副業人材の採用は、社員のスキルアップが図れたり、適切な配置ができたりなど、生産性向上ができるため、中小企業の成長を促進させる重要な役割を持ちます。
実際に、副業人材を採用する中小企業が増えているのも事実です。
そこで本記事では、中小企業の副業人材採用の実態を踏まえた上で、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
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中小企業の副業人材採用の実態
これから会社を大きくしていきたい中小企業は、社内の生産性を上げることが重要となり、そのために副業人材を採用する企業も徐々にですが増えてきました。
本項では、主に以下3つの事項について深掘りして解説します。
- 副業による外部人材活用状況
- 副業による外部人材の活用形態
- 副業による外部人材の平均活用期間
ぜひ参考にしてください。
副業による外部人材活用状況
東京都産業労働局が公表している「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」によると、兼業・副業による外部人材を活用した実績がある会社は、 12.3%でした。
業種別の結果だと、「医療・福祉」で活用実績がある割合が高くなっていました。
業界 | 回答数 | 実績がある | 実績ある割合 |
医療・福祉 | 106 | 43 | 40.6% |
教育・学習支援業 | 44 | 8 | 18.2% |
宿泊業、飲食サービス業 | 150 | 27 | 18.0% |
参考:東京都産業労働局「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」
実績がある会社はまだまだ少なめですが、一部業界では活用を進めており、今後も増えていく可能性はあるでしょう。
副業による外部人材の活用形態
同じく東京都産業労働局が公表している調査によると、副業による外部人材の活用形態は、「業務委託契約」が 65.7%で最も多い結果となりました。
割合 | |
業務委託契約 | 65.7% |
雇用契約 | 34.3% |
その他(パートやアルバイトなど) | 10.9% |
無回答 | 1.4% |
参考:東京都産業労働局「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」
大半の企業が業務委託で採用しており、必要な場面で適した人材を配置していることが伺えます。
副業による外部人材の平均活用期間
東京都産業労働局が調査した副業による外部人材の平均活用期間は、「1年以上」が 55.4%という結果になりました。
期間 | 割合 |
1年以上 | 55.4% |
1年未満 | 14.9% |
半年以内 | 8.3% |
3ヶ月以内 | 7.4% |
1ヶ月以内 | 5.1% |
その他 | 8.8% |
参考:東京都産業労働局「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」
このことから、長期的に雇用していることがわかります。
高度なスキルや知識がある副業人材は、企業から見ても重宝される人材であるため、長期的に採用して生産性を上げられるよう、動いているのが伺えるでしょう。
中小企業が副業人材を採用するメリット
中小企業が副業人材を採用するメリットは、主に以下の通りです。
- 即戦力として活躍してくれる人材を確保できる
- 必要に応じて適切な人材を配置できる
- 採用時のミスマッチを防げる
詳しく解説します。
即戦力として活躍してくれる人材を確保できる
中小企業が副業人材を採用する際の大きなメリットとして、即戦力として活躍してくれる人材を確保できる点が挙げられます。
副業人材は、本業で得た豊富な経験や専門的なスキルを持っており、特定のプロジェクトや業務に対して迅速に貢献することが可能です。
これにより、企業は教育やトレーニングにかかる時間とコストを大幅に削減できます。
特に中小企業ではリソースが限られていることが多いため、即戦力として業務に貢献できる人材を迅速に確保することは有益です。
必要に応じて適切な人材を配置できる
必要に応じて適切な人材を柔軟に配置できるのも、中小企業が副業人材を採用するメリットです。
中小企業は、大企業と比べて限られた社員数や予算内の中でリソースが限られているため、フルタイムの専門職を雇うことが難しい場合があります。
そこで、副業人材を活用することで、特定のプロジェクトや一時的な業務のニーズに対応するために、専門知識やスキルを持つ人材を必要なタイミングで採用できます。
業務の効率化を図り、コストパフォーマンスを最大化することが可能です。
採用時のミスマッチを防げる
従来の正社員採用では、履歴書や面接を通じて候補者のスキルや適性を判断しますが、これには限界があり、実際に働いてみてから初めてミスマッチが明らかになるケースも少なくありません。
しかし、副業人材を採用することで、こうしたリスクを大幅に軽減できます。
副業人材は、すでに本業での経験を通じて特定のスキルやノウハウを持っているため、企業側は実績をもとに即戦力としての評価を行うことが可能です。
また、企業と副業人材の双方にとって短期的な契約期間を設けることができるため、実際に仕事を進めながら相互の適性やフィット感を確認する時間が確保されます。
これにより、企業は長期的な雇用契約に踏み切る前に、候補者の能力や会社文化への適応度を見極めることが可能です。
中小企業が副業人材を採用するデメリット
一方、中小企業が副業人材を採用するデメリットは、主に以下の通りです。
- コミュニケーションがとりにくい
- 労働管理が難しい
詳しく解説します。
コミュニケーションがとりにくい
中小企業が副業人材を採用する際のデメリットの1つとして、コミュニケーションが取りにくいという点が挙げられます。
副業人材は、他の企業でフルタイムの仕事を持ちながら、副業として別の業務に従事しています。
そのため、限られた時間内で効率的に仕事を進める必要があり、正社員と比べて企業内の他のメンバーと密にコミュニケーションを取ることが難しい場合があります。
特に業務の進捗状況を共有したり、緊急の対応が必要な際に、すぐに連絡が取れないといった問題が生じることが考えられるでしょう。
プロジェクトの進捗確認や業務に関する悩みを聞くなど、定期的にコミュニケーションを取れるようにしましょう。
労働管理が難しい
副業人材は、他の企業でフルタイム稼働しているため、労働時間や労働条件を正確に把握し、適切に管理することが難しくなります。
企業が副業人材を管理する際には、労働基準法などの法的規制を遵守しながら、過剰労働や健康被害を防ぐ必要がありますが、容易なことではありません。
労働管理が難しいとなると、プロジェクトの進行や業務計画に支障をきたすことがあり、全体の生産性に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
副業人材を採用する際は、稼働可能な時間や力量を考慮して依頼する業務を明確にすることがおすすめです。
中小企業が副業人材を採用する際の手順
中小企業が副業人材を採用する場合、主に以下の手順で採用を進めます。
- 自社の課題を明確にする
- 課題を解決するにあたり必要な人材を明確にする
- 副業人材を採用する
- 副業人材と定期的にコミュニケーションを図る
ただ単に副業人材を採用しても意味がありません。自社にどういう課題があって、どんなスキルや経験を持っている人がその課題を解決してくれるのかを決めておく必要があります。
詳しくは以下の記事で解説しているので、合わせてご確認ください。
関連記事:副業人材とは?メリット・デメリットや採用方法、活用方法を紹介
中小企業が副業人材を活用した成功事例
最後に、中小企業が副業人材を活用した成功事例を2つご紹介します。
- 株式会社イーディス
- 近江ユニキャリア販売株式会社
ぜひ参考にしてください。
株式会社イーディス
株式会社イーディスは、アニメ、キャラクター、ゲームなどのIPを使った事業を展開している会社です。
複数の会社関係者と協業し、話題性のあるアニメやキャラクター、ゲームなどとコラボして開発をしています。
副業人材を5~6人採用し、コラボ先の提案・営業や企画作成などを担当しているとのことです。
これまでなかった新しいアイデアが生まれ、事業の可能性を広げる戦略的な取り組みができています。
参考:副業人材の豊富な経験と人脈から新規案件立ち上げへ!単なるリソース確保ではない、スキイキの新たな活用法|株式会社マイナビ
近江ユニキャリア販売株式会社
近江ユニキャリア販売株式会社は、建設機器やフォークリフトの販売・レンタルなどを手がける中小企業です。
2021年に社内システムのIT化を図るために、DX推進を目指したのですが、社内にITスキルを持つ人材がいなかったため、外部からITに強い人材を採用することを決めました。
バックオフィス業務に詳しく、自動化、効率化等の業務に知見のある人材を採用し、基盤システムの導入を行いました。
社内の業務効率化はもちろん、社員のITスキルの向上も図れて、現在では顧問契約として働いてもらっています。
副業人材を採用したい中小企業は「coachee人事シェア」がおすすめ
近年、働き方改革によって副業人材が増えている中、中小企業の中でも副業による外部人材活用が徐々に浸透してきています。
中小企業は、大手企業と比較すると社員数や予算などに限界があるため、うまく副業人材を使うことが企業成長の促進を図ることに繋がります。
実際に、副業人材を活用して成功した企業もあるため、まずは自社の課題を明確にした上で、副業人材の採用を検討しましょう。
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