジメントに関する意識調査」を実施|提供One人事株式会社
2.人材市場が変化しているため
人材市場が大きく変化している今、人事の役割はこれまで以上に重要です。従来の新卒一括採用・長期育成モデルは通用しなくなり、多様な価値観やキャリアを持つ人材をどう獲得・活用するかが企業の成長を左右します。
中途採用や専門人材の獲得が増えるなかで、採用戦略を見直し、適材適所の配置や育成プランを設計できる人事の存在が欠かせません。市場変化に即した人事の対応力が、組織の競争力を決定づける要因となります。
人事の役割の変化と今後の動向

本章では、人事の役割の変化と今後の動向を紹介します。
戦略人事への転換
変化が予測しにくいVUCA時代(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性が高まる時代)において、企業が持続的に成長するには経営戦略の実現を後押しする「戦略人事」の役割が期待されています。
戦略人事は、大きく4つの機能に分類されます。
機能 | 内容 |
HRBP(HRビジネスパートナー) | 経営層や事業部門のリーダーを人事面から支援し、戦略実行をサポートする |
CoE(センター・オブ・エクセレンス) | 専門的な知識を持ち、採用計画や育成プログラム、処遇制度の設計を担う |
OPs(オペレーション部門) | 給与計算や勤怠管理など、日常的な人事業務を効率的に処理する |
OD&TD(組織・人材開発) | 企業理念の浸透を促し、組織づくりや人材成長を推進する |
さらに、経営視点から組織全体の最適化を考える「最高人事責任者(CHRO)」の存在感も高まっています。CHROはCEOの右腕として、人と組織をどう経営戦略に結びつけるかを主導する立場にあります。
この役割を実効性あるものにするには、経営層・現場との連携強化が欠かせません。経営層とは「経営戦略と人事戦略のすり合わせ」を、現場とは「必要な人材や実際の課題の共有」を行うことで、人事施策が形骸化せずに機能します。
デジタル技術の活用が進んでいる
人事領域ではデジタル化の進展も顕著です。「人事白書2025」によれば、人事部門の約7割がすでに生成AIを活用しているとされ、人事DXが現実のものとなっています。
導入が進んでいる主なシステムは以下の通りです。
- 給与計算の自動化システム
- タレントマネジメントシステム(社員データの一元管理)
- エンゲージメント調査ツール(社員の満足度・モチベーション把握)
- 採用管理システム(候補者管理や選考プロセスの効率化)
こうしたデジタルツールにより、人事部門は業務の効率化だけでなく、データに基づく意思決定を行いやすくなっています。離職リスクの高い社員を早期に把握したり、採用業務の効率化も可能です。
人事の役割を遂行するために求められる5つのスキル|向いている人の特徴も解説

人事は採用から労務管理まで幅広い業務を担うため、多角的なスキルが求められます。
以下の表では、人事に必要とされる代表的なスキルと、内容を整理しました。
スキル | 内容 |
コミュニケーション力 | 部署間調整、利害関係者との連携、ハラスメント対応時の関係各所への連絡など、様々な立場の人との円滑な意思疎通 |
プロジェクト管理力 | 採用と人材配置など複数の人事業務を並行実行し、優先順位をつけて効率的にタスクを消化する能力 |
調整力 | 人事制度改革時など、異なる部署や立場の利害関係者の意見をまとめ、最善の解決策を導く能力 |
課題解決力 | 離職率の高さやモチベーション低下など、会社全体の人事課題を分析し、適切な改善策を立案・実行する能力 |
傾聴力 | 1on1などで相手の話を理解し、その背後にある問題や原因まで汲み取る高いヒアリング能力 |
法律知識 | 社会保険手続き、労働基準法など、採用や労務管理に関する法的知識とコンプライアンス遵守 |
情報収集能力 | 法改正、助成金情報、採用市場動向など、日々変化する情報を継続的にキャッチアップする能力 |
「自社に合う人事人材を採用したい」と考えている場合は、人事職に向いている人の特徴や必要な資格について把握しておくことが有効です。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。
人事に必要なスキルや資格はある?向いている人の特徴とあわせて解説
人事の役割に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、人事の役割に関する質問と回答を紹介します。
中小企業と大企業の人事の役割の違いは何ですか?
中小企業と大企業の人事の役割の違いを以下の表でまとめました。
組織規模 | 組織構造例 | 特徴 |
中小企業 | 人事部(採用、評価、労務などすべての機能を持つ) | 少人数で幅広い業務を担当。ジェネラリストが多い。 |
大企業 | ・人事部・採用グループ・教育グループ・労務グループ・人事企画グループ など | 各機能に専門部署を設け、専門性を高める。専門特化型が多い。 |
このように、企業規模が大きくなるほど人事部門は高度に分業化し、専門性が強化されていきます。一方で中小企業では一人ひとりが幅広い知識と対応力を発揮することが求められます。
人事と総務、労務の役割の違いは?
人事、総務、労務は混同されやすい部門ですが、担当する領域は分かれています。
以下の表で、各部門の役割と具体的な業務例を整理しました。
部署 | 主な役割 | 業務例 |
人事部 | 「人」に関する業務を担当 | ・採用活動(新卒・中途採用)・研修プログラムの企画・実施・人事評価制度の運用・人材育成・キャリア開発・人事異動・配置管理・組織開発・人事制度設計 |
総務部 | 企業全体の運営管理をサポート「物」や「環境」に関する業務を担当 | ・備品管理・発注業務・施設管理・オフィス環境整備・社内イベントの企画・運営・来客対応・受付業務・株主総会の運営・防災対策・セキュリティ管理 |
労務部 | 従業員の「労働」に関する専門的業務を担当 | ・労働契約書の作成・管理・社会保険手続き・給与計算・勤怠管理・福利厚生の管理・就業規則の作成・改定・労使関係管理・労働トラブル対応 |
このように、人事・総務・労務は連携しながらも役割分担がはっきりしています。
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人事の役割は、以下のように多岐にわたります。
- 人材採用
- 人材育成
- 人事異動・配置
- 人事評価
- 人事制度の整備・運用
- 労務管理
- 環境構築など
しかし業務の幅広さに加え、採用市場の変化や離職率の上昇など新たな課題も増え続けており、自社だけで対応しきれないケースも少なくありません。
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