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CFO採用が難しい理由と進め方|フェーズ別の人物像・採用手法の比較と見極めの質問

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coachee 広報チーム
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「IPO準備を始めたいが、CFOが見つからない」「経理部長は採れても、経営の右腕になれる人がいない」「年収を上げて募集しても、応募してくるのは要件に合わない人ばかり」——経営者や人事責任者の方から、CFO採用についてこうしたご相談をよくいただきます。

  • 自社のフェーズに必要なCFO像が、社内で定まっていない
  • 求人媒体や登録型の人材紹介では、CFO候補にほとんど出会えない
  • 面接で、財務の知識と経営者としての力量をどう見分ければよいかわからない

本記事では、CFOの役割と経理部長との違い、CFO採用が難しい理由、企業フェーズ別に求められる人物像、採用手法の比較、進め方と見極めの質問までを解説します。CFO採用を「待つ採用」から「設計する採用」に切り替えるための手がかりが得られるでしょう。

結論から申し上げます。 CFO採用の成否を分けるのは、年収の高さではなく「自社のフェーズで何を任せるか」を言語化した要件定義です。厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」では、有料職業紹介の「経営・金融・保険の専門的職業」の常用求人数339,312人に対し、常用就職件数は11,346件で、前年度より23.6%減りました。一方、IT/DX・エグゼクティブ・HR領域に特化した人材紹介サービス「coachee Agent Pro」を運営する当社(coachee株式会社)が2026年5月11日〜8月4日に実施した候補者面談44件では、年収アップを第一の転職動機とした候補者は2.3%にとどまっています。条件を上げるより、役割と権限を明確に示すほうが候補者に届きます。

30秒サマリー

  • CFOとは、財務・会計の責任者にとどまらず、資金調達や経営戦略を通じて企業価値の向上に責任を持つ経営幹部です。
  • CFO採用が難しいのは、候補者の母数が少なく、企業のフェーズによって求める経験がまったく異なるためです。
  • 厚生労働省の集計では、有料職業紹介の「経営・金融・保険の専門的職業」の常用就職件数は11,346件で、前年度比23.6%減でした。
  • 採用手法は、エグゼクティブサーチ、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、社外CFOの活用などを、緊急度と公開可否で使い分けます。
  • 当社(coachee株式会社)の候補者面談44件では、上流志向・役割拡大を語った候補者が70.5%を占めました。

CFOとは|財務の責任者であり経営の意思決定者

CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)とは、財務・会計の責任者として、資金調達、財務戦略、投資判断、IR(投資家対応)などを通じて、企業価値の向上に責任を持つ経営幹部です。

日本では「財務担当役員」「管理本部長」が実質的にCFOの役割を担っている企業も多くあります。ただし、肩書きよりも重要なのは、経営会議で数字をもとに意思決定をリードできるかどうかです。CEOの戦略を財務の面から実現可能にし、ときには投資にブレーキをかける役割も担います。CxO全体の種類や役割は、CxOとは?意味や種類、導入メリットと優秀な幹部人材を採用する方法で解説しています。

CFOと経理部長はどう違うのですか

経理部長は「正確に記録し報告する」責任者、CFOは「数字をもとに経営の意思決定を導く」責任者です。

両者の違いを表で整理しました。CFO採用で失敗しやすいのは、経理部長に求める要件のままCFOを探してしまうケースです。

項目 CFO 経理部長
主な役割 財務戦略・資金調達・投資判断・IR 決算・税務・経理実務の統括
時間軸 将来(計画・投資・調達) 過去〜現在(記録・報告)
主な対話相手 CEO・取締役会・投資家・金融機関 経理部員・監査法人・税理士
求められる力 経営判断・交渉・説明責任 正確性・統制・実務の管理
評価の軸 企業価値・資金繰りの安定・成長投資 決算の早期化・正確性・内部統制

CFO採用が難しいのはなぜですか

候補者の母数が少ないうえに、企業のフェーズによって求める経験がまったく異なるためです。

厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」によると、有料職業紹介における「経営・金融・保険の専門的職業」の常用求人数は339,312人で前年度比28.9%増えた一方、常用就職件数は11,346件で前年度比23.6%減りました。求人数は複数の紹介会社への重複計上を含みますが、求人が増えるなかで決まる件数が減っており、財務・経営の専門人材の需給が締まっていることがうかがえます。

職業分類(有料職業紹介) 常用求人数 常用就職件数 就職件数の前年度比
経営・金融・保険の専門的職業 339,312人 11,346件 23.6%減
法人・団体役員 13,062人 1,392件 17.5%増

出典:厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表)。求人数は重複計上を含む

幹部人材の採用ニーズそのものも高まっています。マイナビ「管理職の中途採用・管理職転職に関する調査2025年」では、2025年1〜6月に中途採用を行った企業のうち、部長クラスを採用した割合は29.9%で、2021年から10.1ポイント増えました。経営に近い人材を外部から迎える企業が増えるほど、CFO候補の獲得競争は激しくなります。

さらに、CFOに求める経験は「上場準備の経験」「M&Aの経験」「金融機関との交渉経験」など企業ごとに大きく異なります。財務の経験が豊富でも、自社のフェーズに合う経験を持つ人は限られます。これが、年収を上げて募集しても適任者に出会えない根本の理由です。

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企業フェーズによって求めるCFO像はどう変わりますか

フェーズごとに、CFOに最も求められる仕事が「資金を集める」「上場できる体制をつくる」「市場と対話する」「承継と再編を進める」へと変わります。

要件定義の出発点として、フェーズ別のCFO像を整理しました。自社がどこにいて、次の2〜3年で何を任せたいかを決めると、求める経験が絞り込めます。

フェーズ CFOの主な役割 求める経験の例 注意点
アーリー〜ミドル 資金調達・資金繰り・管理部門の立ち上げ VC・金融機関との交渉、管理部門の構築 実務も自ら手を動かせる人が必要
IPO準備 内部管理体制・予実管理・監査対応・資本政策 上場準備の実務、主幹事証券・監査法人との折衝 上場時期が遅れると候補者の期待もずれる
上場後 IR・資本効率の改善・中長期の財務戦略 投資家対応、開示、資本政策 市場との対話力が問われる
成熟・事業承継 M&A・事業再編・後継体制の財務面の設計 M&A、PMI、グループ経営管理 オーナー経営者との信頼関係が鍵

IPO準備企業では、CFOの採用が上場スケジュールそのものを左右します。宝印刷の大村法生氏による解説(OBC「IPO 2025年総括と今後の展望」)では、2025年の国内IPO社数は66社で、前年の86社から23%減り、2015年以降続いていた年間90社前後の傾向から外れました。投資家の銘柄選別が厳しくなるなかでは、上場の実務だけでなく、成長の筋道を数字で語れるCFOの重要性が増しているといえるでしょう。

CFOを採用する方法は?手法別の比較

CFOの採用手法は、ポジションを公開できるか、どれだけ急ぐかで選びます。代表的な手法を比較しました。

手法 向いているケース 長所 短所
エグゼクティブサーチ 非公開で進めたい、候補者が極端に少ない 転職潜在層まで探索できる 着手金が必要な場合がある
人材紹介(成功報酬型) 要件が明確で、一定の候補者がいる 採用に至るまで費用がかからない 登録者以外には届きにくい
ダイレクトリクルーティング 社内に運用工数を割ける 経営者が直接口説ける 検索・文面作成の工数が大きい
リファラル(知人紹介) 経営陣に財務人材の人脈がある 信頼関係のある候補者に会える 再現性が低く、断りにくい
社外CFO・業務委託 まず一部の機能だけ早く補いたい 短期間で専門性を確保できる 経営への関与が限定的になりやすい
内部昇格・育成 経理部長層に後継候補がいる 文化への適合がわかっている 育成に時間がかかる

実務では、社外CFOや業務委託で当面の機能を補いつつ、並行して正社員のCFOを探す組み合わせも有効です。人材紹介の費用の考え方は、人材紹介の手数料相場は?理論年収の計算・返金規定と交渉の4ポイントで詳しく扱っています。

CFO採用の進め方5ステップ

CFO採用は、次の5ステップで進めます。最初の要件定義に時間をかけるほど、後工程の手戻りが減ります。

STEP1:任せたい経営課題を決める
「2年以内にIPO準備を完了させる」「金融機関との関係を再構築する」など、CFOに任せる経営課題を1〜2文で言語化します。肩書きではなく、成果で要件を定義するのがポイントです。

STEP2:必須経験と歓迎経験を分ける
経営課題から逆算して、必須の経験(例:上場準備の実務)と、あれば望ましい経験(例:M&A)を分けます。必須条件を増やしすぎると、該当者がいなくなります。

STEP3:権限・報酬・レポートラインを決める
取締役として迎えるのか、執行役員として迎えるのか、決裁の範囲、報酬レンジ、ストックオプションの有無を経営陣で合意します。候補者はここを最も注意深く確認します。

STEP4:採用手法と担当を決める
公開可否と緊急度から、前述の手法を選びます。CEO自身が候補者と会う時間を確保できるかも、この段階で確認します。

STEP5:選考と口説きを並行して進める
CFO候補は複数の企業から声がかかっています。選考で見極めると同時に、自社の経営課題とCFOの裁量を伝え、候補者の関心を高めていきます。

要件定義の考え方は、幹部候補を採用するには?見極め方や採用を成功させるポイントも参考になります。

当社(coachee株式会社)の面談44件で見た「幹部候補層が転職で重視する条件」

CFO候補を口説くうえで、候補者が何を重視しているかを知ることは欠かせません。ここでは、当社(coachee株式会社)が保有する候補者面談の集計データを示します。CFO職に限定したデータではありませんが、ミドル〜ハイクラス層の転職判断の傾向を読み取れます。

調査の概要

  • 調査主体:coachee株式会社
  • 調査方法:coachee株式会社の担当者が実施した候補者面談の記録を項目ごとにコード化し、該当者数を集計
  • 調査期間:2026年5月11日〜8月4日
  • 母数:候補者面談44件(n=44)
  • 除外:面談記録59件のうち、法人商談・社内会議・テスト等3件、記録本文が生成されなかった8件、同一候補者の2回目以降の面談4件の計15件

母集団はIT・DX領域のミドル層〜ハイクラス層が中心で、財務職の比率は高くありません。

項目 該当数 割合
上流志向・役割拡大を語った候補者 31名 70.5%
入社前後の情報ギャップを経験として語った候補者 12名 27.3%
年収アップを第一の転職動機として語った候補者 1名 2.3%

出典:coachee株式会社 候補者面談集計(n=44/2026年5月11日〜8月4日)。詳細は年収では動かない44名|面談データで見えたミドル・ハイクラス採用の分岐点と求人票の書き方に掲載

上流志向・役割拡大を語った候補者が70.5%を占める一方、年収アップを第一の動機とした候補者は2.3%でした。マイナビの同調査でも、転職活動時に管理職だった人の転職理由の最多は「会社の将来性に不安があった」(33.8%)でした。CFO候補にとっての判断材料は、報酬額よりも「経営にどこまで関われるか」「会社の将来性を自分の手で高められるか」だと読み取れます。

入社前後の情報ギャップを語った候補者が27.3%いた点にも注意が必要です。CFO採用では、資金繰りの実態、監査上の課題、経営陣の意思決定の進め方など、入社前に見えにくい情報が多くあります。選考の後半で財務の実態を開示し、候補者が納得して入社できるようにすることが、早期離職の防止につながるでしょう。

CFO候補を見極める面接の質問例

CFOの面接では、知識の量よりも「判断と説明の質」を確かめます。過去の行動事実を聞く質問と、自社の状況にあてはめて考えてもらう質問を組み合わせましょう。

確認したいこと 質問例 見るポイント
経営判断への関与 経営会議で、財務の観点から反対した投資案件はありますか 根拠の示し方、合意形成の進め方
資金調達の実務 最も難しかった資金調達で、何が論点になりましたか 交渉相手の理解、代替案の用意
体制構築 管理部門をゼロから、または立て直した経験を教えてください 優先順位の付け方、人の動かし方
説明責任 業績が計画を下回ったとき、取締役会や投資家にどう説明しましたか 誠実さ、原因分析の深さ
自社への適合 この会社の直近の財務数値を見て、最初の90日で何に着手しますか 状況把握の速さ、現実的な計画

出典:coachee株式会社の面接支援実務をもとに整理

最後の質問は、選考の後半で財務資料を開示したうえで行うと効果的です。候補者の考え方がわかると同時に、候補者自身も自社の実態を理解できます。人柄や組織との相性の見極め方は、カルチャーフィットとは?面接で見極める質問例と評価の手順で解説しています。

CFO採用を始める前の実務チェックリスト

採用活動を始める前に、次の項目を経営陣で確認しておきましょう。

  • CFOに任せる経営課題を、1〜2文で説明できるか
  • 必須経験と歓迎経験を分け、必須を3つ以内に絞っているか
  • 取締役・執行役員のどちらで迎えるか、決裁権限の範囲を決めているか
  • 報酬レンジとストックオプションの方針を、経営陣で合意しているか
  • CEOが候補者と複数回会う時間を確保できるか
  • 選考のどの段階で、どこまで財務情報を開示するかを決めているか
  • 採用までの間、社外CFOや業務委託で機能を補う手当てがあるか

とくに財務情報の開示範囲は、早めに決めておくべき項目です。開示が遅れるほど、候補者は判断を保留しがちになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. CFOとは簡単にいうと何ですか。

A. 最高財務責任者のことで、財務・会計の責任者として資金調達、財務戦略、投資判断、IRなどを担い、企業価値の向上に責任を持つ経営幹部です。経理部長が記録と報告の責任者であるのに対し、CFOは数字をもとに経営の意思決定を導きます。

Q2. CFO採用が難しいのはなぜですか。

A. 候補者の母数が少なく、企業のフェーズによって求める経験が大きく異なるためです。厚生労働省の集計では、有料職業紹介の「経営・金融・保険の専門的職業」の常用就職件数は11,346件で、前年度比23.6%減でした。

Q3. CFOはどの採用手法で探すのがよいですか。

A. ポジションを公開できるかと緊急度で選びます。非公開で候補者が少ない場合はエグゼクティブサーチ、要件が明確な場合は成功報酬型の人材紹介が向いています。当面の機能を社外CFOで補いながら正社員を探す組み合わせも有効です。

Q4. CFO候補は何を重視して転職を決めますか。

A. 経営への関与の度合いと会社の将来性を重視する傾向があります。当社(coachee株式会社)が2026年5月11日〜8月4日に実施した候補者面談44件では、上流志向・役割拡大を語った候補者が70.5%を占め、年収アップを第一の動機とした候補者は2.3%でした。

Q5. IPO準備企業は、いつCFOを採用すべきですか。

A. 上場準備の体制づくりを始める前に採用するのが理想です。内部管理体制や予実管理の整備はCFOの主導で進むため、採用が遅れるほど上場スケジュールも後ろにずれやすくなります。

Q6. 社外CFOと正社員のCFOはどう使い分ければよいですか。

A. 特定の機能を早く補いたい場合は社外CFO、経営の意思決定に継続して責任を持つ人が必要な場合は正社員のCFOが向いています。社外CFOで課題を整理してから、正社員のCFOに引き継ぐ進め方もあります。

まとめ

CFOとは、財務・会計の責任者として資金調達や財務戦略を担い、企業価値の向上に責任を持つ経営幹部です。厚生労働省の集計では、有料職業紹介の「経営・金融・保険の専門的職業」の常用求人数が前年度比28.9%増える一方、常用就職件数は11,346件で23.6%減っており、CFO候補の獲得は難しくなっています。

採用を成功させる鍵は、フェーズに合わせた要件定義です。任せる経営課題を言語化し、必須経験を絞り、権限と報酬を経営陣で合意したうえで、公開可否と緊急度に合う手法を選びましょう。当社(coachee株式会社)の候補者面談44件で上流志向・役割拡大を語った候補者が70.5%を占めたように、幹部候補層は「経営にどこまで関われるか」で判断します。役割と実態を正直に伝えることから始めてください。

CFO・経営幹部の採用では、次のようなお悩みをよく伺います。

  • IPO準備を進めたいが、上場実務の経験を持つCFO候補に出会えない
  • 財務の経験は十分なのに、経営陣と考え方が合わず早期に離職してしまった
  • 候補者が本当に求めている役割や権限が、選考中に見えない

coachee Agent Proは、IT/DX・エグゼクティブ・HR領域に特化した人材紹介サービスです。企業と候補者の双方を同じリクルーティングコーチが担当する両面型の支援で、経歴だけでなく、人柄やカルチャーフィットといった目に見えない要素まで踏まえてマッチングします。候補者が重視する役割や働き方を選考の前から企業と共有するため、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。料金は入社時の完全成功報酬型です。CFOや経営幹部の採用をお考えの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

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監修者

高橋 秀誓(たかはし ひでちか)|coachee株式会社 代表取締役 / 情報管理責任者

国家資格キャリアコンサルタント、プロティアン認定ファシリテーター、人的資本開示国際規格 ISO30414 リードコンサルタント。有料職業紹介免許 14-ユ-302056。人材業界歴約10年。エグゼクティブ・Web・IT・SI・HR領域でのリクルーティングおよびキャリア形成支援に従事し、キャリア相談実績は3,500人以上。

参考・出典

※本記事は2026年10月時点の公表情報にもとづきます。

記事を書いた人
hidechika-takahashi
coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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