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ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略!採用が難しい理由や成功のポイントを解説

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coachee 広報チーム
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「ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略をどのように立てれば良いのだろう?」

「スタートアップ企業の採用戦略を成功させるポイントが知りたい」

このように悩んでいませんか?

ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略は、大手企業とは違ったアプローチが必要です。

本記事では、ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略の立て方を解説します。また、採用が難しい理由や採用戦略の手法も詳しく説明するため、採用戦略を立案する際の参考にしてください。

本記事で紹介するベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略のポイントを押さえて、採用課題の解決につなげましょう。

ベンチャー・スタートアップ企業の採用が難しい・人が集まらない3つの理由

ベンチャー・スタートアップ企業が人材採用に苦戦するケースは少なくありません。大手企業と比較すると、採用活動において不利な点が多いのが実情です。本項では、ベンチャー・スタートアップ企業で人が集まらない3つの理由を説明します。

1.働き手が不足しているから

近年、少子高齢化にともない生産年齢人口が減少傾向にあります。総務省の予測では、2020年の7,449万人から2040年には5,978万人*まで減少するとされています。労働力が減る中、ベンチャー・スタートアップ企業が求める若手人材の確保は困難な状態です。

特に、新卒採用市場では学生優位の売り手市場が続いており、2024年卒の大卒求人倍率は1.71倍*にのぼります。企業間の人材獲得競争が激化する状況で、知名度や安定性に劣るベンチャー・スタートアップ企業が学生から選ばれるのは容易ではありません。

*出典:デジタルで支える暮らしと経済|総務省

*出典:2024年卒の就職・採用市場|就職みらい研究所

2.企業の採用競争が激化しているから

労働力人口の減少を背景に、優秀な人材の獲得をめぐる企業間の競争は年々激しさを増しています。大手企業はもちろん、成長が著しいベンチャー・スタートアップ企業も積極的に採用活動を展開しており、限られた人材を奪い合う構図となっています。

経験豊富なハイスキル人材や、将来有望な新卒人材の獲得を優先するあまり、採用に予算や時間を費やす企業も増えています。

3.大手企業と比べて知名度が低い傾向にあるから

社会的知名度や企業ブランドの浸透度はベンチャー・スタートアップ企業の弱みの一つです。

多くのベンチャー・スタートアップ企業は、大手企業と比較して認知度が低いため、求人情報を発信しても応募者の目に留まりにくい傾向です。

【6Step】ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略の立て方・実施の流れ

本項では、ベンチャー・スタートアップ企業ならではの採用戦略を立案し実行するうえで欠かせない6つのステップを紹介します。

  • 会社のありたい姿を明確にする
  • 自社の課題・強みを整理する
  • 採用目標・採用ターゲットを明確にする
  • 採用戦略を立てる
  • 採用手法を考える
  • 採用活動を開始して効果を分析する

6つのステップを踏まえたうえで、自社の特性に合わせて、効果的な採用戦略を構築してください。

1.会社のありたい姿を明確にする

まずは、自社のビジョンやミッションを明確にしましょう。ベンチャー・スタートアップ企業の強みは、大手企業にはない独自のビジョンを掲げ、社会に新しい価値を提供できる点にあります。

経営陣や現場の社員を巻き込んだワークショップを開催し、全社一丸となって目指すべき会社の姿を共有しましょう。その際、具体的な数値目標や達成したい社会的インパクトを設定することで、より明確なビジョンを描けます。

2.自社の課題・強みを整理する

次に、自社を取り巻く環境を客観的に分析しましょう。3C分析を活用し、自社・競合他社・顧客の3つの視点から現状を把握してください。

加えて、SWOT分析を用いて内部環境と外部環境の両面から自社の立ち位置を見極めることも有効です。大企業にはないベンチャー・スタートアップ企業ならではの強みを明らかにし、採用時のアピールポイントとして整理します。

例えば、意思決定の速さやフラットな組織構造、挑戦的な企業文化などは、ベンチャー・スタートアップ企業の魅力として訴求できるでしょう。

3.採用目標・採用ターゲットを明確にする

会社のビジョンと自社分析を踏まえ、次は採用目標と採用ターゲットを設定します。採用目標は、具体的な採用人数や期限、必要とされるスキルセットを明文化しましょう。

例えば「1年以内にエンジニア5名、マーケター3名を採用する」という数値目標を立てることで、採用活動に対して明確な指針を持てます。

また、採用ターゲットは、自社の目指す方向性に共感し、一緒に成長していける人材の特性を洗い出すことが大切です。成長意欲が高く、自ら意思決定ができ、フットワークの軽さを備えた人材は、ベンチャー・スタートアップ企業との相性が良いでしょう。

4.採用戦略を立てる

明確になった自社の強みと採用ターゲットの特性をかけ合わせ、最適な採用戦略を立案します。例えば「挑戦的な企業文化」を強みに掲げるのであれば、その価値観に共鳴する「成長意欲の高い人材」にアプローチするのが効果的です。

また、採用チャネルの選定と予算配分も戦略的に行いましょう。ダイレクトリクルーティングやSNS経由の採用など、自社にあった手法を複数組み合わせると、優秀な人材へのリーチを広げられます。

5.採用手法を考える

戦略に基づき、具体的な採用手法を検討します。狙うターゲットや採用規模などに応じた最適な採用手法の選択が大切です。「ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略の手法・採用媒体」で詳しく紹介されている各種手法を参考に、自社にあった採用活動を設計しましょう。

6.採用活動を開始して効果を分析する

採用活動を開始し、効果を分析する点も重要です。採用活動の成果を適切に測定するため、応募数や面接通過率、内定承諾率などのKPIを設定し、定期的にモニタリングしましょう。数値を可視化すると、改善すべき点や効果的な施策を明らかにできます。

また、候補者からのフィードバックを積極的に収集し、採用プロセス全体の改善に役立てることも重要です。内定辞退者へのアンケート調査なども実施し、採用活動の課題を多角的に把握してください。

ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略の手法・採用媒体

本項では、ベンチャー・スタートアップ企業が採用戦略を立てる際に活用できる手法と採用媒体を紹介します。

  • リファラル採用
  • ダイレクトリクルーティング
  • ソーシャルリクルーティング
  • 採用イベントへの参加
  • オウンドメディアの活用
  • インターン採用
  • 新卒・転職エージェントの活用

本項の内容を理解して、効果的な人材採用ができるよう活用しましょう。

1.リファラル採用

リファラル採用とは、社員の人脈を活用して候補者を見つける採用手法です。既存社員の紹介により、企業文化に適合した人材を効率的に採用できます。

リファラル採用では、紹介のハードルを下げるために、社内フローを明確にした資料を作成するなどの工夫が求められます。

リファラル採用について、coacheeが実施する勉強会にて取り上げました。下記の勉強会レポートを合わせてご参考ください。

リファラル採用の成功戦略:企業文化とインセンティブ設計で加速させる人材の確保

2.ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接候補者にアプローチする能動的な採用手法です。SNSや就活・転職サイトを通じて、理想的な人材に直接コンタクトを取れます。

ダイレクトリクルーティングを行う際は、候補者のニーズや関心事を把握し、魅力的なアプローチをすることで、採用成功につながります。

3.ソーシャルリクルーティング

ソーシャルリクルーティングとは、LinkedIn、Facebookなどのソーシャルメディアプラットフォームを活用した採用手法です。潜在層に対してカジュアルにアプローチできるでしょう。

効果的に行うためには、自社の採用ブランディングを強化し、候補者にとって魅力的なコンテンツを発信していきましょう。

4.採用イベントへの参加

採用イベントは、直接求職者と対話できる貴重な機会であり、自社の魅力を直接伝え、優秀な人材を見つけるチャンスとなります。例えば「情熱フェスタ」などのベンチャー特化型の合同採用イベントが注目を集めています。

採用イベントに参加する際は、企業理念や将来のビジョンを熱意を持って説明することで、候補者の共感を得られます。

5.オウンドメディアの活用

オウンドメディアとは、自社で運営するWebサイトやブログなどの媒体を指し、企業の魅力や文化を深く伝えられる効果的なツールです。株式会社TalentXの調査によると、採用オウンドメディアの開設率は約6割にのぼり、多くの企業が注力している採用手法の一つです*。

オウンドメディアを活用する際は、業界・職種にまつわるコンテンツの発信が重要です。特定のキーワードで求人情報を検索する人材にリーチできます。

また、中長期的な運用が効果を生むため、長期目標・短期目標を設定し、継続的に発信しましょう。

*出典:採用オウンドメディアに関する実態調査|PRTIMES

6.インターン採用

インターンシップは、候補者と企業のマッチングを図る最適な機会であり、短い面接時間では見えない部分を、実際の就業体験を通じて確認できます。

企業文化や実際の業務内容を体感してもらうと、ミスマッチを防げて、入社後の定着率向上にもつながります。

7.新卒・転職エージェントの活用

新卒・転職エージェントは、専門知識を活かした効率的な採用をサポートします。企業と求職者のマッチングを専門的に行うプロフェッショナルであり、ベンチャー・スタートアップ企業に特化したエージェントサービスも増加傾向にあります。業界や企業規模に応じた適切な人材紹介が可能です。

エージェントとの連携を深め、自社のニーズにあった人材を見つけましょう。

【事業フェーズ別】ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略策定を成功させるコツ

ベンチャー・スタートアップ企業における採用戦略の策定は、事業フェーズごとに異なるアプローチが必要不可欠です。事業フェーズは、以下の3つに分けられます。

  • 創業期(1人〜10人)
  • 急成長期(10人〜30人)
  • 安定成長期(30人〜50人)

本項では、各フェーズにおける採用戦略の立て方やポイントを解説します。

創業期(1人〜10人)

創業期のベンチャー・スタートアップ企業では、経営陣自らがコアメンバーを集めることに注力する必要があります。単に友人や過去の同僚だけでなく、仕事上の付き合いのあった人材の中で、選りすぐりの人材を集めましょう。

この段階では採用のテクニックよりも、経営陣の想いを伝えてください。想いを効果的に伝えるために、採用のピッチ資料と合わせて採用動画を用意しておきましょう。

急成長期(10人〜30人)

急成長期に入ると、コアメンバーの採用に加えて、現場を支える優秀な社員の採用も増えてきます。しかし、この時期は採用にかけられる費用も限られているため、採用コストを適切にコントロールする必要があります。

経営陣の個人SNSやWantedlyなどの低額な求人媒体サービス、Indeedなどを活用して母集団形成を行いましょう。

安定成長期(30人〜50人)

安定成長期に差しかかると、経営陣が採用に直接関与する機会は徐々に減っていきます。採用手段も幅広くなり、人材紹介会社の活用や採用特設サイトの制作なども検討の余地が出てきます。

ただし、現場に寄り添いすぎるあまり、会社としてあるべき姿を見失わないよう注意が必要です。組織のビジョンや目指す方向性を踏まえたうえで、バランスの取れた採用を心がけましょう。

ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略策定で意識したい4つのポイント

本項では、ベンチャー・スタートアップ企業が採用戦略を策定する際に意識したい4つのポイントを解説します。

  • 経営陣含めて全体で動く
  • 採用のスピードを早める
  • 採用ブランディングも考える
  • SNSでの情報を発信する

4つのポイントを押さえて、採用戦略を策定する際の参考にしてください。

1.経営陣含めて全体で動く

ベンチャー・スタートアップ企業の魅力は、経営陣の熱い想いやビジョンです。まだビジネスモデルが確立していない段階では、そこで働く人の想いや信念こそが人材を惹きつける武器となります。そのため、採用活動は、経営陣自らが先頭に立ち、全社一丸となって優秀な人材の獲得に努めることが重要です。

具体的には、社長や役員が率先して一次面接を担当し、候補者に直接ビジョンを語りかけると、強い共感を生み出せます。

2.採用のスピードを早める

ベンチャー・スタートアップ企業の強みの一つは、意思決定の速さです。この強みを採用活動にも活かし、応募から内定までのプロセスを可能な限り短縮し、優秀な人材を逃がさないようにしましょう。

例えば、面接日程の調整や合否連絡のスピードを上げると、候補者の心理的な負担を軽減し、自社へ好印象を与えられます。

3.採用ブランディングも考える

知名度の低いベンチャー・スタートアップ企業にとって、積極的な採用ブランディングは欠かせません。ユニークな文化、成長機会などを明確に打ち出し、採用競合との差別化を図りましょう。

具体的には、魅力的な採用サイトやランディングページを制作し、求職者に自社の魅力を効果的に伝えてください。また、SNSを活用して社員の働く姿を発信したり、メディアに積極的に露出したりすると、自社の認知度向上とブランディングにつなげられます

4.SNSでの情報を発信する

近年、SNSを活用した採用活動、いわゆるソーシャルリクルーティングの重要性が高まっています。特にベンチャー・スタートアップ企業の場合、InstagramやLinkedInなどを通じて、ターゲット層に直接アプローチしてください。

SNSの特性を活かし、動画コンテンツを積極的に活用したり、独自のハッシュタグを設定したりするのも一つの手段です。

ベンチャー・スタートアップ企業の採用失敗例2選

本項では、ベンチャー・スタートアップ企業が陥りがちな採用失敗例を2つ取り上げます。

  • 企業の文化と採用した人材の価値観が合わない
  • ハイスキルな人材を求めすぎ人が集まらない

採用失敗例を参考にして原因と対策を考えていきましょう。

1.企業の文化と採用した人材の価値観が合わない

ベンチャー・スタートアップ企業において、企業文化と採用した人材の価値観のミスマッチは、早期離職の主要因となり得ます。特にスタートアップ企業の場合、社員一人ひとりの価値観が企業文化に大きな影響を与えるため、カルチャーマッチしない人材を採用すると、組織の一体感が失われる恐れもあります。

この問題を防ぐためには、スキルの高さだけでなく、カルチャーマッチを優先する採用プロセスの導入が重要です。応募者の価値観や働き方のスタイルを丁寧に見極め、企業の文化との適合性を判断しましょう。

2.ハイスキルな人材を求めすぎ人が集まらない

社員数の少ないスタートアップでは、即戦力になれる人材が重宝されるため「アレもできてほしい・コレもできてほしい」など、つい多くのスキルや条件を求めすぎてしまいがちです。しかし、要求が多すぎると応募者は集まりにくくなります。

採用時には、応募者のポテンシャルや成長力にも着目し、即戦力だけにこだわりすぎないバランス感覚が求められます。社内での育成やOJTを通じて、採用した人材を着実に成長させていく視点も大切にしましょう。

ベンチャー・スタートアップ企業の採用成功事例2選

ベンチャー・スタートアップ企業が優秀な人材を確保するためには、効果的な採用戦略が欠かせません。本項では、採用に成功した2社の事例を紹介します。

  • 株式会社ヒトカラメディア
  • 株式会社EventHub

2つの事例から、ベンチャー・スタートアップ企業ならではの採用戦略のポイントを学んでいきましょう。

1.株式会社ヒトカラメディア

株式会社ヒトカラメディアは、オフィス移転のプロデュースを手がけるベンチャー企業です。事業拡大にともない社員数は増加したものの、売上の伸びが追いつかずカルチャー形成に課題を抱えていました。

そこで同社は、全社員とビジョンを共有し対話を重ねてカルチャーの形成に着手しました。具体的には、Wantedlyを活用して経営理念に共感するメンバーを採用し、コミュニケーションを大切にしています。

その結果、Wantedly経由で集まったメンバーを中心に理念浸透が図られ、組織が強化されています。

2.株式会社EventHub

株式会社EventHubは、オンラインイベントのマネジメントツールを提供するスタートアップ企業です。コロナ禍でオンラインイベントへの事業ピボットに成功しましたが、ビジネスサイドの人材不足が課題として浮上しました。

この課題を解決すべく、EventHubはWantedlyのスカウト機能を活用しました。創業者自らが面接を行い、経験豊富な即戦力人材の獲得に注力しています。

その結果、優秀なマネージャー人材の採用に成功し、50名規模への組織拡大へつなげられています。

ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略を立案して人材確保につなげよう

ベンチャー・スタートアップ企業は、採用競争の激化や大手企業と比べて知名度が低いため、採用が難しい傾向にあります。そのため、自社の強みを活かした採用戦略の構築が重要です。

本記事で紹介した採用戦略の立て方を参考にしたり、それぞれの採用戦略の手法を組み合わせたりして採用活動を成功につなげましょう。

また、ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略をサポートしてくれるサービスの利用もおすすめです。「coachee人事シェア」は、採用課題の解決に貢献できる即戦力人材による採用戦略のサポートを行います。

ベンチャー・スタートアップ企業ならではの採用戦略を立案して、企業のニーズにあった人材採用が可能です。

気になった方は、下記の資料をダウンロードして、利用を検討してみてください。

記事を書いた人
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coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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