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高卒採用の採用戦略の立て方6ステップ!市場動向やアプローチ方法を解説

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coachee 広報チーム
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「高卒採用をしたいけど、どのような戦略で行うべき?」

「高卒採用のやり方は、新卒や中途採用とどのように違うの?」

このように高卒採用の採用戦略について、わからない点や悩みを抱えていませんか?

そこで本記事では、高卒採用の採用戦略の概要や立て方、アプローチ方法を紹介します。

ほかの採用活動とは違う高卒採用ならではのルールまで説明するため、理解を深めながら採用戦略を立案できるでしょう。

高卒採用の採用戦略を理解して、優秀な若手人材の採用を成功させましょう。

高卒採用の採用戦略とは?2024年の市場動向も解説!

高卒採用とは、高校卒業予定者を対象とした採用活動です。近年、大卒や中途採用が難しくなる中で、高校採用に注目が集まっています。実際に、厚生労働省によると、ハローワーク求人に係る高校生の就職者数は約12万人*に上り、大卒には及ばないものの無視できない規模となっています。

企業側も高卒採用に力を入れ始めており、ここ数年で高卒採用求人数が急増しました。2024年の求人数は5年前の約2倍の約46万件に達しています。優秀な高校生の獲得競争が過熱する中、戦略的な採用活動が重要になっているのです。

そのため、単に求人を出すだけでなく、自社の魅力を効果的に伝え、応募者の心をつかむ工夫が求められています。高卒採用市場の動向を知り、適切な採用戦略を立てることで、採用活動の成功につながるでしょう。

*出典:令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(7月末現在)|厚生労働省

高卒採用の採用戦略の立て方6ステップ

高卒採用で優秀な人材を獲得するには、戦略的なアプローチが不可欠です。本項では、高卒採用の採用戦略を立てる6つのステップを順を追って解説します。

  1. 高卒採用や業界の市場を分析する
  2. 自社の現状を分析する
  3. 採用方針を策定する
  4. 採用したい人材像を明確にする
  5. 採用計画を立案する
  6. 採用チャネルを選ぶ 

自社の状況や目標に合わせて、効果的な採用戦略を策定しましょう。

1.高卒採用や業界の市場を分析する

高卒採用の戦略を立てる際には、最新の労働市場データを収集し分析することが大切です。求職者の動向や賃金相場、労働力の需給バランスを把握しましょう。例えば厚生労働省によると、2025年3月卒の高校生の求人倍率は2023年9月末で3.70倍と売り手市場となっています。

また、競合他社の動向も確認しておきましょう。ほかの企業がどのような人材を求め、どのような採用チャネルを利用しているのかを調べると、自社の優位性を見出せます。市場分析を通じて自社のポジショニングを明確にし、差別化を図ることが重要です。

*出典:令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(7月末現在)|厚生労働省

2.自社の現状を分析する

市場分析に続き、自社の現状を分析します。求める人材を的確に引き付けるために必要です。まず、企業理念や経営目標、ビジョンを再確認し、それらに沿った人材像を描きましょう。

次に、過去の採用データを洗い出し、活躍している社員の特性やスキルを分析します。さらに社内アンケートやインタビューで、現有戦力が自社のどんな点に魅力を感じているか探ります。

自社分析を通じて「自社は○○な会社で、○○な人材を求めている」という明確なメッセージを打ち出せれば、ミスマッチのない採用ができるでしょう。

3.採用方針を策定する

自社分析で描いた人材像を叶えるには、採用方針の策定が欠かせません。企業理念やビジョン、経営目標に基づき、求める人物像やスキル・経験などを言語化します。

明確な採用方針があれば、担当者は一貫性のある採用活動を展開できます。

また、方針は社内で共有し、全社一丸となって推進する体制を整えましょう。採用は人事部門だけの仕事ではありません。現場社員の協力を仰ぎ、会社を挙げて自社に必要な高校生の獲得に臨む姿勢が求められます

4.採用したい人材像を明確にする

採用方針が定まったら、次はより具体的な人物像を設定します。「どのような年齢、性別、資質、スキル、価値観をもつ人を採用するのか」をきめ細かく落とし込むのです。

明確な人物像を描けば、ミスマッチを防げます。志望者像を深く理解することで、ピンポイントな求人広告や効果的な面接を実施できる点もメリットです。

例えば「地元志向が強く、ものづくりへの情熱をもつ高校生」といったペルソナを設定します。それにより、採用したい人材像に響く採用メッセージを発信でき、共感を得られるでしょう。こうした工夫の積み重ねが、高卒採用の成功につながります。

5.採用計画を立案する

人物像が明確になった後は、採用戦略の要である採用計画の立案に入ります。まず各部署の要望や経営目標を踏まえ、年間の採用目標を設定し、具体的な採用人数や時期を決定しましょう。

予算策定も重要です。採用イベントなど必要なコストを見積もり、十分な予算を確保しましょう。学校斡旋の場合は金銭的負担が比較的少ないですが、それでも万全の準備が重要です。

最後にスケジュールを立てます。いつまでに何をやるのか、スケジュール表を作成しましょう。詳しくは「【2025年】高卒採用のスケジュール」の項で解説します。

6.採用チャネルを選ぶ

採用計画を立案したら、自社の求める人物像を採用しやすいチャネルを選定します。過去の採用データを分析し、最も応募者を集められた採用チャネルを特定しましょう。

選択肢としては以下の方法が挙げられます。

  • 学校斡旋
  • 社員紹介
  • Web媒体
  • SNS
  • イベント など

ターゲットの志向や業界の特性を加味しつつ、費用対効果の高いチャネルをチョイス。自社色の強いアプローチで高校生の心をつかみましょう。

【学校斡旋】高卒採用の採用戦略を活かすアプローチ方法3選

高卒採用には、新卒や中途採用とは違った以下のアプローチ方法があります。

  • 求人票を送付する
  • 学校を訪問して自社の魅力を伝える
  • 会社説明会を実施する
  • 職場見学やインターンシップを実施する

学校斡旋では、学校と密接に連携し信頼関係を築くことで、優秀な高校生へのアプローチが可能です。

高卒採用の採用戦略を活かすアプローチ方法を3つ解説します。

1.求人票を送付する

学校斡旋を行うためには、ハローワークに高卒専用の求人票を提出します。公開求人の場合はWeb上でも掲載されますが、特に関心のある学校には直接求人票を送付するのが良いでしょう。

求人票を通して自社の魅力を知ってもらう機会のため、高校生目線でわかりやすい表現を心掛けてください。専門用語は避け、具体的な仕事内容や社風、求める人物像などを明確に伝えます

学校側と相談しながら送付のタイミングや方法を決めることをおすすめします。

2.学校を訪問して自社の魅力を伝える

求人票の送付と並行して、学校訪問も欠かせません。企業と学校が直接交流する貴重な機会のため、担当者が先生に自社の魅力を直接アピールしましょう。

求人票だけでは伝えきれない企業理念や社風、高校生へのメッセージを伝えましょう。学校側も担当者の顔が見えることで、生徒に求人を紹介しやすくなります。

学校訪問を数年にわたって継続し信頼関係を築けば、企業説明会の実施や就職相談イベントの開催など、高校生との接点を多く作れます。

3.会社説明会を実施する

高卒採用は大卒と比べ、学生と直接触れ合う機会が限られています。しかし、学校との信頼関係があれば、会社説明会の実施を通じて生徒たちと直接コミュニケーションが取れます。

会社説明会では、まず業界全体の話から入るのがおすすめです。高校生にもわかりやすく業界の現状や将来性、魅力を伝えることで、仕事への理解を深められるでしょう。

そのうえで、自社の事業内容や求める人材像、教育制度などを具体的に説明します。高校生の目線に立ち「この会社で働くとどのような未来が待っているのか」をイメージできる説明を心掛けます。説明会の満足度が高ければ、自社への応募へとつながるはずです。

4.職場見学やインターンシップを実施する

会社説明会と並行して、職場見学会やインターンシップの実施も検討しましょう。特に夏休みの期間は、高校生が参加しやすいため、タイミングを逃さないようにしてください。

職場見学では、実際の仕事現場の雰囲気を肌で感じてもらいましょう。スタッフの働く姿を目の当たりにすることで、リアルな「働くイメージ」をもってもらえます。

加えて、若手社員との交流会や座談会の場を設けるのも効果的です。年齢の近い先輩の声を聞くことでより高校生の心に響くはずです。

余裕があれば、簡単な業務を体験するインターンシップまで企画してみましょう。仕事のやりがいを実感してもらえれば、自社で働く意欲にもつながるでしょう。

【学校斡旋以外】高卒採用の採用戦略を活かすアプローチ方法2選

学校斡旋以外の高卒採用の採用戦略を活かすアプローチは以下のとおりです。

  • 高卒採用に役立つWebサービスを活用する
  • 高卒採用イベントを活用する

以下の項で詳しく解説します。

1.高卒採用に役立つWebサービスを活用する

近年、高卒採用に特化した求人サイトが登場し注目を集めています。大学新卒向けの有名求人サイトのように、高校生が直接アクセスできるサービスから、学校の進路指導担当者向けのものまでさまざまです。

これらのサイトでは、自社の仕事内容を写真や動画でわかりやすく伝えられるのが魅力です。採用ページを充実させ、会社の魅力を余すところなくアピールできます。学校斡旋では伝えきれない情報も、Webサイトならではの表現力で高校生に届けられるでしょう。

大手企業に負けない採用力を身につけるためにも、高卒採用特化型の求人サイトを上手に活用してください。

2.高卒採用イベントを活用する

高卒採用支援に力を入れる企業や公的機関の中には、高校生向けのイベントを開催しているところがあります。例えば、仕事体験イベントや合同企業説明会、情報交換会などです。

イベントには高校生自身が参加するものもあれば、進路指導の先生方が集まるものもあります。業界の枠を越えて、高卒採用に積極的な企業が一堂に会する貴重な機会ですから、ぜひ参加を検討しましょう。

例えば、厚生労働省東京労働局などが主催する「高校生のための合同企業説明会」のように、各地域でさまざまなイベントが開催されています。自社の魅力を直接高校生や進路指導の先生方にアピールできる絶好のチャンスです。イベントで出会った高校生との関係構築を目指しましょう。

参考:【参加企業募集】 「高校生のための合同企業説明会」参加企業募集のお知らせ|厚生労働省 東京労働局

【戦略策定で意識したい】高卒採用で優秀な人材を採用する際の3つのポイント

高卒採用で優秀な人材を採用するためには、以下の点に注意してください。

  • 初任給を見直す
  • 高校生だけでなく学校の先生にもアプローチする
  • 高校生と会う機会を増やす

注意するべきポイントを意識することで戦略策定にも役立つため、参考にしてみてください。

1.初任給を見直す

高卒採用のニーズが高まるにつれ、優秀な人材確保のために初任給の見直しが必要になっています。実際に、株式会社ジンジブの調査では、2025年4月入社の高卒社員の初任給を引き上げる予定の企業が53.5%に上りました。

自社が提示する初任給が業界水準を下回っていては、高校生から敬遠されるリスクがあります。一方で、周囲の動向を見極めつつ適正な水準で初任給を設定できれば、高校生にとって魅力的な就職先として映るはずです。

地域や業界における初任給の相場をリサーチし、自社の採用力強化につなげる戦略的な初任給設定を心掛けましょう。

*出典:【25卒】高校新卒採用に関する企業動向調査(2024年4月) 募集は増加傾向「増やす」「変わらない」「新たに始める・数年ぶり再開」96%。|PRTIMES

2.高校生だけでなく学校の先生にもアプローチする

学校斡旋の仕組みがある高卒採用では、高校の先生方に自社の魅力を理解してもらいましょう。進路指導の先生に「この企業なら生徒に自信をもって推薦できる」と思ってもらえれば、採用活動がしやすくなります。

そのために、学校との信頼関係づくりに努めましょう。高校訪問は複数年にわたって継続的に訪問し、先生方とコミュニケーションを重ねてください。

加えて、社員が生き生きと活躍する職場環境をアピールします。若手社員の成長を支える教育制度の充実ぶりや、高卒者の活躍事例を具体的に伝えると、先生方の共感を得られるはずです。

3.高校生と会う機会を増やす

高卒採用では個別に高校生との直接のコンタクトが制限されていますが、工夫次第で接点を増やすことはできます。具体的には、合同説明会への参加や、応募前の職場見学の設定などが有効です。

「この会社で働きたい」と感じてもらえるように、自社の魅力を伝えるようにしてください。

先述の通り会社説明会やインターンシップなども、高校生との接点を生む良い機会です。可能な限り高校生と顔を合わせるシーンを設け、自社の魅力を存分に伝えましょう。

高卒採用の採用戦略策定時に守るべき4つのルール

高卒採用では、新卒・中途採用にはない以下の独自ルールがあります。

  • 直接交渉の禁止
  • 応募書類の統一
  • 一人一社制(複数応募禁止)
  • 指定校求人の3倍ルール

ルールを理解して破らない対策を取りながら、戦略策定を行いましょう。

直接交渉の禁止

高卒採用において、企業と高校生の直接的なやり取りは一切禁じられています。電話やメールなどあらゆる手段での直接連絡が禁止です。

したがって、職場見学や面接の日程調整、合否連絡などはすべて学校を通して行う必要があります。高校生との直接的な接点を設けるのは学校主催のイベントに限られるため、学校との信頼関係づくりが何より重要になります。ルールを遵守しつつ、上手に高校生へアプローチする工夫が求められるでしょう。

応募書類の統一

高卒採用の選考では、応募書類も指定のフォーマットを用いる必要があります。具体的には、文部科学省と厚生労働省、全国高等学校長協会の三者協議によって作成された「全国高等学校統一応募書類」です。

統一書類は定期的に見直しと改訂が行われるため、常に最新版を使用するよう注意が必要です。書式が古いと、高校から指摘を受けるリスクもあります。

採用担当者は、厚生労働省のWebサイトなどで最新の統一応募用紙をこまめにチェックしましょう。

参考:全国高等学校統一応募用紙(履歴書)|厚生労働省

一人一社制(複数応募禁止)

指定校求人の場合「一人一社制(複数応募禁止)ルール」という独自の規定があります。内容は、応募解禁日から一定期間、一人の学生が応募できる企業は1社に限られるというルールです。

つまり、内定に至らなかった場合のみ、学生は他社へ応募が可能になります。

地域によってルールが異なる場合があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

指定校求人の3倍ルール

指定校求人には「募集人数の3倍まで高校を指定できる」という暗黙のルールが存在します。高校側は、3倍ルールを踏まえ「指定校求人は倍率が低い」「長年指定校として選ばれている」との認識から、公開求人よりも指定校求人を生徒に進める傾向にあります。

ただし「3倍ルール」は地域によって異なる場合もあり、一律のものではありません。そのため、自社の採用エリアにおける指定校求人の慣習を把握して採用活動を進めましょう。

【2025年】高卒採用のスケジュール

高卒採用の流れは、毎年ハローワークが発表する「求人票・求人募集の解禁時期」に準拠しています。2025年の高卒採用スケジュールを確認しておきましょう。

  • 企業の求人が出される(6月1日以降)
  • 高校生が就職先を検討する(7月1日以降)
  • 企業へ応募する(9月5日以降※沖縄県は8月30日以降)
  • 採用選考が始まる(9月16日以降)

まず企業が求人を出すのは6月1日以降です。高卒求人を予定する企業は、この日を境にハローワークへ求人票を提出します。

次に高校生が就職先を検討し始めるのが7月1日以降です。求人票の公開が解禁となり、学生の企業探しがスタートします。

そして9月5日(沖縄県は8月30日)からは学校を通じて企業への応募が可能です。書類選考などを経て、9月16日以降に就職試験が解禁されます。

出典:就職活動スケジュール(新規高卒者)|厚生労働省

高卒採用の採用戦略を立てて、優秀な若手人材を採用しよう

高卒採用の採用戦略とは、高校卒業を予定した人を対象にした戦略です。高卒採用は、年々競争が激化しており、優秀な人材を採用するためには戦略的な取り組みが欠かせません。

本記事で紹介した採用戦略の立て方やアプローチ手法などを実践して、採用活動を成功につなげましょう。

coachee人事シェアは、高卒採用も含めた採用活動の課題を解決するサービスです。初期費用や月額費用は0円で、成果報酬形式で即戦力人材を紹介します。

高卒採用の採用戦略においては、ターゲットの要件定義やアプローチ手法の選定、採用組織の構築など、多種多様な支援を行います。

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記事を書いた人
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coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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