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フォロワーシップとは?今日からできる育成方法や評価方法【主体的な組織を作る実践ガイド】

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coachee 広報チーム
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「若手が指示待ちで、チーム全体の仕事のスピードが落ちている」 
「この『指示待ち』を、若手の資質だけの問題と片付けて良いのだろうか?」

こういった課題を解決するには、メンバー一人ひとりにフォロワーシップをもってもらうことが必要です。

フォロワーシップとは、単なる「指示されたことを実行する」という意味ではなく、チームメンバーがリーダーを積極的に支援し、建設的な提案を行うことで、主体的に組織の成果に貢献する能力や行動を指します。

しかし、若手の育成や人事評価にどう落とし込めば良いか分からず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、フォロワーシップの意味やリーダーシップとの違いといった基礎知識から、チームの成長・停滞につながる5つのフォロワータイプ、フォロワーシップを育てる3つの成功戦略まで詳しく解説します。さらに、フォロワーの貢献を人事評価に組み込む方法も紹介します。

本記事を読むことで、チームメンバーの主体性を引き出し、チームの生産性向上と組織の活性化につなげられるでしょう。

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 フォロワーシップとは?意味やリーダーシップとの違い、注目される理由

フォロワーシップとは、リーダーやチームが掲げる目標達成に向けて、メンバー(フォロワー)が自発的に思考し、自律的な行動を通して支援する能力や姿勢を指します。

単に上司の指示に従うだけでなく、建設的な意見を提示したり、組織をより良い方向に導くために自ら行動を起こしたりすることも含んだ概念です。

リーダーの資質という側面だけでなく、チーム全体のメンバーに不可欠なものと考えられています。

この章では、フォロワーシップの行動内容や、リーダーシップとの関係性、重要視される理由を解説します。

フォロワーシップの内容・具体例

フォロワーシップの具体例を以下の表にまとめました。

行動内容具体的な働きかけ
リーダーのサポートリーダーを主体的に支援する行動を取り、業務を分担したり、手が回らない部分をサポート。
建設的な意見の提出リーダーの決定や行動に誤りがあると感じた際は、遠慮せずに建設的な提言を行い、議論を促進。
自律的な問題解決自分の役割の範囲を超えて、チーム全体の成果向上に貢献するために、自ら仕事を見つけ、実行に移す。
メンバー間の協力促進チームがより良い方向に進むよう、他のメンバーにも積極的に働きかけ、協力関係を築く。リーダーの言葉を他のメンバーにも伝える。

この表が示すように、メンバー一人ひとりが、自分の仕事だけでなくチーム全体の状況を俯瞰して行動することが求められます。

 フォロワーシップとリーダーシップの関係性

リーダーシップとフォロワーシップは、組織を前へ進めるために欠かせない両輪のような関係にあります。どちらか一方が欠ければ効果は十分に発揮されず、両者が互いに作用し合うことで、組織全体が大きな成果を挙げられる構造です。

まず、リーダーは「ビジョンや組織の向かうべき方向」を示す責任を担います。一方でフォロワーは、提示された方向性を受けて「具体的な行動計画を作り、それを実行に移す」役割を持ちます。

さらに、リーダーが最終的な「意思決定」を行うのに対して、フォロワーは「建設的な提言」をもってその決定を支える存在でもあります。リーダーの決断や方向性に不足や誤りがあると感じたとき、フォロワーは遠慮せずに意見を提示します。

 フォロワーシップが組織に必要な理由や重要性

フォロワーシップが組織に求められる理由は、組織が出す成果の大部分をメンバーの行動が担っているためです。

主体的に動くフォロワーが増えるほど、改善提案や問題発見のスピードが高まります。結果として、日常業務の質だけでなく、生産性や成果の向上にまで影響が及ぶでしょう。

加えて、フォロワーシップは、リーダー一人に業務や責任が集中するのを防ぐ役割も担っています。近年、プレイヤー業務を兼任しながら意思決定を行うリーダーが増加しています。こうした背景から、メンバーが指示待ちの状態でいると、対応が遅延したり、業務が停滞したりする場面が多くなりがちです。

しかし、フォロワーが自ら課題を見つけて行動することで、リーダーへの業務集中を防ぐことができます。

 チームの成長・停滞につながる「5つのフォロワータイプ」診断

カーネギーメロン大学の Robert Kelley 教授が提唱したモデルでは「批判的思考力(クリティカル・シンキング)」と「積極的な関与(貢献力)」という2つの軸でフォロワーを以下の5タイプに分類しています。

この分類は、組織のメンバーがどのタイプに当てはまるかを考えるうえで参考になるでしょう。各タイプを理解し、チームの現状把握にお役立てください。

参考:Carnegie Mellon University

 【理想】模範的フォロワー

模範型フォロワーは「批判的思考も高く」「積極的関与も高い」状態にあるタイプで、組織にとって理想的なフォロワーです。彼らはリーダーの方針やビジョンを理解し、自分の働きがその実現にどうつながるかを意識して行動します。課題に気づいた際には提案し、自ら手を動かしてチームを支えるのも特徴です。

このような主体性の高いメンバーが複数在籍する組織では、問題解決と改善のサイクルが加速します。その結果、成果を継続的に出しやすくなり、環境の変化にも柔軟に対応する力が高まると考えられます。

 孤立型フォロワー

孤立型フォロワーは、批判的思考力は高いものの、貢献や協働への関与が低いタイプです。彼らは「こうすべきだ」という意見は出せますが、自ら動いてチームの一員として協力する姿勢が弱い傾向があります。

結果として、提案が実行に移されない「提案倒れ」に終わったり、チーム内で孤立したりする可能性があります。

 順応型フォロワー

順応型フォロワーは、貢献・協働性が比較的高く、チームの中で動けるタイプですが、批判的思考が低めです。

指示を確実に実行する力があるため、業務遂行には向いています。しかし、リーダーの判断が誤っていても、誤りを指摘したり改善を提案したりすることなく業務を進めてしまう可能性があります。

誤った方向へ進み続けたり、非効率なやり方が定着したりするため、組織としての改善やイノベーションの機会を逃しやすい点が課題となるでしょう。

 実務型フォロワー

実務型フォロワーは、批判的思考と貢献度の両方が中程度で、典型的な「安定型」と言えます。

与えられた役割は遂行しますが「改善したい」「より良くしたい」という主体的な働きかけが少ない傾向があります。そのため、成長フェーズにある組織では、イノベーションや改善の停滞要因になるでしょう。

 消極型フォロワー

消極型フォロワーは、批判的思考も積極的な関与も低く、指示待ちや受動的な姿勢を取りがちなタイプです。

このタイプが多いチームでは、リーダーが常に指示を出し続けなければならず、メンバーからの自発的な動きや改善提案が期待できません。結果として、業務停滞のリスクが高まるでしょう。

誤ったフォロワーシップの危険性は?

フォロワーシップが適切に発揮されなかったとき、組織には以下のような重大なリスクが生じます。

誤ったフォロワーシップ内容
建設的でない批判が増える感情的な否定や揚げ足取りが増えると、リーダーとチームの関係が悪化し、士気が低下する。建設的な異議が出ない環境では、重要なリスクの発見が遅れる可能性がある。
コミュニケーションを取ろうとしない指示待ち姿勢や受け身の行動が常態化すると、リーダーからの一方向のコミュニケーションとなり、組織全体の意思疎通が阻害される。
主体的に行動しない主体性を欠くフォロワーが増えると、判断や行動がリーダーに偏り、対応の遅れや生産性の低下につながる。
過去のやり方に固執する新しい挑戦や改善への抵抗が強くなり、変化に対応できない組織となる。結果として競争力の低下や停滞が起こる可能性がある。

次章では、これらの危険を避け、健全で主体性のある組織を作る方法を紹介します。

 【マネ-ジャー・育成担当向け】フォロワーシップを育てる3つの成功戦略

本章では、フォロワーシップを育てる戦略を解説します。

 1. フォロワーシップ研修を通じてフォロワーの心構えを醸成する

フォロワーシップを身につけるには、メンバーが「自分は組織にどう貢献できるか」を考えられる状態になることが重要です。

その基礎づくりとして、研修は非常に効果的です。研修を通じて役割理解や主体性の重要性を体系的に学ぶことで、日々の業務におけるメンバーの行動は変わりやすくなります。

実務に落とし込む際は、外部の専門家による体系的な研修を活用すると効果が高まります。特に「coachee人事シェア」のように、育成や人事制度に精通したプロがサポートするサービスを利用すると、組織の特性に合ったカリキュラム設計が可能になります。

2.リーダー自身が「模範的フォロワー」を示す

フォロワーシップを育てるうえで効果的なのは、リーダー自身が模範となる振る舞いを見せることです。

リーダーがどのように振る舞うかで、メンバーが主体的に動くかどうかが決まります。日頃から意識したい行動は次の通りです。

  • 建設的な意見を受け入れる姿勢を示す(威圧的な態度を避け、意見を歓迎する)
  • 自分の役割に責任を持ち、主体的に取り組む
  • ミスがあった際には素直に認め、改善の姿勢を見せる
  • 他者への敬意を示し、組織内の信頼を損なう言動を避ける

これらの行動をリーダーが実践すると、メンバーは心理的な安心感を得ることができます。意見やミスが否定されない環境は、挑戦への不安を解消するからです。

その結果、メンバーは自発的に意見を提示したり、新しい役割に挑戦したりするようになり、主体的な働き方に踏み出しやすくなるでしょう。

 3.フォロワーが他のメンバーのサポートを積極的に行えるようにする

チーム全体の成果を高めるには、メンバー同士が自然に助け合える環境を整えることが重要です。ここでは「フォロワーが自力で頑張ること」ではなく、マネジメント側が相互支援が当たり前になる仕組みをつくることが求められます。

例えば、情報共有の時間を設けたり、他部署との交流機会を増やしたりするなど、メンバー同士が関わる場を意図的に整えると、お互いにサポートする行動は生まれやすくなるでしょう。こうした環境づくりにより、チームの結束力が高まり、業務の抜け漏れや遅延も防ぎやすくなります。

 フォロワーシップを人事評価に組み込む方法|フォロワーの貢献を可視化する3つの視点

フォロワーシップを組織に根付かせるには、日々の行動だけでなく評価制度にも反映することが欠かせません。評価に組み込まれていない行動は組織内で継続されにくく、フォロワーが主体的に動き続ける動機づけが弱まってしまうからです。

そこで、人事評価にフォロワーシップを取り入れる際に重要となる3つの視点をまとめました。

視点実践すべき内容
評価項目に「貢献力」や「批判的思考力」を明記するフォロワーが建設的な提案をしたり、チーム全体への貢献を果たしたりする能力を評価項目として明文化する。成果だけでなく「どう貢献したか」「どれだけ思考したか」を可視化する。
成果だけでなくプロセスにおける関与度を評価するフォロワーが目標達成に向けてどれだけ関与し、行動したかを評価に加える。単に「結果」が出たかではなく「その過程でどれだけ主体的に動いたか」を見る。
360度評価や相互評価を導入し多角的に測定する上司のみならず、同僚・部下・関連部署からのフィードバックを取り入れて、フォロワーの貢献や思考を多面的に把握する。

こうした設計により、フォロワーの貢献が可視化され、主体的に働くメンバーが育つ環境が整います。

 組織のフォロワーシップの育成ならcoachee人事シェア

フォロワーシップとは、組織の目標達成に向けてメンバーがリーダーを積極的に支援・補佐する能力のことです。

リーダーシップとは対をなす概念ではなく、両者が相互に作用することで組織は成果を最大化できます。フォロワーシップには模範型、消極型など5つのタイプがあり、組織の成功には、自律的に考え行動する「模範型フォロワー」の育成が不可欠です。

しかし、メンバーのフォロワーシップの育成は、人事やマネージャーにとってノウハウがなく、どのように取り組むべきか課題に感じることも少なくありません。

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記事を書いた人
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国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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