「ポテンシャルという言葉はよく聞くけど、具体的にどういう意味なの?」
「ポテンシャル採用を導入したいが、見極め方がわからない」
ビジネスの現場で頻繁に使われる「ポテンシャル」という言葉ですが、その正確な意味や活用方法を理解している方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、ポテンシャルの意味から、重視される理由、ポテンシャルが高い人の特徴まで詳しく解説します。また、ポテンシャル採用の実施手順や企業事例も紹介するため、採用担当者や人事部門の方にも役立つ内容です。
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ポテンシャルとは

ポテンシャルとは「潜在的な能力」を指す言葉です。現在のスキルや実績ではなく、将来的に発揮される可能性のある力に注目する点が特徴です。
「モチベーション」や「才能」と混同されやすいですが、それぞれ異なる意味を持ちます。
モチベーションは目標達成に向けて能力を発揮し、行動を起こすための意欲や動機づけであり、才能は生まれつきの特性を指します。一方でポテンシャルは、努力や環境によって成長・発展が期待される要素を含んでいます。
ポテンシャルがビジネスにおいて重要視される理由
企業がポテンシャルを重視するのは、急速に変化する社会環境に対応できる人材が求められているからです。
従来は、過去の実績やスキルが採用の基準とされていました。しかし、テクノロジーや市場の変化が激しい現在では、これまで通用していた手法が数年で通用しなくなる可能性があります。そのため企業は「これからどのように成長し、変化に対応できるか」といった将来性を評価軸としています。
特に、AIや自動化技術の進化により、再現性のある業務は機械に代替される傾向です。これにより、過去に成功した方法を繰り返すだけでは対応しきれない場面が増えており、未知の課題に柔軟に取り組める人材の重要性が高まっています。
ポテンシャルを構成する6つの要素

本項では「企業がどのような観点で将来性を判断しているのか」を理解していただくために、ポテンシャルを構成する6つの要素を紹介します。
| 要素 | 定義 | 具体例 |
| 1. 物事を深く分析する力 | 情報の背景や構造を読み解く力 | 売上減少の理由を「天候」や「競合の動き」など複数の要因から分析し、改善提案を出す |
| 2. 論理的に考える力 | 筋道を立てて思考・説明する力 | プロジェクトの失敗要因を「時系列」「関係者別」に分けて整理し、次回対策として共有する |
| 3. 計画を実行に移す力 | 立てた計画を行動に落とし込み、着実に実行する力 | 1カ月後の納期に向けて、週単位で進捗を分けて実行スケジュールを立て実行する |
| 4. 自分を客観的に見る力 | 客観的に、物事を冷静に判断する能力 | プレゼンでの課題に気づき、上司に意見を求めて資料構成を見直す |
| 5. 成長したいと思う意欲 | 学び続け、挑戦する姿勢 | 未経験の業務に自ら手を挙げ、必要な資格やスキルを自発的に学んでいく |
| 6. 仕事をやり遂げる責任感 | 最後までやり抜く力 | チームメンバーが抜けた状況でも、自分の業務に加えて補完作業まで責任を持って対応する |
これらの要素は、経験や実績がまだ少ない若手人材でも評価しやすく、採用する際の見極め基準として有効です。
ポテンシャルが高い人に共通する5つの特徴

ここでは、ポテンシャルが高い人に共通する特徴を紹介します。
1.アドバイスを素直に受け入れる
ポテンシャルの高い人は、上司や先輩からのフィードバックを受け止め、わずかな指摘であっても改善に向けて行動に移します。
例えば、ミーティング後「もっとここを改善したらいい」と言われた際にすぐ自分で振り返り、次回までに変化を出すよう努める姿勢を見せます。
2.失敗を恐れず行動する
ポテンシャルの高い人は、未知の領域や難しい課題に直面しても「失敗したらどうしよう」と立ち止まるのではなく、まず挑戦して学びを得にいきます。
例として、慣れていないプロジェクトでも自ら手を挙げ、結果的にミスをしても次の対策を検討し行動を変えるという姿勢を持っています。
3.自分の強みと弱みを理解している
自分自身を客観的に見つめる習慣がある点も特徴です。
自分の強みと弱みを理解している人は、自身を冷静に見つめ直す習慣があります。例えば「プレゼンは得意だけど、細かい作業は苦手」といった自覚があり、苦手な部分は学んだり、得意な人に相談したりしながら改善しようとします。
4.新しいことに興味を持つ
ポテンシャルが高い人は、既存の領域だけで満足せずに、未知の知識やスキル、業務にも興味を持ちます。
例えば、現在の仕事とは直接関係のない分野の勉強会にも参加したり、業務改善のヒントを社外から探したりする姿勢が見られます。
5.常に上を目指している
ポテンシャルが高い人は、向上心や成長意欲が強く、現状に満足しない姿勢を持ちます。
例として「もっとこうなりたい」という明確な目標を定め、現状との差分を埋めるためにスキルを磨いたり、新たな役割に挑戦したりします。
ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用とは、応募者の実績やスキルよりも、成長意欲・学習能力・柔軟性といった将来の可能性を重視する採用手法です。
従来の新卒採用では、大学卒業予定の学生を対象に、入社後の育成を前提として採用するのが一般的でした。
一方でポテンシャル採用は、主に20代の若手社会人、特に第二新卒などを対象とすることが多く、経験よりも成長意欲や柔軟性といった将来性に重きを置いて採用する手法です。
ポテンシャル採用で得られるメリット

ポテンシャル採用の利点は、スキルや経験だけにとらわれず、意欲や将来性を重視して人材を迎え入れられる点です。これにより、従来の枠にとらわれない柔軟な発想を持った人材や、新たな視点をもたらす多様な人材が集まりやすくなります。
特に、ポテンシャル採用のターゲットとなる若手層は、前職のやり方に強く影響されておらず「柔軟に働きたい」「成長機会を重視したい」と考える傾向があります。そのため、自社の文化や価値観になじみやすく、一から育成しやすいという点がメリットです。
ポテンシャル採用で注意すべきリスク

ポテンシャル採用は将来の成長を重視する一方で、リスクも存在します。
まず「成長意欲」や「柔軟性」といった将来性の要素は、数値化が難しく、面接官によって判断が分かれやすい点です。
評価軸が曖昧なままでは、主観的な判断に偏り、採用後のミスマッチや早期離職のリスクが高まります。そのため、あらかじめ求める人物像を明確に言語化し、選考基準を部門間で統一しておくことが有効です。
また、ポテンシャル採用では候補者が実務経験を持たないケースも多く、入社直後から成果を求めすぎると期待とのギャップが生じやすくなります。短期間での即戦力化を前提にすると、現場とのミスマッチが発生し、本人のモチベーション低下にもつながるおそれがあります。
こうしたリスクを避けるには、育成期間を見込んだ計画をあらかじめ設け、中長期的な視点で評価する仕組みが欠かせません。
ポテンシャル採用には構造化面接が有効

ポテンシャル採用を成功させるためには、候補者の将来性や成長可能性を的確に見極める必要があります。その手段として有効なのが「構造化面接」です。
構造化面接とは、あらかじめ評価項目と質問内容を統一し、全候補者に同一質問を行うことで、公平性と一貫性を保つ面接手法です。この方法を用いることで、誰をどの基準で評価したのかが明確になります。面接官の主観や経験値に依存しがちなポテンシャル評価においても、選考の精度と再現性を高めることが可能です。
実施手順としては、以下の流れで進めるのが一般的です。
- アイスブレイク
- 自己紹介
- 質問
- フィードバック
- 質疑応答
また、構造化面接では「どのような状況で、どのような行動を取ったか」という行動特性を把握することが重視されます。人は指示されて動く場合と、自ら行動を起こす場合とで、発揮されるパフォーマンスが大きく異なります。
そのため、行動に至った経緯を掘り下げることで、業務におけるポテンシャルをより正確に測定できるでしょう。
【5Step】ポテンシャル採用の実施手順

ポテンシャル採用の実施手順は以下の通りです。
1.採用したい人物像を具体化する
まずは「どんな未経験領域にも挑戦できる柔軟さ」「学びを楽しめる姿勢」など、人物像について行動特性を中心に言語化します。漠然とした“やる気”ではなく、企業文化との相性や成長の方向性に合うかを確認しましょう。
2.見極めるための基準を決める
ポテンシャルは見えづらいため「壁にぶつかった経験とその乗り越え方」「新しい環境での適応行動」などの質問例を設定し、評価基準(行動・発言・姿勢)を明確にします。
3.募集方法を決定する
ポテンシャル人材を採用するには、第二新卒など将来性のある層へのアプローチが重要です。求人サイトや転職エージェントなど、対象層にリーチしやすい媒体を選定しましょう。
また、coachee Agent Proのようなサービスを活用すれば、専門スキルを持ちながらポテンシャルも備えた人材の採用が可能になります。「変化に対応する力」や「組織との相性」など、数値で表せない要素まで見極めたうえで、貴社にマッチする人材を提案できます。
4.面接で潜在能力を判断する
ポテンシャルを測る面接では、これまでの成果よりも「どんな姿勢で新しいことに取り組んだか」を掘り下げます。
例えば「未経験の仕事にどう向き合ったか」「壁を乗り越えた経験はあるか」といった質問を通じて、その人の考え方や成長性を確認しましょう。
5.入社後の育成プランを準備する
ポテンシャル人材は、入社直後から高い成果を出すのが難しい場合もあるため、最初の数ヶ月をどう過ごしてもらうかが重要です。
安心して成長できる環境を整えることで、中長期的な活躍につなげやすくなります。
ポテンシャル採用の企業事例|アドビ株式会社の事例を解説

アドビ株式会社では、国内外ともにデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れを受け、2020年度には前年比15%増、2021年第2四半期には前年同期比23%増という成長を記録しました。
この急速な変化を背景に、同社では「過去の経験やスキルに基づくジョブ型採用」だけでは、今後の市場変化に対応しきれないという課題意識が高まっていました。
そこで重視されるようになったのが「変化への適応力」や「フレキシブルな思考力」といった、ポテンシャルベースの人材像です。特に「これまで通用していたやり方が通じない時、どう行動できるか」という問いに対応できる柔軟性が、採用基準の中心に据えられています。
実際の選考では「前例のない状況でどのように判断し、行動できるか」という視点を評価軸に含め、将来の環境変化にも対応できる人材を積極的に登用しています。
こうした採用戦略により、アドビは単なる人材補充にとどまらず、組織の変化耐性とイノベーション力の底上げを図っています。
参考:キャリコネニュース「外資系企業のアドビが「ポテンシャル採用」に移行? 伸びしろを含めた「変容への対応力」で人材を評価」
ポテンシャルに関するよくある質問

本項では、ポテンシャルやポテンシャル採用に関するよくある質問を紹介します。
1.ポテンシャル採用は何歳まで対象?
「ポテンシャル採用には明確な年齢制限はありません」とされており、法的にも年齢制限を設けることは原則できません。
ただし実務的には、20代から30代前半あたりの若手層が中心になる傾向があります。
ポテンシャルを人事評価する方法は?
ポテンシャルを評価する際には、本記事で紹介した以下の5つの特性を確認しましょう。
- アドバイスを素直に受け入れる
- 失敗を恐れず行動する
- 自分の強みと弱みを理解している
- 新しいことに興味を持つ
- 常に上を目指している
これらを確認することで、組織への貢献につながっているかも判断しやすくなります。
社員のポテンシャルを引き出したり高めたりする方法は?
以下の表のように取り組むことで、社員一人ひとりのポテンシャルを引き出せます。
| 方法 | 解説 |
| 本人の得意分野で活躍させる | 得意な領域を活かせる業務に配置し、自信を持たせることで成長意欲を刺激する。 |
| 意見を言いやすい環境をつくる | 社内で意見交換しやすい風土を整備すると、新しい視点や改善案が出やすくなる。 |
| 定期的な面談で成長を支援する | 定期的な1on1や面談を設定し、目標や課題を明確化してフォローアップを行う。 |
| 難易度の高い仕事を任せる | チャレンジングな業務を与え、経験を通じて成長を加速させる機会を提供。 |
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ポテンシャルとは、人に秘められた、まだ発揮されていない才能や将来性を指します。ビジネスの現場では、学ぶ姿勢や柔軟な思考、挑戦への意欲が重視されています。
こうした人材を見極めるには、経験よりも潜在力を見抜く採用設計が欠かせません。
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