CTO採用が難しい理由と進め方|フェーズ別の人物像・年収の目安・見極めの質問|coachee株式会社の画像
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CTO採用が難しい理由と進め方|フェーズ別の人物像・年収の目安・見極めの質問

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coachee 広報チーム
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「CTO(Chief Technology Officer)を採用したいが、どんな人物を探せばよいかわからない」「エンジニア出身の候補者に、経営の視点があるか見極められない」「求人を出しても、CTO候補はまったく集まらない」——経営者や人事責任者の方から、CTO採用についてこうしたご相談をよくいただきます。

  • 自社の事業フェーズに必要なCTO像が、経営陣のあいだで定まっていない
  • 求人媒体や登録型の人材紹介では、CTO候補にほとんど出会えない
  • 面接で、技術力と組織づくりの力をどう見分ければよいかわからない

本記事では、CTOの役割、CTO採用が難しい理由、フェーズ別に求める人物像、年収の目安、採用手法の比較、進め方と見極めの質問までを解説します。CTO採用を「待つ採用」から「設計する採用」に切り替えるための手がかりが得られるでしょう。

結論から申し上げます。CTO採用の成否を分けるのは、技術力の高さそのものではなく、「事業のどの局面で何を任せるか」を言語化した要件定義です。ITコンサルタント・PM・DX人材などミドル〜ハイクラス層に特化した人材紹介会社のcoachee株式会社(人材紹介サービス「coachee Agent Pro」を運営)が2026年5月11日〜10月28日に実施した候補者面談85件の集計では、第一の転職動機が「仕事内容・専門性」または「上流志向・役割拡大」だった候補者が合わせて6割超(62.3%)を占め、年収アップを第一の動機とした候補者は1.2%にとどまりました。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2025」でも、DXを推進する人材が量の面で不足していると答えた日本企業は85.1%にのぼります。条件を上げるより、経営への関与の度合いを明確に示すほうが候補者に届きます。

30秒サマリー

  • CTOとは、技術戦略を事業戦略と結びつけ、開発組織全体に責任を持つ経営幹部です。
  • CTO採用が難しいのは、候補者の母数が少なく、事業フェーズによって求める経験が大きく異なるためです。
  • ジェイエイシーリクルートメントのデータでは、CTOの平均年収は約1,700万円で、企業規模による差が大きくなっています。
  • coachee株式会社の候補者面談85件では、第一の転職動機は仕事内容・専門性(34.1%)と上流志向・役割拡大(28.2%)で6割超を占め、年収アップが第一の候補者は1.2%でした。
  • 採用手法は、ポジションを公開できるかと緊急度で選び、非公開で進める場合はエグゼクティブサーチや人材紹介が向いています。

CTO(最高技術責任者)とは|技術戦略と開発組織に責任を持つ経営幹部

CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)とは、中長期の事業計画に沿って技術戦略を立て、開発組織全体に責任を持つ経営幹部です。どの技術に投資し、どう事業に活かすかを決めるとともに、エンジニアの採用と育成、開発文化の形成まで担います。

ジェイエイシーリクルートメントの解説によれば、CTOは経営会議に参加し、研究開発への投資判断やM&Aにおける技術面のデューデリジェンスなど、技術が関わる意思決定にも関与します。技術の専門家であると同時に、経営チームの一員であることが特徴です。

CTOと開発責任者はどう違うのですか

CTOと開発責任者の役割・時間軸・主な対話相手・求められる力を比較した図解。CTOは技術を軸に経営判断へ関与する。
CTOと開発責任者の役割・時間軸・主な対話相手・求められる力を比較した図解。CTOは技術を軸に経営判断へ関与する。

CTOは技術を軸に経営の意思決定へ関与し、開発責任者は決まった方針のもとで開発の実行に責任を持ちます。

項目 CTO 開発責任者
主な役割 技術戦略・投資判断・組織づくり 開発の実行・品質・納期
時間軸 中長期(数年先の技術と事業) 短中期(現在のプロダクト開発)
主な対話相手 CEO・取締役・投資家・外部パートナー 開発チーム・プロダクト責任者
求められる力 経営判断・技術の目利き・組織設計 開発管理・育成・技術的な実装判断

表:CTOと開発責任者の役割比較。呼称と権限の範囲は企業ごとに異なります。

スタートアップでは、創業メンバーのCTOが開発責任者を兼ねることも珍しくありません。募集の前に、自社のCTOが担う範囲を明確にしておきましょう。

CTO採用が難しいのはなぜですか

候補者の母数が少ないうえに、事業フェーズによって求める経験が大きく異なるためです。

IPA「DX動向2025」(2025年6月公表)では、DXを推進する人材の「量」が「やや不足している」「大幅に不足している」と答えた日本企業の合計は85.1%でした。技術と経営の両方を担えるCTO候補は、そのなかでもとくに限られます。ジェイエイシーリクルートメントによれば、CTOの採用では10名以上のエンジニア組織を率いた経験がほぼ前提となっており、成約者の平均年齢は約51歳です。さらに、経営幹部のポジションは非公開で探される場合が多いとされています。

難しさは次の3つの要因が重なって生じます。

  • 要件が曖昧|「CTOがほしい」という募集のまま、技術・組織・事業のどこに比重を置くかが決まっていません。
  • 出会う手段が限られる|CTO層は転職市場に表に出にくく、公開求人だけでは接点を持てません。
  • 見極めが難しい|技術力は評価できても、経営への関与や組織づくりの力を面接だけで判断するのは困難です。

経営幹部の採用全般に共通する課題は、CFO採用が難しい理由と進め方でも解説しています。

事業フェーズによって求めるCTO像はどう変わりますか

フェーズごとにCTOに期待する役割は大きく異なります。自社がどの段階にあるかを確認してから、必須経験を絞り込みましょう。

事業フェーズ CTOに任せること 重視する経験
立ち上げ期 プロダクトの初期開発、技術選定 自ら手を動かした開発経験、少人数での立ち上げ
成長期 開発組織の拡大、採用、開発体制の整備 エンジニアの採用・育成、開発プロセスの設計
拡大・成熟期 技術戦略、M&A、事業横断の技術投資 経営への関与、大規模組織のマネジメント、IPO準備

表:事業フェーズ別のCTOの役割。必須経験は自社の課題に合わせて絞り込みます。

必須経験は3つ以内に絞るのが目安です。「0→1の開発も、100名規模の組織運営もできる人」を求めるほど、該当者は少なくなります。

CTOの年収の目安はどのくらいですか

企業規模別のCTO平均年収を示した棒グラフ。大企業約2,600万円、中堅企業約1,500万円、小規模企業約1,300万円。
企業規模別のCTO平均年収を示した棒グラフ。大企業約2,600万円、中堅企業約1,500万円、小規模企業約1,300万円。

ジェイエイシーリクルートメントのデータでは、CTOの平均年収は約1,700万円です。

同社の分析(2024年1月〜2026年2月)では、オファーの多くは1,100万円〜2,000万円のレンジに収まり、企業規模によって大きく差が出ています。報酬を設計する際は、自社の規模と近いレンジを参考にしましょう。

企業規模 平均年収の目安
大企業 約2,600万円
中堅企業 約1,500万円
小規模企業 約1,300万円

出典:ジェイエイシーリクルートメント「CTO(最高技術責任者)の転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説」(同社データ・2024年1月〜2026年2月)

ただし、同社の集計は同社の取扱求人にもとづくものです。実際の報酬は、技術領域、組織づくりの経験、事業責任の重さによって変わります。ストックオプションなどの報酬設計も含めて検討しましょう。

CTOを採用する方法は?手法別の比較

CTOの採用手法は、ポジションを公開できるかと緊急度で選びます。

手法 向いている場面 費用の考え方 注意点
エグゼクティブサーチ 非公開で進めたい、候補者が少ない 着手金+成功報酬が一般的 契約形態と費用を事前に確認
人材紹介 要件が明確で、早く採りたい 成功報酬(理論年収の一定割合) 領域に強い会社かの確認が必要
リファラル 経営陣や社員の人脈に候補者がいる 紹介インセンティブ 人脈が尽きると頭打ちになる
ダイレクトリクルーティング 自社で候補者に直接アプローチしたい 媒体利用料+運用工数 経営幹部層は返信が得にくい

表:CTOの採用手法比較。費用は契約条件により異なります。

エグゼクティブサーチの仕組みと費用は、エグゼクティブサーチとは?登録型人材紹介との違いで詳しく解説しています。人材紹介の成功報酬は、一般に理論年収に料率を掛けて算出します。coachee Agent Proは入社時の完全成功報酬型で、採用feeは理論年収の35%からです。たとえば理論年収1,700万円の場合は、35%で595万円になります。契約前に、人材紹介の手数料相場と返金規定を確認しておきましょう。

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CTO採用の進め方5ステップ

CTO採用の進め方を、任せる範囲の決定から入社後90日の設計まで5ステップで示したフロー図。
CTO採用の進め方を、任せる範囲の決定から入社後90日の設計まで5ステップで示したフロー図。

進め方は、要件定義から入社後の立ち上がりまでの5ステップです。最初の2ステップに時間をかけるほど、後工程のぶれが減ります。

  1. 任せる範囲を決める|技術戦略、開発組織、採用、事業への関与のうち、どこに比重を置くかを経営陣で合意します。
  2. 必須経験を3つ以内に絞る|フェーズ別の表をもとに、「必須」と「歓迎」を分けます。
  3. 報酬と権限を設計する|年収の目安、ストックオプションの有無、決裁できる範囲を決めます。
  4. 手法を選ぶ|公開可否と緊急度から、エグゼクティブサーチや人材紹介を中心に組み立てます。
  5. 入社後の90日を設計する|最初に取り組むテーマと、相談できる経営陣を決めておきます。

エンジニア採用の考え方は、エンジニア採用が難しい理由と5つの打ち手も参考になります。IT人材全般の採用課題は、DX人材の採用課題7選で整理しています。

coachee株式会社の候補者面談85件で見た「経営幹部候補が転職で重視する条件」

CTOのような経営幹部を採用するときは、候補者が何を重視して転職先を選ぶかを知っておくと、訴求がぶれません。ここでは、coachee株式会社が実施した候補者面談の集計をご紹介します。

調査の概要

項目 内容
調査主体 coachee株式会社
調査方法 候補者面談メモの集計
調査期間 2026年5月11日〜10月28日
集計対象 候補者面談85件(n=85)
主な職種 ITコンサルタント・PM・DX人材などのミドル〜ハイクラス層

出典:coachee株式会社 候補者面談集計(n=85/2026年5月11日〜10月28日)

集計では、候補者の「第一の転職動機」は、仕事内容・専門性・やりがい(34.1%)と上流志向・役割/裁量の拡大(28.2%)で全体の6割超(62.3%)を占めました。一方、年収アップを第一の動機とした候補者は1.2%にとどまります。

第一の転職動機 割合
仕事内容・専門性・やりがい 34.1%
上流志向・役割/裁量の拡大 28.2%
職場環境・文化・人間関係 11.8%
雇用の安定・長期就業・年齢的な節目 10.6%
働き方・勤務地(リモート/通勤/転勤) 9.4%
その他(ライフ事情・会社都合など) 4.7%
年収アップ 1.2%
合計 100.0%

※「第一の(最も強い)転職動機」で1人につき1つに分類(合計100%)。色付きの2項目(仕事内容・専門性/上流志向・役割)が、CTO採用で特に響く「仕事の中身・役割」系で、合わせて62.3%を占めます。複数の動機を挙げる候補者が多く、該当ベースでは比率は異なります。

出典:coachee株式会社 候補者面談集計(n=85/2026年5月11日〜10月28日)

この結果は、CTOの採用でも「報酬を上げる」より「経営にどこまで関与できるか」を示すほうが候補者に届きやすいことを示唆しています。募集の段階で、経営会議への参加、技術投資の決裁権、採用方針への関与を具体的に伝えましょう。なお、母集団はIT/DX領域のミドル〜ハイクラス層が中心で、統計的な代表性を主張できる規模ではありません。自社の採用設計を考える際の目安としてご覧ください。

CTO候補を見極める面接の質問例

面接では、技術の知識量ではなく、意思決定と組織づくりの経験を具体的に聞きます。次の質問は、経営への関与と再現性を見分けるのに役立ちます。

見たい力 質問例 確認するポイント
技術戦略 技術選定を大きく変えた経験と、その理由は? 事業との結びつきと、判断の根拠
組織づくり エンジニア組織を拡大したとき、何を変えましたか? 採用・育成・評価の具体策
経営への関与 経営陣と意見が割れたとき、どう合意しましたか? 対立の整理と最終判断のしかた
失敗からの学び 技術投資が失敗した経験と、その後の対応は? 事実の認識と、再発防止の行動

表:CTO面接の質問例。回答の再現性を重視し、事実を深掘りします。

回答では、「チームで実現した」という表現で終わらせず、本人の判断と役割を確認しましょう。数字と時期、反対意見への対応まで聞けば、再現性のある実力かどうかがわかります。

CTO採用を始める前の実務チェックリスト

募集を開始する前に、次の項目を社内で確認しておきましょう。1つでも未決定なら、先にそこから決めるのが近道です。

  • CTOに任せる範囲(技術・組織・事業)の比重が決まっている
  • 必須経験が3つ以内に絞られている
  • 年収の目安と、ストックオプションなどの報酬設計が決まっている
  • 決裁できる範囲と、経営会議への参加方針が決まっている
  • ポジションを公開できるかが決まっている
  • 入社後90日で取り組むテーマが決まっている

よくある質問(FAQ)

Q1. CTO採用の費用はどのくらいかかりますか。

A. 手法によって異なります。人材紹介は成功報酬型が一般的で、coachee Agent Proの採用feeは理論年収の35%からです。理論年収1,700万円の方を採用した場合、35%で595万円になります。

Q2. CTOの年収相場はいくらですか。

A. ジェイエイシーリクルートメントのデータでは、平均年収は約1,700万円で、大企業は約2,600万円、中堅企業は約1,500万円、小規模企業は約1,300万円です。企業規模で大きく変わります。

Q3. CTOと開発責任者は何が違いますか。

A. CTOは技術を軸に経営の意思決定へ関与し、開発責任者は決まった方針のもとで開発の実行に責任を持ちます。スタートアップでは1人が両方を兼ねることもあります。

Q4. CTO候補は何を重視して転職を決めますか。

A. 経営への関与の度合いを重視する傾向があります。coachee株式会社の候補者面談85件では、仕事内容・役割を第一の動機とする候補者が6割超(62.3%)を占め、年収アップを第一の動機とした候補者は1.2%でした。

Q5. CTO採用は非公開で進められますか。

A. 可能です。エグゼクティブサーチや人材紹介では、ポジションを公開せずに候補者へ打診できます。事業戦略に関わるポジションは、非公開で進める企業が多い傾向にあります。

Q6. 社内にCTO候補がいない場合はどうすればよいですか。

A. まず任せる範囲を言語化し、外部の人材紹介やエグゼクティブサーチで市場の候補者像を確認します。並行して、顧問や業務委託で技術戦略を補い、正社員のCTOに引き継ぐ進め方もあります。

まとめ

CTOとは、技術戦略を事業戦略と結びつけ、開発組織全体に責任を持つ経営幹部です。IPA「DX動向2025」ではDXを推進する人材の量が不足していると答えた日本企業が85.1%にのぼり、CTO候補の獲得は難しい状況にあります。

採用を成功させる鍵は、フェーズに合わせた要件定義です。任せる範囲を言語化し、必須経験を3つ以内に絞り、報酬と権限を経営陣で合意したうえで、公開可否と緊急度に合う手法を選びましょう。coachee株式会社の候補者面談85件で仕事内容・役割を第一の動機とする候補者が6割超を占めたように、経営幹部候補は「経営にどこまで関われるか」で判断します。役割と実態を正直に伝えることから始めましょう。

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監修者

高橋 秀誓(たかはし ひでちか)|coachee株式会社 代表取締役 / 情報管理責任者

国家資格キャリアコンサルタント、ISO30414リードコンサルタント、有料職業紹介免許(14-ユ-302056)を保有。明治大学卒業後、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務し、求人広告・人材紹介・人材派遣・SESのソリューション提案、事業統括などに従事。人材業界歴は約10年で、エグゼクティブ・Web・IT・SI・HR領域のリクルーティングとキャリア形成支援を行っています。

出典一覧

記事を書いた人
hidechika-takahashi
coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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