「副業という言葉を耳にするようになったが、自社でもうまく活用できないかと考えている」
「そもそも副業人材とはどのようなものか。活用するメリット・デメリットも知りたい」
このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
副業人材とは、本業の時間外に他社で働く人のことを指します。企業にとって副業人材は、社内にないスキルを持った人を活用できたり生産性の向上につながったりするなど、うまく活用できれば魅力的な存在です。
しかし稼働時間の管理やコミュニケーションの取り方など、活用するうえで独特の難しさもあります。本記事では副業人材を活用するメリット・デメリットはもちろん、採用方法やうまく活用する方法なども紹介しています。副業人材の活用をご検討中の方はご一読ください。
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副業人材とは
副業人材とは、会社員として働きながら他社の仕事を請け負う人のことを指します。たとえば本業の仕事に行く前にパソコンで他社の仕事をすすめたり、本業が終わったあとに他社の仕事に参加したりするような人が副業人材に当てはまります。
副業人材には、コンビニなどでアルバイトする場合はもちろん、自身の持っているスキルとパソコン・インターネット環境を活かして専門的な仕事をする人もいるなど多種多様です。
2020年時点で国内の副業・兼業人数は約462万人*と言われており、これは労働人口の14人に1人に相当します。なぜいま副業人材が注目されているのか解説します。
副業人材が注目される背景
副業人材が注目されている背景を、双方の立場から解説します。
【企業目線】
- 少子化の影響により労働人口そのものが減少している
- 正規雇用では採用できない優秀な人を活用したい
- 柔軟な労働力が欲しい
2024年現在、日本は出生率が低いため若者の数そのものが年々減少している状態です。そのため労働人口そのものが減少しており、採用が難しくなっているのです。また解雇規制をはじめとする各種規制により、企業が人材を柔軟に活用しやすい状態とはいえません。
そこで注目されているのが副業人材です。雇用はもちろん業務委託でも採用できるため人件費(外注費)を調整しやすいからです。また副業で働く人のなかには高いスキルをもった人材も存在し、正規雇用ではなかなか応募してもらえない人材を活用できるチャンスもあります。
【副業人材(ワーカー)目線】
- 本業の賃金が上がらないため副業で稼ぎたい
- 自分の能力を他の場所で活かしたい
副業人材の目線では、副業を通じて柔軟に働けることが大きな魅力です。仕事内容によっては成果次第で大きく稼ぐこともできます。また本業で培ったスキルを社外で活かすチャンスを得られるため、社会貢献を目的として副業を行っている人もいます。
副業人材の活用方法
副業人材の活用方法には、主に以下の3つが挙げられます。
- タスク型
- プロジェクト型
- ミッション型
タスク型は作業内容や納期が明確になっていることが多いです。たとえばデータ入力や経理の仕分け業務、単発で終わるロゴデザインの作成などが挙げられます。パソコンとインターネット環境さえあれば対応できる業務が多く、全国各地からスキルを持った人材を採用しやすい点がメリットです。一方、短期間で契約が終了することが多いため、契約書を結ぶ手間や依頼内容を言語化する手間がかかりやすい点がデメリットといえます。
プロジェクト型は、中長期的に1つの作業に取り組んでいく仕事です。たとえばITシステムの開発やデザイン制作など、成果物を求められる仕事が当てはまります。タスク型より中長期的な仕事を依頼するケースが多いため、自社のやり方に慣れてもらえば仕事を効率的にこなしてもらえる可能性が高まるでしょう。一方、スキルが必要な人材を採用するには手間と時間がかかる場合がある、といった注意点もあります。
ミッション型は抽象的な課題に取り組んでもらうもので、初期の段階では作業内容や報酬が曖昧な場合が多いです。たとえば経営課題や集客全般の相談など、コンサルやマーケティングのような仕事がミッション型に当てはまります。タスク型やプロジェクト型より難易度の高い仕事を依頼できる一方で、社内事情に深くコミットすることが求められるため情報漏えいのリスクが高まります。秘密保持契約を結んだり情報管理のルールについて事前にすり合わせておくことが求められます。。
副業人材を活用するメリット
副業人材を活用するとどのようなメリットがあるのかご紹介します。
- スキルのある人材を柔軟に活用できる
- 人件費を調整しやすい
- 生産性の向上が期待できる
- 社内にない考え方やノウハウを活用できる
- 社員の成長につながる
このように、副業人材を活用するメリットは多岐にわたります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
【メリット1】スキルのある人材を柔軟に活用できる
副業人材のなかには、本業で高いスキルを持っている人が多くいます。たとえば大手企業のマーケターやエンジニアなどです。
このような人材を正社員として採用するのは難しいかもしれませんが、副業であれば自社の仕事を手伝ってもらえる可能性があります。必要なときに必要なスキルを持った人材を柔軟に活用しやすいのが、副業人材を活用するメリットといえるでしょう。
【メリット2】人件費を調整しやすい
副業人材を活用する際は、雇用だけでなく業務委託や準委任契約などを結ぶこともあります。業務委託や準委任契約であれば、雇用契約を結ぶ正社員とは異なり、人件費を調整しやすいです。
たとえば繁忙期には副業人材にたくさん稼働してもらい、閑散期には発注量を少なくできます。また社会保険料の負担や解雇規制といったしがらみも発生しません。固定費を抑えつつ、必要な人材を必要なときに確保しやすいのは企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
【メリット3】生産性の向上が期待できる
副業人材を活用することで、社内の生産性向上が期待できます。社内で対応しにくいことを副業人材に相談したり、生産性が低い業務の代行を副業人材に依頼したりすることで、自社の生産性アップにつながるのです。
たとえば「人事部としてSNS採用に取り組む」と決まった場合、社内リソースのみで手探りでSNS採用に取り組むより、専門的な知見を持った副業人材を活用した方が効率的に仕事をすすめやすいです。
また新規・中途採用において、応募者からのメッセージ管理やスケジュール調整など「必要だが時間と手間がかかる業務」を外部に委託することで、社内リソースを本業に集中させて生産性を高められます。
このように副業人材を適材適所で活用することで、社内リソースを売上に直結する業務に集中させ、全体の生産性を高められるでしょう。
【メリット4】社内にない考え方やノウハウを活用できる
副業人材を活用するメリットの1つに、他社で培った経験やノウハウを活かして活躍してもらえることが挙げられます。
自社にない新しい視点や発想を得られることで、事業の幅を広げたり問題解決のヒントを得たりできます。社内の人材だけでは気付かなかったアイデアが生まれる可能性もあるでしょう。
外部の知見を活かすだけでなく、吸収して社員の成長を促せる点も副業人材を活用するメリットといえます。
【メリット5】社員の成長につながる
副業人材を活用することで、社員に刺激を与えて成長を促せます。
たとえば自己流で採用活動を行っていた会社が、採用のプロ人材を活用して最新のノウハウや仕事の進め方を目の当たりにすることで、普段の業務改善につながるでしょう。
このように仕事の進め方や思考方法など、普段の業務では触れる機会の少ないノウハウを身近に学べることは、社員の成長につながります。さまざまなバックグラウンドや経験を持つ副業人材とコミュニケーションを取ることは、社員の視野が広がるきっかけにもなるでしょう。
副業人材を活用するデメリット
副業人材は活用するメリットがある一方、下記のようなデメリットも存在します。
- 稼働時間に制限がある
- 依頼しにくい業務もある
- コミュニケーションを取りにくい
- 労働時間の管理が難しい
1つずつ詳しく見ていきましょう。
【デメリット1】稼働時間に制限がある
副業人材は本業を持っているため、働ける時間に制限があります。そのため毎日8時間のフルタイムで自社業務にコミットしてもらうことは難しいでしょう。
本業が繁忙期になると副業に割ける時間が減少する可能性もあります。そのため、下記のような対策を行っておくと、プロジェクトが遅延するリスクを低減できます。
- 事前に副業人材の稼働スケジュールを確認しておく
- 遅延が発生しないようスケジュールを多めにとっておく
- トラブルが発生した場合の対応方法を事前に用意しておく
事業に影響がでない仕組みを整えておくことが大切です。
【デメリット2】依頼しにくい業務もある
情報漏えいを防ぐ観点から、社外秘にかかわる業務や事業活動の継続にかかわるような作業は、副業人材に依頼しにくいというデメリットがあります。
副業人材はリモートで作業してもらう場合もあるため、セキュリティを自社でコントロールしにくいです。副業人材へ依頼する業務の範囲は、事前によく検討しておきましょう。
またセキュリティソフトの導入を促したり自宅以外では基本的に作業しないようお願いしたりすることも、必要に応じて行うことが大切です。万が一に備えて契約時にNDA(秘密保持契約)を結んでおくこともおすすめします。
【デメリット3】コミュニケーションを取りにくい
働き方によっては副業人材とコミュニケーションを取りにくくなる点も覚えておきましょう。
リモートワークで副業人材に仕事を依頼する場合は、チャットやWeb会議など、オンラインでのコミュニケーションに終始しがちです。リモートで作業をしていると、少し声をかけたり様子を見たりできないため、どうしても出社している社員と比較してコミュニケーション量が減ってしまいます。
業務の進捗状況や抱えている悩みを相談しやすい環境を作ったり、定期的にオンラインで話をする場を設けたりするなど、対処法を用意しておくことが大切です。
【デメリット4】労働時間の管理が難しい
副業人材の場合、本業の労働時間と通算して法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働くことが多いです。しかしこの場合、雇用形態によっては割増賃金を支払う必要が発生するケースがあるため注意が必要になります。
副業人材を活用する場合の労働時間の計算方法は複雑です。まずは厚生労働省が公開している「副業・兼業時の労働時間の通算のポイント」の一読をおすすめします。不明点があれば、事業場の所在地を管轄している労働基準監督署に相談してみてください。
副業人材の採用方法
副業人材を採用する方法の一例をご紹介します。
- ダイレクトリクルーティングを行う
- リファラル採用を行う
- クラウドソーシングを活用する
- マッチングサービスを活用する
それぞれの方法について詳しく解説します。
ダイレクトリクルーティングを行う
ダイレクトリクルーティングとは、募集媒体を使わずに直接候補者にアプローチする採用方法です。媒体に掲載する費用が発生しないため、採用にかかる費用を低減しやすいというメリットがあります。
ただし自社メディア(自社ホームページやSNSなど)だけで求人を掲載しても、求職者から認知されにくく母集団を形成しにくいというデメリットもあります。
リファラル採用を行う
リファラル採用とは、社員や知人からの紹介で人材を採用する方法です。自社のことを知っている人から紹介してもらえるため、自社に合う人材を採用しやすいというメリットがあります。
一方、採用しなかった場合には紹介してくれた人と不採用になった人との人間関係に悪影響がでる可能性があります。仮に不採用とする場合は、慎重な対応を心がけましょう。
クラウドソーシングを活用する
クラウドソーシングとは、不特定多数の人に仕事を依頼できるWebサービスのことです。多くの人が登録しているため、母集団を形成しやすいのがメリットです。
ただし利用する際に手数料が必要になったりプラットフォームの規約に縛られたりするデメリットもあります。多くの人からの応募を集めたい場合は、クラウドソーシングがおすすめです。
マッチングサービスを活用する
副業人材に特化したマッチングサービスを活用するのもおすすめです。
マッチングサービスは既に多くの人が登録しているため、母集団が既に形成できている点が強みです。サービスによってはクラウドソーシングより費用がかからなかったり、料金は高いもののスキル・人格ともに優秀な人材を紹介してもらえたりする場合があります。
ただし求めている人材と確実にマッチングできる保証はありません。マッチングの精度を高めるなら、自社の求める人材像に特化したマッチングサービスを選ぶことが大切です。
たとえば高い人事・採用スキルをもった副業人材を採用するなら「coachee人事シェア」がおすすめです。人事や採用の業務経験がある人材が多数登録しており、各自さまざまなスキルをもっています。きっと貴社が求めるスキルを持った人材に出会えるはずなので、ぜひチェックしてみてください。
副業人材をうまく活用する手順
副業人材を社内でうまく活用するにはどうしたらよいのか、手順の一例をご紹介します。
- 解決したい課題を明確にする
- 課題解決に必要なスキルや人材像を明確にする
- 副業人材の受け入れ体制を整える
- 副業人材と定期的にコミュニケーションをとる
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
解決したい課題を明確にする
まずは、副業人材を受け入れて解決したい課題を明確にすることが大切です。
ここがブレてしまうと成果がでにくくなったり成果がでたかどうか判断できなくなったりします。たとえばプロの面接官に面接代行を依頼したものの、本来解決しなければならない課題が「採用戦略の見直し」であった場合、思ったような成果を得られないでしょう。
副業人材を募集する前に、解決したい課題を明確に洗い出しておきましょう。
課題解決に必要なスキルや人材像を明確にする
社内の課題を解決するためにはどのようなスキルが必要になるのか、どのような人物が必要になるのかを明確にしましょう。
たとえば解決したい課題が「採用戦略の見直し」であった場合、問題分析能力や課題解決力の高い人材が必要になります。また会社の上層部や現場の人と交渉する場面もでてくることが予想されるため、交渉力がありメンタル的にもタフな人が必要になるでしょう。
課題に対する解決策がマッチしていなければ成果につながりにくいです。副業人材を採用する前に、求めるスキルと人物像を明確にしておきましょう。
副業人材の受け入れ体制を整える
副業人材を受け入れる際は、社内の理解を得て、受け入れ体制を整えておくことが重要です。「他所の人間だから」と社内が排他的な雰囲気になると、副業人材も活躍できません。
- 事前に各部署へ話をして理解を得ておく
- 副業人材とコミュニケーションを多くとる
- 副業人材が話しかけやすい雰囲気作りを意識する
このように安心して働きやすい環境を整備することで副業人材も働きやすくなり、それが生産性の向上や成果の発生といった結果につながるのです。
副業人材と定期的にコミュニケーションをとる
デメリットでも紹介したとおり、副業人材は出社している社員と比較してコミュニケーション量が少なくなりやすいです。コミュニケーションが取りにくくなると副業人材が相談しにくくなったりミスをしていても軌道修正するまで時間がかかったりします。
このような事態を防ぐために、定期的にWeb面談やメッセージベースでの雑談の場を設けておくことが大切です。コミュニケーションを取りやすくなれば随時相談したりミスをしていても社員が気付いて軌道修正しやすくなったりします。
採用に特化した副業人材を探すなら「coachee人事シェア」
本記事では企業が副業人材を活用するメリット・デメリットなどを中心に解説しました。副業人材を活用すれば、社内の生産性向上や社員のスキルアップ、新しい知見の獲得など、メリットが多くあります。
一方で稼働できる時間に制限があったり依頼しにくい仕事内容もあったりするなど、デメリットもあります。どの仕事をどれくらい依頼するか吟味して、うまく副業人材を活用しましょう。
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