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静かな退職とは?企業側のデメリットや原因、対策などを解説

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coachee 広報チーム
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「社員が以前よりも発言しなくなった」
「定時で帰るのは良いことだが、やる気が感じられない」

このようにお悩みではありませんか?それはもしかすると、近年注目されている「静かな退職」の兆候かもしれません。

本記事では、静かな退職の概要や広まった背景、企業にとってのデメリット、そして具体的な対策について解説します。社員のエンゲージメントを高め、活気ある組織をつくるためのヒントとしてお役立てください。

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静かな退職とは?

「静かな退職(Quiet Quitting)」とは、実際に退職届を出して会社を辞めるわけではなく、「必要最低限の仕事しかしない」という働き方や考え方のことです。

指示された範囲内の業務はこなしますが、それ以上の熱意や努力を自発的に行わない状態のことを指します。心の中では、仕事に対する意欲が離れてしまっている状態ともいえるでしょう。

静かな退職が注目されている背景

静かな退職が注目されるようになった背景には、一般的にはワークライフバランスの重視や仕事に対する価値観の変化などが要因として挙げられます。

「仕事よりも自身の趣味や家族と過ごす時間を優先したい」
「仕事を頑張ってもそれに見合った昇給は期待できないから、最低限の仕事だけこなして給料を貰おう」

このような考えを持つ人がいることも、静かな退職が注目されている主な要因といえるでしょう。

サイレント退職との違い

「静かな退職」と混同されやすい言葉に「サイレント退職」があります。

サイレント退職とは、上司や周囲に相談することなく、ある日突然退職届を出して辞めてしまうことです。退職代行を活用し、即日いなくなることもあります。

一方「静かな退職」では、実際には退職せず、会社に在籍したまま必要最低限の業務だけを行う状態のことを指します。静かな退職は、物理的には会社にいるものの、精神的にはすでに退職しているかのような状態である点が特徴です。

静かな退職による企業側のデメリット

社員が静かな退職を選択してしまうと、企業側にとっては下記のようなデメリットがあります。

  • 組織力が低下して生産性が低下する
  • 他の社員のモチベーションが低下する
  • 離職率が高くなる恐れがある

どういうことか、具体的に解説します。

組織力が低下して生産性が低下する

静かな退職状態になっている社員は「言われたこと以上の仕事はしない」というスタンスをとります。自発的な業務改善を行わなくなったり周囲とのチームワークを重視しなくなったりするため、組織全体の活力が失われ、生産性が低下するリスクが高まります。

他の社員のモチベーションが低下する

必要最低限のことしかしない社員がいると、その分のしわ寄せが他の意欲的な社員にいく場合があります。

「あの人は何も仕事をしてくれないのに、なぜ自分ばかり忙しいのか」といった不公平感が生まれ、周囲の社員のモチベーション低下につながりかねません。また、仕事を押しつけられた社員の不満が高まり退職してしまうと、さらに残された社員の負担が強くなり退職者が発生する、という負のループに陥る恐れもあります。

離職率が高くなる恐れがある

静かな退職を選択している社員は、会社への愛着(エンゲージメント)が低い状態です。そのため、より良い条件の求人があればすぐに転職してしまう可能性があります。

また、そのような雰囲気が周囲に伝播し「自分も無理せず静かな退職をして、転職活動に力を入れよう」と考える社員が増えてしまう恐れもあります。結果として、組織全体の離職率が高くなりかねません。

関連記事:新入社員の離職を防止するには?具体的な施策やおすすめサービスなどを紹介

社員が静かな退職を選ぶ原因

なぜ社員は静かな退職を選ぶようになってしまうのでしょうか。主な原因として以下の4つが考えられます。

  1. 人事評価への不満
  2. 今後のキャリア形成への不安
  3. 仕事量や業務内容に対する不満
  4. コミュニケーション不足

それぞれの原因について、詳しく解説します。

人事評価への不満

「成果をあげてもほとんど評価してくれない」
「上司との関係で評価が左右される」

このような不満があると、社員は「頑張っても無駄だ」と判断し、静かな退職につながりかねません。自身のがんばりが正当に評価されていないと感じると、仕事への意欲はどうしても削がれてしまいます。

今後のキャリア形成への不安

会社が用意したキャリアパスと本人の志向にズレがある場合や、「この会社にいても成長できない」と感じる場合、社員は将来への不安を抱きます。

その結果、現職での仕事に見切りをつけ、副業やプライベート、転職活動などに力を入れてしまいます。

関連記事:キャリア面談とは?社内で実践するメリットや進め方、成功のコツなどを解説 

仕事量や業務内容に対する不満

特定の人にだけ業務負荷が偏っていたり、本人の希望しない仕事を長期間任されたりすることも原因の1つです。

過度なストレスやプレッシャーから身を守るため、あえて「必要最低限しかやらない」という選択をする場合もあります。

コミュニケーション不足

リモートワークなどで上司や同僚との雑談が減り、信頼関係が築けていないことが原因となり、静かな退職を選ぶ人もいます。

直接同僚や上司と話すことがないため、孤独感を感じたり会社への帰属意識が低くなったりします。その結果、組織への貢献意欲が薄れ、静かな退職へとつながってしまうのです。

静かな退職を防ぐために企業側が実施すべき対策

静かな退職を防ぎ、社員がいきいきと働ける環境をつくるために、企業がとるべき主な対策をご紹介します。

  • 人事評価制度を見直す
  • 働き方の柔軟性を高める
  • エンゲージメントサーベイを実施する
  • 定期面談や社内イベントを実施する
  • ストレスチェックを実施する

それぞれ詳しく解説します。

人事評価制度を見直す

現在の人事評価制度が現状と合っていない場合、制度を改善することで、社員をより公平に評価しやすくなります。

評価基準を明確にし、何をすれば評価されるのかを社員に示すことが重要です。仕事で目指すべきポイントが明確になり、それを達成することで評価される仕組みがあれば「もっと仕事をがんばろう」という気持ちが生まれやすくなるでしょう。

働き方の柔軟性を高める

多様な働き方を認めることで、従業員満足度が向上するよう、福利厚生を充実させたりテレワークや時短勤務を柔軟に認めたりするのもおすすめです。

社員が自身のライフスタイルに合わせて働ける環境を整えることは、組織への信頼感やエンゲージメントの向上につながります。

エンゲージメントサーベイを実施する

社員の状態を把握するために、定期的にエンゲージメントサーベイを実施しましょう。

組織の課題や社員の不満を早期に発見し、対策を打つことができます。人事評価制度を改善することで、会社のビジョンと個人の目標をすり合わせやすくなり、従業員エンゲージメントを高めやすくなります。

関連記事:【実践ガイド】従業員エンゲージメントとは?向上施策や事例、導入手順を解説

定期面談や社内イベントを実施する

上司と部下が1対1で対話する1on1などのフィードバック面談を通じて、評価結果の根拠や今後の期待を伝えることが重要です。

また、社内イベントなどを通じてコミュニケーションの機会を増やし、社員が働きがいを感じて、高いモチベーションを持って働けるような組織風土をつくることも人事の仕事です。

ストレスチェックを実施する

定期的なストレスチェックにより、社員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことも大切です。過重労働や人間関係の悩みを早期に察知し、産業医との面談や業務調整などのサポートを行いましょう。

静かな退職を防ぎ社員のエンゲージメントを高めるならcoachee人事シェア

静かな退職は、社員個人の問題というよりも、評価制度への不満やキャリアへの不安といった組織側の課題に起因することが多いです。

このような状態に陥る前に、人事評価制度の見直しやエンゲージメント向上に向けた施策の立案・実施など、根本的な予防策を講じることが大切です。しかし、社内に専門的なノウハウやリソースが不足している場合も多いのではないでしょうか。

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退職者の発生やエンゲージメントスコア低下に悩む企業へcoacheeが行った支援事例

企業の成長に伴う離職者の発生やエンゲージメントスコアの低下に悩む企業に対して、coacheeのプロ人材が全従業員(約30名)への個別インタビューを実施し、潜在的な課題を可視化しました。

分析結果をもとに制度改革や配置転換を行った結果、定着率とエンゲージメントが向上。経営陣が現場の本音を把握できる組織へと改善されました。

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関連記事:企業成長フェーズにおけるエンゲージメント向上と制度改革支援 

静かな退職を選択する社員の特徴

どのような社員が静かな退職を選びやすいのか、主な特徴をご紹介します。

  • 会議での発言が減る
  • 仕事に対して受け身の姿勢になっている
  • 周囲とのコミュニケーションが減っている

これらの兆候がある場合は、その社員は静かな退職を選んでいるかもしれません。

「以前は積極的に意見を出していたのに、最近は聞き役に徹するようになった」
「指示されたことしか対応してくれなくなった」
「飲み会や社内イベントなどに参加しなくなった」

これらの兆候が見られた場合、本人はすでに心理的に会社から離れつつある可能性があります。早期に面談を行うなど、ケアを行いましょう。

静かな退職を防ぎ活気のある組織をつくろう

静かな退職は、企業にとって生産性の低下や離職率の増加といった深刻なリスクをもたらします。しかし、適切な人事評価制度の運用やコミュニケーションの活性化、働き方の改善などを行うことで、静かな退職者の発生を予防できます。

社員一人ひとりがやりがいをもち、活気あふれる組織をつくるために、まずは現状の課題を見直してみてはいかがでしょうか。

自社だけで対応が難しい場合は、人事・採用のプロ人材を活用できる「coachee人事シェア」の利用もご検討ください。

記事を書いた人
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国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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