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日雇派遣は原則禁止!例外条件と業務の判断基準【2026年最新版】

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coachee 広報チーム
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「日雇派遣を活用したいけれど、法律でどこまで認められているのかわからない」
「例外に該当する業務や人の条件が複雑で、自社のケースに当てはまるか判断できない」
「知らないうちに違法な日雇派遣を受け入れてしまい、行政処分を受けるのが怖い」

日雇派遣とは、派遣会社との雇用契約が30日以内の労働者を派遣する形態を指します。

本記事では、日雇派遣の定義や原則禁止の背景から、例外となる4つの条件と指定業務、利用時の手続き、ケース別のOK・NG判断基準まで詳しく解説します。

違反時の罰則やよくある質問にも触れているため、適法に人材を確保したい企業担当者に役立つでしょう。

日雇派遣は原則禁止!基本的な定義と他契約との違い

日雇派遣は、労働者派遣法改正により原則として禁止されています。ただし、特定の業務や対象者に限っては例外的に認められているため、正確な定義と他の契約形態との違いを把握しておく必要があります。

本章では、日雇派遣の定義や禁止内容、日々紹介の違い、罰則規定などを解説します。

日雇派遣の定義

日雇派遣とは、労働者派遣法第35条の4で定められた「日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者」を派遣する形態です。

(日雇労働者についての労働者派遣の禁止)第三十五条の四 派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々又は三十日以内の期間を定めて雇用する労働者をいう。以下この項において同じ。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として政令で定める業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合その他の場合で政令で定める場合を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行つてはならない。

引用:e-Gov 法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律


このように日雇派遣は原則として禁止されていますが、企業側には一時的な人材確保のニーズが根強く残っています。

厚生労働省の「令和4年度 労働者派遣制度等の今後のあり方についての調査・研究事業」によると、企業が日雇派遣を希望する理由として「適切な人数を確保できるから」が45.5%で最多でした。禁止後も活用ニーズは高く、例外要件を正しく理解したうえで運用する姿勢が求められています。

参考:厚生労働省「令和4年度 労働者派遣制度等の今後のあり方についての調査・研究事業
参考:厚生労働省「労働者派遣法改正法の施行に向けた政省令・告示事項
参考:厚生労働省「日雇派遣の原則禁止について

タイミーなどの「日々紹介」と何が違うのか?

日雇派遣と日々紹介(タイミーなど)の違いは「雇用主が誰か」にあります。

日雇派遣では、労働者は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業の指揮命令のもとで働きます。一方、日々紹介は紹介会社が「職業紹介」を行い、労働者は就業先企業と直接雇用契約を結ぶ仕組みです。

両者の違いを以下の表にまとめます。

項目日雇派遣日々紹介(タイミー等)
雇用主派遣会社就業先企業
契約形態派遣契約直接雇用契約
法規制労働者派遣法(原則禁止、例外あり)職業安定法(日々紹介として適法)
責任の所在派遣会社と派遣先に分かれる雇用主である就業先企業が負う

日々紹介の場合、就業先企業が直接雇用するため、日雇派遣の原則禁止には該当しません。タイミーやシェアフルなどのスポットワークサービスは、日々紹介の仕組みを活用しています。

そのため、日雇派遣の例外要件を満たさない業務であっても、日々紹介であれば1日単位の人材確保が適法に行えます。

知らないでは済まされない!違反時の罰則規定など

日雇派遣の規定に違反した場合、派遣先企業にも直接行政処分が科されます。

まず厚生労働大臣による指導・助言(第48条)が行われます。さらに違反が是正されない場合は、勧告が行われ(第49条の2)、それにも従わない場合はその旨が公表されます。

また、違法な日雇派遣を受け入れた派遣先企業には「労働契約申込みみなし制度」(第40条の6)が適用される点に注意してください。

違法な状態で派遣労働者を受け入れた時点で、派遣先が労働者に対して直接雇用の申込みをしたとみなされる制度です。ただし、違法であることを知らず、かつ知らなかったことに過失がない場合は適用されません。

参考:e-Gov 法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

なぜ日雇派遣は「原則禁止」なのか?背景にある理由

かつて日雇派遣には法律上の規制がなく、さまざまな問題が顕在化していました。

まず法令違反の横行です。派遣会社が労働者の賃金から違法に天引きし、本来支払われるべき賃金の全額が支払われないケースがありました。

次に雇用管理の問題です。日雇いという超短期の就労形態では、派遣会社が必要な安全衛生教育・雇用管理責任を果たすことが構造的に難しく、特に危険を伴う業務では労働災害につながりやすい状態でした。

さらに社会保険の問題です。日雇派遣が常態化することで、労働者が雇用保険・労働保険に十分に加入できない状況が生まれ、不安定な就労環境が固定化していました。

こうした実態を受け、2012年の労働者派遣法改正(第35条の4)により法制化されました。

参考:厚生労働省「これまでの議論における論点

日雇派遣が認められる例外要件

日雇派遣が認められる例外は、大きく分けて「人(労働者)の条件」と「業務(指定業務)」の2つのカテゴリがあります。ここでは、それぞれを詳しく紹介します。

日雇派遣で例外となる人の4つの条件

業務内容にかかわらず、派遣される労働者が以下のいずれかの条件を満たす場合は、例外的に日雇派遣での就労が認められます。

条件詳細
1. 60歳以上であること満年齢60歳以上のシニア層が対象。
2. 雇用保険の適用を受けない昼間学生であること夜間や通信制、定時制ではない昼間学生が対象。学業とアルバイトの両立への配慮から認められる。
3. 生業収入が500万円以上ある副業であること本業の年収が500万円以上あり、副業として働く人が対象。
4. 世帯収入が500万円以上ある主たる生計者以外であること世帯年収が500万円以上で、世帯収入に占める本人の収入割合が50%未満の人が対象。

※例外要件の判断に用いられる「収入」は、税金や社会保険料の控除前の金額(いわゆる額面)

年収500万円の基準は、厚生労働省の見解では「標準生計費の2倍程度であれば、生活のためにやむを得ず日雇派遣を選ぶ状況にはない水準」とされています。

出典:厚生労働省「労働者派遣法改正法の施行に向けた政省令・告示事項

政令で認められた例外となる「指定業務」

高い専門性が求められる業務や、日雇派遣が常態化しており雇用管理に支障がないとされる業務については、労働者の属性に関係なく例外として認められています。

労働者派遣法施行令で定められた主な指定業務は以下のとおりです。


出典:厚生労働省「日雇派遣の原則禁止について

注意しておきたいのが、倉庫のピッキングや引越し、イベント設営などの軽作業は指定業務に含まれていない点です。そのため「単発の派遣で倉庫作業をお願いする」依頼は、業務内容のみを根拠にした場合は原則として違法となります。

参考:厚生労働省「クローズアップ 知っておきたい改正労働者派遣法のポイント

日雇派遣を利用するための3つの手続き

日雇派遣を適法に利用するには、受け入れ前に確認すべき手続きがあります。以下の3ステップに沿って進めてください。

1.例外業務に該当するかを確認する

まずは、依頼したい業務が、労働者派遣法施行令で定められた例外業務のいずれかに該当するかを事前に確認してください。ソフトウェア開発や事務用機器操作、通訳・翻訳など、専門性が高いとされる業務が対象です。

業務内容が例外業務に該当しない場合、30日以内の派遣での受け入れは原則として違法になります。派遣先企業側でも業務範囲を正確に把握し、依頼内容が例外業務の枠から逸脱しないよう注意してください。

判断に迷う場合は、厚生労働省が公開している「労働者派遣事業関係業務取扱要領」を参照するか、派遣会社の担当者に確認を依頼すると安心です。

2.派遣スタッフが日雇派遣の例外要件を満たしているかを確認する

業務内容が例外業務に該当しない場合でも、派遣されるスタッフ自身が4つの条件のいずれかを満たしていれば受け入れが可能です。

条件は、先述したように「60歳以上」「昼間学生」「生業収入500万円以上の副業」「世帯収入500万円以上で主たる生計者以外」の4つです。

例外要件の確認は派遣会社の義務です。しかし、派遣先企業もリスク管理の観点から、派遣会社が適法な手続きを行っているかどうかを契約書や通知書を通じて確認しておくことが重要です。

3.確認書類を回収する

日雇派遣の利用時には、証明書類で裏付けを取る必要があります。

確認に必要な書類の例は以下のとおりです。

  • 60歳以上:運転免許証、パスポートなど年齢を確認できる公的書類
  • 昼間学生:学生証
  • 500万円以上の収入要件:本人・配偶者等の所得証明書、源泉徴収票の写し等

参考:厚生労働省「日雇派遣の原則禁止の例外として認められる「場合」

派遣先企業は、違法派遣の受け入れによる労働契約申込みみなし制度の適用リスクを避けるためにも、派遣会社が公的書類を用いて適切に要件を確認した旨を、契約書や通知書などを通じて確認しておきましょう。

【ケース別】日雇派遣として依頼できる?OK・NGの判断基準

日雇派遣のルールは複雑なため、実務ではケースごとの判断に迷う場面が少なくありません。本章では、企業担当者からよく寄せられる3つのケースを取り上げ、OK・NGの判断基準を整理します。

繁忙期に「1日だけ」倉庫の軽作業を依頼したい場合(原則NG・条件付きOK)

結論として、倉庫のピッキングや梱包などの軽作業は、政令で定められている例外業務に含まれていません。業務内容のみを根拠にした1日だけの日雇派遣は原則として違法(NG)です。

ただし、派遣される労働者自身が「60歳以上」や「昼間学生」などの例外対象者の要件を満たしている場合に限り、適法に受け入れられます。

ソフトウェア開発のプロジェクトで「30日以内」の依頼をしたい場合(専門業務でOK)

システム設計やプログラミングなどのソフトウェア開発は、労働者派遣法施行令第4条第1項で定められた日雇派遣の例外業務に該当します。

そのため、派遣スタッフ自身の年齢や収入といった個人要件の有無にかかわらず、30日以内の日雇派遣として適法に依頼できます。

ただし、ソフトウェア開発として契約していても、実際の業務がデータ入力や資料整理など例外業務に該当しない作業であった場合は違法となる可能性があります。契約書上の業務内容と実際の作業内容が一致しているか、依頼前に確認してください。

出典:厚生労働省「政令で定める業務

31日以上の契約で雇用した派遣スタッフが「1週間で退職」した場合(遡及不要)

当初「31日以上」の雇用契約を締結し、適法に派遣を受け入れていたスタッフが、自己都合により結果的に30日以内で離職したケースです。

結論として、契約締結の時点では日雇派遣の原則禁止要件に抵触しておらず、結果論として短期離職となっただけであるため、遡って違法とされることはありません。

参考:厚生労働省「改正に関するQ&A

企業が日雇派遣を利用する際のポイント

日雇派遣を安全に利用するためには、法令遵守の姿勢を徹底する必要があります。

特に注意すべきは、契約上の雇用期間と実際の就労実態が一致しているかどうかです。雇用期間が31日以上の労働契約を締結していても、実際の就労日数が1日しかない場合や、契約期間中の初日と最終日しか就労しないようなケースは、社会通念上妥当とはいえません。

実態として超短期の就労となっている場合は、法令違反を問われる可能性があります。

適法に運用するためには、以下の点に留意してください。

  • 契約日数と実際の出勤日数に大きな差がないか定期的にチェックする
  • 派遣会社と派遣先で例外要件の確認フローを共有し、担当者間で認識を合わせる
  • 例外要件を満たす書類は、契約ごとに回収・保管して管理体制を整える
  • 判断に迷うケースが生じた場合は、労働局や社会保険労務士に相談する

日雇派遣の利用を検討する際は、日々紹介といった代替手段との比較も含めて、自社に合った人材確保の方法を判断してください。

日雇派遣の利用や代替策の検討ならcoachee人事シェアへご相談を

日雇派遣の活用には法的な制約が多く、例外要件の確認や書類管理を現場だけで対応するのは負担が大きくなりがちです。日々紹介への切り替えを含めた採用設計には、労働者派遣法や職業安定法の知識も求められます。

自社だけで判断が難しい場合は、採用・人事領域の専門家に相談するのが有効です。外部のプロ人事に採用戦略の立案や体制構築を任せれば、法令リスクを抑えつつ人材確保のスピードを上げられます。

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日雇派遣の利用見直しにともなう採用体制の強化や、効率的なアルバイト採用フローの構築でお悩みの際は、ぜひcoachee人事シェアにご相談ください。

日雇派遣に関するよくある質問

ここでは、日雇派遣に関して、企業担当者からよく寄せられる疑問と回答をまとめました。

日雇派遣は「日雇いアルバイト」も禁止されている?

改正労働者派遣法で原則禁止とされているのは、派遣会社を介した「日雇派遣」のみです。

企業が日雇いアルバイトを直接雇用するのは、法律で禁止されていません。1日単位の仕事であっても、就業先企業と労働者が直接雇用契約を結ぶ形態であれば、適法に利用できます。

そのため、日雇派遣の例外要件を満たさないケースでも、直接雇用の形態に切り替えれば人材確保は可能です。

再契約時はどうなる?

結論として、再契約の雇用期間が30日以内であれば、日雇派遣の原則禁止に抵触します。

前の契約と連続していても、再契約自体が独立した別契約としてカウントされます。短期の再契約を繰り返して実質的に日雇派遣を延長する運用は禁止されているため、注意してください。

参考:厚生労働省「改正に関するQ&A

日雇派遣のルールを正しく理解して適切な人材採用を行おう

日雇派遣とは、派遣会社との雇用契約が30日以内の労働者を派遣する形態です。

例外として認められるのは、60歳以上・昼間学生・生業収入500万円以上の副業者・世帯収入500万円以上の主たる生計者以外の4条件に該当する労働者です。または、ソフトウェア開発や通訳・翻訳などの政令指定業務です。

一方で、日雇派遣の例外要件を満たさない業務では、日々紹介やスポットワークへの切り替えが現実的な選択肢になります。採用体制の設計や法令対応に不安がある場合は、専門知識を持つ外部パートナーの活用が有効です。

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国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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