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【2024年】採用マーケティングの手法5選!フレームワークや成功事例を解説

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coachee 広報チーム
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「慢性的な人手不足に悩んでいるけど、募集しても人材が集まらない」

「採用に関する課題を解決するために、採用マーケティングの手法を知りたい」

このように悩んでいる方に対して、本記事では、以下の内容を解説します。

  • 採用マーケティングの概要
  • 採用マーケティングにおすすめの手法
  • 採用マーケティングに関わる採用ファネル
  • 採用マーケティングのフレームワーク など

採用マーケティングの手法を成功事例もあわせて解説するため、自社で取り入れる際の参考になります。

採用活動に課題を抱えている人事担当者の方は、ぜひお読みください。

採用マーケティングとは?

採用マーケティングとは、マーケティングの考え方や手法を人材採用に活用することです。求職者を顧客と捉え、自社のファンになってもらうための戦略的な取り組みを指します。

下記のように各フェーズのターゲットを明確に設定し、理想の人材を獲得するまでの一連のプロセスを最適化します。

  • 潜在層
  • 顕在層
  • 応募・選考
  • 入社

採用マーケティングは、業種を問わず、多くの企業が活用しており、応募数増加や採用コスト削減などの成果を上げています。

そのため、人材確保に悩む企業にとって有効な方法と言えるでしょう。

採用マーケティングが求められる理由

昨今、従来まで使われていたハローワークや求人サイトなどの手法だけでは優秀な人材を獲得するのは難しくなっています。そのため、求職者に自社の魅力を伝えて選んでもらうためには、採用マーケティングの考え方が重要です。

採用マーケティングでは、単に人材を募集するだけでなく、自社の強みや価値観を戦略的に発信することで、求職者の興味を引き、応募行動を促せます。さまざまな採用チャネルを活用し、ターゲットとなる求職者に向けて最適なアプローチを行うのです。

それにより、人材不足の中でも、優秀な人材を採用できるようになります。

従来の採用方法との違い

従来の採用は、転職サイトに求人広告を掲載し、応募があるのを待つという受動的なスタンスが主流でした。一方、採用マーケティングでは、ターゲットとなる層を広げ、より能動的にアプローチします。

具体的には、採用ホームページやSNSを通じて自社の魅力を積極的に発信したり、過去の応募者や内定辞退者との関係構築を図ったりします。

採用マーケティングでは、あらゆる接点を活用して自社の魅力をPRし、優秀な人材を採用する仕掛けづくりを行うのが特徴です。

採用ブランディングとの違い

採用マーケティングが求職者の応募を促すことを目的とするのに対し、採用ブランディングは長期的な視点で企業イメージの向上を図ります。

例えば、自社の社風や価値観を体現する社員インタビューの発信は採用ブランディングの一環です。一方、応募したくなるようにSNS投稿を作成して発信するケースは、採用マーケティングに該当します。

自社の課題に合わせて、必要な方法を選びましょう。

採用マーケティングにおすすめの手法5選

採用マーケティングにはさまざまなアプローチ方法があるため、自社の課題やターゲット層に合わせて手法を選び分けましょう。本項では、採用マーケティングにおすすめの手法を5つ紹介します。

  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用
  • オウンドメディア運用
  • ソーシャルリクルーティング
  • イベント・ウェビナー開催

以下で詳しく解説します。

1.ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業側から候補者に直接コンタクトを取り、選考プロセスへの参加を促す採用手法です。転職サイトのデータベースやSNSを活用し、スキルや経験がマッチする人材を絞り込んでアプローチします。

厚生労働省の調査によると、令和5年平均の有効求人倍率は1.31倍と、売り手市場が続いており、採用が激化しています*。そのため、転職意欲の高い層だけでなく、潜在者にもリーチできるダイレクトリクルーティングが注目されているのです。

*出典:一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について|厚生労働省

2.リファラル採用

リファラル採用とは、現在の社員から優秀な人材を紹介してもらう手法です。信頼できる社員からの推薦なので、企業と候補者の相性が良いケースが多いでしょう。

また、人材紹介会社を介さずに直接アプローチできるため、採用コストを抑えつつ、自社に合う人材を見つけられます。

3.オウンドメディア運用

自社の魅力を伝えるオウンドメディア運用も有効な手法の一つです。社員のリアルな声を届けるインタビュー記事や会社の雰囲気が伝わるオフィス紹介記事など、ターゲットの興味を引くコンテンツを発信しましょう。

オウンドメディアの強みは、求職者に「この会社で働きたい」と思わせるストーリーを自由に描ける点です。会社の価値観やビジョンをわかりやすく伝え、共感を得ることで、自社に惹かれる人材を増やせるでしょう。

4.ソーシャルリクルーティング

X(Twitter)やInstagramなどのSNSを活用し、幅広い層にアプローチするソーシャルリクルーティングも見逃せません。特に、若手人材との接点をもつうえで効果的です。

企業アカウントから発信するだけでなく、社員に投稿してもらうのもおすすめの方法です。働いている人の姿をSNSで見せると、求職者の興味を引き付けられるでしょう。 

5.イベント・ウェビナー開催

採用イベントの開催も有効な手段の一つです。自社の事業や職種の魅力を直接伝えられる強みがあります。最近ではオンラインでのウェビナー開催も増えており、気軽に参加してもらえるのもポイントです。

イベントやウェビナーが終わったら、出会った人材とのリレーション構築(良好な関係を築くこと)も行いましょう。一過性のものに終わらせず、中長期的な視点で候補者とのコミュニケーションを継続していく必要があります。

採用マーケティングの手法は採用ファネル・ターゲット層によって選び分ける

採用マーケティングでは、ターゲットとなる層を明確にし、それぞれのフェーズに合わせたアプローチを行いましょう。

  • 認知(潜在層)
  • 興味(顕在層)
  • 応募
  • 選考・内定
  • 入社

いわゆる「採用ファネル(ターゲットが自社を認知してから入社するまでの過程」の各段階に応じて、適切な手法を選択しましょう。

認知(潜在層)

採用ファネルの最上流に位置するのが、潜在層に対する認知施策です。この段階では、自社の存在や事業領域を広く知ってもらうことが目的とされます。

潜在層は就職・転職を積極的に考えているわけではないため、企業からのアプローチが有効です。具体的には、SNS広告などで採用情報の配信、業界メディアへのPR記事の掲載などが挙げられます。

自社を知らない求職者とも接点をもてるように、魅力をシンプルに伝えましょう。

興味(顕在層)

次のステップは、自社に興味を持った顕在層へのアプローチです。ここでは、求職者の興味をさらに高め、自社を就職・転職先の選択肢にいれてもらうことを目指します。 

具体的な施策としては、採用ホームページやオウンドメディアによる情報発信が中心です。社員インタビューや職場環境の紹介など、働くイメージを具体的に伝える記事コンテンツの制作をしましょう。

また、説明会やセミナーの開催など、求職者と直接対話できる機会を設ける機会も効果的です。双方向のコミュニケーションを通じて、自社の魅力をアピールしていきます。

応募

採用ファネルの中盤に位置するのが、応募段階です。自社に関心を持ってくれた求職者に応募を促すことを目的とします。

応募者の検討材料となるのが、採用サイトや求人票の内容です。職務内容や必須スキルをわかりやすく記載することはもちろん、自社の価値観や社風など、他社との差別化ポイントを明確に打ち出しましょう。

応募フォームをシンプルにするなど、応募時の負荷をできる限り下げる工夫も重要なポイントです。気軽に応募できる環境を整えると、応募数の向上につなげられるでしょう。

選考・内定

選考・内定段階のターゲットは、選考中や内定通知を行った求職者です。この自社の求職者に、入社意思を高めてもらいます。

入社意思を高める施策として、社内イベントや先輩社員座談会、リクルーターとの面談などが効果的です。社員と直接話す機会を作り、不安や疑問を解消し、求職者の入社意思を高められます。

入社

入社でのターゲットは、内定者です。内定承諾を促し、内定辞退を防ぐことを目的とします。

入社前の不安を和らげるためにも、入社日までの間に社内の様子を伝える情報提供を行いましょう。配属先の上司や先輩社員からのメッセージ動画などを共有するのも一案です。

また、入社直後の教育プログラムを充実させる点も大切なポイントです。仕事の進め方や社内ルールなどを体系的に学べる研修を用意しておきましょう。

採用マーケティングの手法に役立つ5つのフレームワーク・思考法

採用マーケティングを成功に導くためには、適切な分析手法やフレームワークを活用することが欠かせません。本記事では、採用マーケティングの施策立案に役立つ5つの思考法を紹介します。

  • 3C分析
  • TMP設計
  • SWOT分析
  • STP分析
  • AIDMAモデル

以下で詳しく解説します。

1.3C分析

3C分析とは、以下の3つの視点から現状を分析するフレームワークです。

  • 自社(Company)
  • 顧客・市場(Customer)
  • 競合(Competitor)

採用マーケティングにおいては、Customerを求職者(Candidate)に置き換えて考えます。

求職者のニーズや行動特性を把握し、自社の強みと競合他社の動向を照らし合わせると、採用市場における自社のポジショニングを明確にできるでしょう。3C分析を通じて、競合との差別化ポイントを見出してください。

2.TMP設計

TMP設計は、下記の3要素で構成される採用マーケティングのフレームワークです。

  • ターゲッティング(Targeting)
  • メッセージング(Messaging)
  • プロセシング(Processing)

例を挙げると、自社のビジョンや目指す方向性に合致した採用ターゲットを設定します。次に、ターゲット層の心に響くメッセージを発信して、最後に候補者の心情に寄り添った採用プロセスを設計します。

TMPの3要素を整合させて、一貫性のある採用マーケティング戦略を立案できるでしょう。

3.SWOT分析

SWOT分析は、以下の内容を整理するフレームワークです。

  • 自社の強み(Strength)
  • 弱み(Weakness)
  • 機会(Opportunity)
  • 脅威(Threat)

内部環境と外部環境の両面から自社の現状を分析することで、採用戦略の方向性が見えてくるでしょう。

例えば、自社の課題が「若手人材を獲得できていない」だと仮定します。SWOT分析を行うと、同業他社との人材獲得競争の激化というThreat(脅威)が浮き彫りになるかもしれません。

課題の背景にある外部要因を認識すると、適切な対策を講じられるでしょう。

4.STP分析

STP分析は、下記の3ステップで市場を分析する手法です。

  1. セグメンテーション(Segmentation)
  2. ターゲティング(Targeting)
  3. ポジショニング(Positioning)

具体的には、セグメンテーションの軸として「職種」を設定し、エンジニア、デザイナー、セールスなどの各職種に分類します。そのうえで、自社の強みが発揮できるセグメントをターゲットに定め、候補者に刺さるポジショニングを打ち出します。

STP分析を通じて「どの層に」「どのようなアプローチで」採用マーケティングを行うかが明確になります。

5.AIDMAモデル

AIDMAモデルは、購買行動の心理プロセスを表したマーケティングの基本概念です。

以下の5段階で構成されています。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

採用マーケティングにおいては、まず求職者の関心を引き付けるためのPR戦略が重要です。そのうえで、自社の魅力を印象づける情報発信を行い、入社意欲を高めていきます。

最終的な応募行動を促すには、採用イベントなどを通じて求職者との接点を増やすなどの方法が効果的でしょう。

採用マーケティングの手法を活用する際の2つのポイント

採用マーケティングを実践する上では、下記の内容を意識しておきましょう。

  • ターゲットに響くメッセージを使う
  • データを分析してPDCAを回す

本項では、採用マーケティングに取り組む際の2つのポイントを解説します。

1.ターゲットに響くメッセージを使う

自社の強みや特色を活かしつつ、ターゲット層の関心事に寄り添ったメッセージを発信しましょう。

採用マーケティングでは、求人広告やSNS、企業ホームページなどさまざまなチャネルを通じてメッセージを発信します。しかし、どんなに頻繁に情報を更新しても、ターゲットの心に響かなければ効果は見込めないからです。

例えば、スカウトメールを送る際は、年齢や職種、就職・転職理由などからペルソナを明確にし、一人ひとりに最適化したアプローチを心がけましょう。

また、件名には「スキルアップできる」「働きやすい環境」など、候補者にとってのベネフィットを盛り込むと、開封率の向上が期待できます。

2.データを分析してPDCAを回す

採用マーケティングの効果を最大化するには、施策の実施だけでなく、結果を可視化し、次の施策に活かす点が重要です。応募数や採用数、Webサイトの閲覧数など、各種指標を定量的に分析し、PDCAサイクルを回していきましょう。

例えば、自社のオウンドメディアを立ち上げた場合を仮定します。データを分析して、注目が集まっているコンテンツを積極的に訴求すると、自社に興味のある人材を集めることにつながるでしょう。

データに基づいて仮説を立て、施策の方法を決定することが採用マーケティングのポイントです。

採用マーケティングにおすすめのサービス4選

採用マーケティングを効果的に進めるには、適切なツールやサービスの活用が欠かせません。

  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • Wantedly
  • note

本項では、採用マーケティングに役立つおすすめのサービスを4つ紹介します。

1.X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は、リアルタイム性と拡散力が魅力のSNSです。フォロワーによる「リツイート」や「いいね」が起点となり、企業の発信した情報が広く拡散されます。

採用マーケティングでは、企業の最新ニュースやイベント告知などを発信し、ブランディングや認知度向上に活用するのがおすすめです。

また最近では、採用担当者個人のアカウントを開設し、日常の気づきや採用への想いを綴る企業も増えています。

リアルな情報発信を通じて、求人サイトだけでは伝えきれない企業の雰囲気を伝えられるでしょう。

2.Instagram

Instagramは、画像や動画に特化したSNSです。オフィス風景や社員の働く姿を「リール」と呼ばれる短尺動画で配信すると、臨場感のある情報発信ができます。

それにより、職場の雰囲気を感じてもらえて、求職者の共感を得られるでしょう。特に、Instagramは転職目的ではなくカジュアルに利用しているユーザーが多いため、潜在層にも訴求できます。

3.Wantedly

WantedlyはビジネスSNSとして、20代〜30代の若手ビジネスパーソンに人気のサービスです。求人広告の掲載に加え、スカウト機能によって企業から直接候補者にアプローチできるのが特徴です。

また、採用ブログ機能を活用すれば、会社の雰囲気を伝える採用広報にも役立ちます。

通常のダイレクトスカウトサービスに比べ、成功報酬がないメリットもあるため、採用単価を抑えたい企業に推奨します。

4.note

noteとは、777万人の会員数を誇るコンテンツプラットフォームです*(2024年4月10日時点)。利用者数が多いことから企業がnoteでコンテンツを発信すれば、多くの求職者の目に留まるチャンスがあります。

採用マーケティングでは、経営者の思いや事業への想いを伝えるのに活用するのがおすすめです。「なぜこの事業をはじめたのか」「どんな世界を実現したいのか」といったストーリー性のある情報は、企業の価値観に共感する人材を引き付けるでしょう。

また、職種ごとの具体的な仕事内容を紹介すると、入社後のイメージを膨らませられます。「リアルな働き方」をありのままに伝えることで、ミスマッチのない採用につなげられるはずです。

*出典:2024年11月期 第1四半期決算を発表しました|note

採用マーケティングの手法を活用した成功事例5選

採用マーケティングを成功に導いた企業の事例を5つ紹介します。

  • キリンホールディングス株式会社
  • LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社
  • 株式会社サイボウズ
  • 伊藤忠商事株式会社
  • 株式会社SmartHR

自社で取り入れられそうな点があれば、参考にしてください。

1.キリンホールディングス株式会社

大手飲料メーカーのキリンホールディングスは、ダイレクトリクルーティングを活用し、即戦力人材の採用に成功しています。「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」という目標の達成に向け、候補者に直接スカウトを送るアプローチを取り入れました。

各ポジションに適した人物像を設定し、候補者一人ひとりに合わせたメッセージを配信して、面談や選考を通して入社意欲を高めています。その結果、内定承諾率は90%以上に達し、入社者の約40%がダイレクトリクルーティング経由となる成果を残しました。

参考:【キリン】大企業が、たった1年で強固な「即戦力採用」体制をつくれた理由|NewsPicks

2.LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社

LINEおよび関連サービスを運営するLINEヤフーコミュニケーションズは、リファラル採用に注力しています。転職意欲の高い層だけでなく、潜在層へのアプローチにより、同社の価値観に合致する人材の採用確率を高めています。

候補者の経歴を見たうえで、最適なポジションを提案するなど、きめ細やかなフォローを行うのが特徴です。さらに、紹介者だけでなく入社者にも祝い金を贈呈することで、社員からの紹介を促進しています。

参考:リファラル採用で社員自ら理想の組織をつくる。「この人と働きたい」を後押しする採用手法の実際|LINEヤフーコミュニケーションズ

3.株式会社サイボウズ

「kintone」や「サイボウズ Office」などのグループウェアを手がけるサイボウズは、働き方メディア「サイボウズ式」を通じて採用マーケティングを展開しています。

「カイシャ・組織」「働き方・生き方」など、同社ならではの切り口で記事コンテンツを発信し、読者の共感を集めています。人生という広い視点から働き方を捉えて、同社のカルチャーへの理解を深めてもらい、選考希望者の獲得につなげているのです。

参考:サイボウズ式

4.伊藤忠商事株式会社

世界61ヶ国に拠点を持つ総合商社の伊藤忠商事は、Instagramを活用した採用マーケティングを行っています。社員対談や密着取材など、リアルな社員の姿を伝えるコンテンツを次々と配信しています。

特に人気なのが、新入社員の初任配属から3ヶ月間を追った「ドキュメンタリー」企画です。等身大の先輩社員の姿を見ることで、志望者が入社後の自分の姿を具体的にイメージできるでしょう。

参考:伊藤忠商事 採用公式アカウント|Instagram

5.株式会社SmartHR

SmartHRは、求職者の抱く印象と組織の実情のズレを解消するため、採用プロセスにおける積極的な情報公開に注力しています。

創業時から維持してきた”オープンカルチャー”の考え方を採用マーケティングに導入しました。「オープン社内報」の舞台裏や遊び心あふれるイベントなど、独自の企業文化を率先して発信しています。

また、採用サイトでは「未知をひらき、答えにする。」というキャッチコピーのもと、労働に関わる社会的課題の解決に向き合う企業姿勢を印象深く訴求しています。

加えて、ミッションや将来ビジョン、最新の取り組み、求人情報などを網羅的に提示することで、求職者に組織の魅力を余すところなく伝えています。

自社のカルチャーや挑戦を積極的に発信することで共感を生み出し、優秀な人材の獲得につなげている好事例と言えるでしょう。

参考:SmartHR 採用サイト

採用マーケティングの手法を実践・導入する方法

採用マーケティングの手法を実践・導入するには、下記の流れで行いましょう。

  1. 市場を分析する
  2. 自社分析・採用課題を確認する
  3. 採用ペルソナを設定する
  4. キャンディデイトジャーニーを策定する
  5. 採用チャネルを選ぶ
  6. 伝えたいメッセージを決定し、コンテンツを作成する
  7. 効果を分析して、改善につなげる

ステップバイステップで解説します。

1.市場を分析する

採用マーケティングでは、市場を分析して自社のポジションを把握することが必要です。業界内での自社の強みや魅力を明確にして、候補者に刺さるメッセージを作れるようになります。

分析の際は、3C分析やSWOT分析などのフレームワークを活用するのがおすすめです。決められた枠組みに沿って現状を整理すると、漠然と自社を見つめるよりも効率的に課題を発見できるでしょう。

2.自社分析・採用課題を確認する

次に、自社の理念や戦略、事業計画を改めて見直し、SWOT分析などを使って、強みと弱みを洗い出します。

例えば「若手人材の定着率が低い」という課題が浮かび上がったとします。その際には、社内制度の不備といった内部要因だけでなく、同業他社との人材獲得競争の激化など、外部環境にも目を向ける点が大切です。

自社を多角的に分析して、課題を特定し、適切な施策を打ち出せるようになりましょう。

3.採用ペルソナを設定する

自社に必要な人材像が明らかになったら、具体的なペルソナを設定します。ペルソナとは、ターゲットとなる求職者を象徴する架空の人物像を指します。

下記の要素を盛り込んで、詳細なプロフィールを作成しましょう。

  • 年齢
  • 性別
  • 職種
  • 経験
  • スキル
  • 希望年収 など

加えて、その人物の性格や価値観、日頃のメディア接触状況なども想定します。

求職者の行動特性を深く理解すると、効果的なアプローチ方法が見えてきます。

注意点として、ペルソナを細分化しすぎないように、大きく2〜3パターンに絞り込むのがポイントです。

4.キャンディデイトジャーニーを策定する

キャンディデイトジャーニーとは、求職者が企業を認知してから入社に至るまでの一連のプロセスを可視化したものです。カスタマージャーニーのコンセプトを採用に応用した概念です。

下記のような企業との接点を洗い出し、求職者が抱える疑問や不安を以下のように洗い出します。

  • 情報収集
  • 応募
  • 面接
  • 内定
  • 入社

そして、それぞれの課題に対し、どのような情報提供やサポートを行うかを設計するのです。

求職者の視点に立ったキャンディデイトジャーニーを策定することで、最適なタイミングで適切なアプローチを行えるようになります。

5.採用チャネルを選ぶ

キャンディデイトジャーニーが完成したら、下記のように各フェーズに適した採用チャネル・ターゲット層を選択します。

採用ファネル・ターゲット層採用チャネルの例
認知段階求人媒体
採用イベント
広告
興味オウンドメディアやSNSでの情報発信
リファラル採用
応募・選考SNS
面接

フェーズの目的に合わせて、最適なチャネルを選びましょう。

6.伝えたいメッセージを決定し、コンテンツを作成する

現状の採用課題や採用ペルソナ、キャンディデイトジャーニーの分析結果をもとに、各フェーズで訴求するメッセージを設計します。

社内リソースで対応できる範囲であれば内製化し、専門性が求められる領域は外注するのも一案です。

coacheeでは採用ページなどの作成が可能な人材を紹介できます。

詳しくは、以下のサービス紹介資料をご覧ください。

8.効果を分析して、改善につなげる

コンテンツを作成したら、応募数やページビュー数、応募者の質など、可能な限り数値化してモニタリングしましょう。

「配信したコンテンツがターゲットの心をつかめたのか」「自社のどの魅力が響いていたのか」を多角的に分析します。実データをもとにペルソナやキャンディデイトジャーニーの精度を高め、PDCAサイクルを回してください。

仮説と検証を繰り返し、自社に合った採用マーケティング手法を確立していきましょう。

採用マーケティングの手法を理解して、採用活動を成功させよう

採用マーケティングとは、マーケティングの考え方や手法などを採用活動に落としいれて活用することです。本記事では、以下の採用マーケティングにおすすめの手法を解説しました。

  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用
  • オウンドメディア運用
  • ソーシャルリクルーティング
  • イベント・ウェビナー開催

採用マーケティングには、3C分析やTMP設計などのフレームワークを活用する点も重要です。本記事で紹介した採用マーケティングの手法についての理解を深めて、採用活動を成功させましょう。

採用マーケティングに関連して、採用活動で優秀な人材を採用したり、人が辞めない採用を行うためには、戦略を立てることが大切です。

下記のサイトからダウンロードできる資料では、採用戦略の立て方をわかりやすく解説しているので「何から始めれば良いかわからない」という方は、ぜひご覧ください。

記事を書いた人
hidechika-takahashi
coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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