「人事の仕事に興味がある。でも未経験からチャレンジできるのだろうか」といった悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。
営業や販売といった職種と比較すると、人事の求人は多くはありません。また未経験可の人事の求人を探すのは、実際のところ大変です。しかし未経験でも転職できないわけではありません。
そこで本記事では、未経験から人事にチャレンジする際に押さえておきたいことを解説します。人事の仕事内容や転職のコツ、求められるスキルなどを紹介していますので、未経験から人事に転職したい方はぜひ最後までお読みください。
なお人事への転職を本気で考えている方は、ぜひcoachee株式会社が提供する転職エージェントをご活用ください。人事に特化した正社員転職を支援しており、HR業界のプロがあなたの転職をサポートします。登録はもちろん無料ですので、ぜひ下記からご利用ください。
未経験でも人事への転職は可能だが難しい
実際に求人を確認してみると、未経験でも応募可の人事の求人は確かにあります。ただし営業や販売といった職種と比較して、人事は求人数そのものが少ない傾向にあります。
また未経験でも応募可の求人でも、経験者が応募すると優先して採用されやすいため、いきなり人事としてよい職場に転職できる可能性は高くありません。
とはいえ未経験でも応募できる人事の求人は確かにあるため、転職できる可能性はゼロではありません。周到に準備して転職活動に臨めば、きっとよい職場に巡り合える可能性はあるはずです。
そのためにはまず、人事の仕事内容について理解を深めておく必要があります。「なんとなく人事を希望していたが、具体的な仕事内容まで理解できていなかった」という方は、ぜひ次に紹介する「人事の仕事内容」をお読みください。
人事の仕事についてある程度理解している人は、その次に紹介する「転職するための準備」や「人事に求められるスキル」「役立つ可能性がある資格」を見てみましょう。
未経験者から転職するなら必見!人事の仕事内容とは
未経験から人事へ転職するなら、採用後はどのような仕事を任せられる可能性があるのか理解しておきましょう。人事の仕事内容について簡単に解説します。
採用
新卒や中途で人材を採用する業務です。
新卒の場合は大学に赴いて会社説明会を開いたり、エントリーシートのチェックや面接の実施を行ったりといった業務を行います。また中途採用の場合は、利用する求人媒体や採用方法を設計する必要もあるため、より複雑な業務になりやすいです。
自分が採用した人材が入社後に活躍すれば「採用できてよかった」と、強いやりがいを感じられるでしょう。一方で人材採用に失敗すると、採用にかかったコストが無駄になってしまうため社内で肩身の狭い思いを強いられかねません。
人事労務
従業員のモチベーションを維持・向上するため、労働環境の整備を行う仕事です。
給与を計算して振り込むのはもちろん、福利厚生を提供したり社内の人材配置を考えたりすることも仕事になります。よりよい福利厚生は従業員のモチベーション向上にもつながりますし、人材配置を適切に行えば働きやすい環境を実現できるでしょう。
適切に人事を行えば従業員から感謝され、やりがいを感じられるはずです。一方で「適切な人材配置」を正確に行うのは難しく、難易度の高い業務となります。
人材育成
会社の生産性や競争力を高めるうえで欠かせないのが、従業員の育成です。新入社員研修、管理職研修、専門ごとのスキルアップ研修などを提供して、従業員の育成を促すのも人事の仕事です。
また研修を実施後、参加した従業員をフォローしたりアンケートを実施して次回の研修に反映したりするのも重要な業務となります。
従業員がうまくスキルアップして活躍できれば、きっとやりがいも感じられるでしょう。一方でスキルアップに対する意欲は人それぞれなので、個別にうまくアプローチするのはなかなか難しいのが実情です。
制度運用
人材評価制度や昇進・昇格制度を整備・運用するのも人事の仕事です。活躍している人を適切に評価し、そうでない人を不当に高く評価しないためにも重要な仕事となります。仮に制度運用がうまくできないとなると、優秀な人材は自分を評価してくれる他社に転職してしまうでしょう。
うまく人事制度を策定し運用できれば、従業員もより前向きに働けるようになり、活気のある会社になるでしょう。一方で従業員を適切に評価するため、各部署の業務や実情を理解しなければならない、という難しさもあります。
未経験から人事へ転職するための準備
「未経験から人事へチャレンジしたい気持ちが固まった」という方は、さっそく転職活動に向けた準備を行いましょう。適切に準備ができていれば、転職活動がうまくいきやすくなるはずです。
では、具体的にどのような準備を行えばよいのか解説していきます。
人事へ転職したい理由を明確にする
自分がなぜ人事になりたいのか、なぜ他の職種ではダメなのかを明確にしましょう。「今の仕事より楽そうだから」という理由では、未経験から人事への転職はうまくいきません。
思考を整理するため、まずは自分の考えを紙に書き出してみましょう。そこで、できるだけポジティブな理由を深掘りしていけば、前向きな転職理由を作りやすくなります。
また自分の転職理由が面接で通用しそうか不安であれば、HR業界に精通した転職エージェントに相談するのもおすすめです。coacheeの人事特化転職エージェントを活用すれば、経験豊富なプロがあなたの転職活動をサポートします。
キャリアの棚卸しを行う
これまでのキャリアを棚卸しして、自分にどのようなスキルや経験があるのか、それを人事の仕事へどう活かせるのか説明できるよう準備しましょう。
これまでの仕事経験を紙に書き出すことで、自分がどのような経験をしてきたか、どのようなスキルがあるのか整理できます。これにより、魅力的な職務経歴書を作成しやすくなるだけでなく、面接でのアピール材料を見つけられるはずです。
人事で活かせる経験がないか洗い出す
キャリアの棚卸しを行った段階で「この経験は人事の仕事でも活かせるのではないか」と考えてみるのもおすすめです。
人事の経験はなくても、たとえば部下の適性を見極めてマネジメントを行ったりコミュニケーション能力を発揮して成果を挙げたりした経験があれば、アピール材料になるはずです。
人事の経験はなくとも、人事業務にも活かせる汎用的な経験・スキルは面接で評価されます。
自分を採用するメリットを明確にする
棚卸しした結果や活かせる経験をもとに、自分を採用すると人事としてどのような活躍ができるのか、採用するメリットを人事へアピールしましょう。
自分を採用することのメリットを、説得力のあるエピソードを交えながら面接官に伝えることができれば、未経験でもきっと人事として採用されるはずです。
参考:キャリア相談に申し込む
未経験から人事へ転職するためのポイントはいろいろありますが、実際のところは難しいのが実情です。しかし「どうしても人事へ転職したい」という強い気持ちをお持ちの方は、キャリア相談サービスを活用して元ベテラン人事に相談してみてはいかがでしょうか。
たとえば、いきなり人事への転職は無理でも、まずは人材会社の営業を経験するなど、人事と近い業界・職種の仕事を経験する。これで、業務は未経験でも人事として活かしやすい経歴をつくれる、といった具体的なアドバイスを受けられる可能性があります。
もちろん状況は人それぞれなので、上記のようなアドバイスを確実に提供できるとは限りません。しかし実際に人へ相談したり自分の悩みを言葉にしたりすることは、抱えている悩みを解決するうえで助けになるはずです。
転職に悩んでいる方は、ぜひcoachee株式会社の人事特化転職エージェントをご活用ください。専任のコンサルタントがあなたのお悩みに対応し、転職活動をサポートします。
未経験から人事へ転職する際に注意したいこと
ここまでもお伝えしてきましたが、人事の求人数が少ないため、こだわりすぎていると転職できない可能性があります。
また人事は、決して楽な仕事ではありません。不安を抱えている社員の相談に乗ったり苦情をいわれたりすることもあるなど、周りへの配慮が求められる仕事です。また仕事への責任も重いです。たとえば人材採用や評価制度の設計に失敗すると、うまく人材を採用・活用できず、会社が傾いてしまいかねません。
「今の仕事がつらい」だけで人事への転職を考えているのであれば、他の職種への転職や働き方の見直しをすることで問題が解決できる場合もあります。本当に人事の仕事にこだわるべきか、冷静になって考えましょう。
人事に求められるスキル
人事の仕事にはどのようなスキルが求められるのかご紹介します。
傾聴力
相手の話を冷静に聞いて意図を正確に把握する、いわゆる傾聴力が人事には必要です。
たとえば人材採用を行う際、配属予定部署がどのような人材を必要としているのかヒアリングする際に役立ちます。傾聴力がないと該当部署の意図やニーズを汲み取れず、人材採用やその後の定着がうまくいかなくなる恐れがあります。
調整力
さまざまな立場の人の要望を聞き取ってうまくバランスをとる「調整力」も人事には必須です。
たとえば社内の制度設計をする際、営業部と経理部で要望が異なるケースもあるでしょう。そのときにお互いの要望を聞きつつ妥協点を見つける必要があります。調整力がないと、どちらかの要望ばかりに耳を傾けてしまい、社内が分断してしまいかねません。
課題解決力
社内制度や人材配置の問題を発見して解消する、いわゆる課題解決力も人事には必要です。
社内の課題を解決してよりよい会社を作るため、人事が人事や会社制度の見直しを行い、うまく改善することが求められます。課題解決力がないと、社内の問題が放置されたままとなってしまい、優秀な人材から離職してしまいかねません。
実行力
採用計画や人事制度が決定した場合、それを行動に移すための実行力も必要になります。
今までのやり方や習慣を変えるのは、大きなストレスが伴います。会議で新しいことが決まっても、実行されないまま放置されてしまうケースも珍しくありません。そこで人事であるあなたがリーダーシップをとり、決まったことを遵守するよう働きかける力が必要になります。
人事で役立つ可能性がある資格
人事業務に役立つ可能性がある資格を紹介します。ここで紹介する資格を保有しているからといって未経験からの人事転職がうまくいく、という保証はありません。ただし意欲や熱意を客観的に示す材料にはなるはずです。
余裕があれば、ここで紹介する資格の勉強をしてもよいでしょう。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、実は国家資格です。学科試験と実技試験をパスして登録すれば、キャリアコンサルタントを名乗ることができます。
キャリアコンサルタントを取得すれば、企業内では従業員のキャリア相談に対応したり、人材業界では求職者の就職支援や相談に乗ったりできるようになります。
キャリアコンサルティング技能士
キャリアコンサルティング技能士とは、上述した「キャリアコンサルタント」の上位資格に位置します。受験するには一定以上の実務経験が必要となっており、誰でも受験できるわけではありません。
人事の経験こそないものの、キャリア相談にかかわる仕事をしている人であれば受験できる可能性がありますので、まずは受験資格をチェックしてみましょう。
コーチング資格
従業員との対話を通じて相手の能力を引き出す「コーチング」に関する資格を取得するのもおすすめです。コーチングは人事に限らず、マネジメントやコンサルティング、カウンセラーなど「相手の悩みを聞く」ことも行う仕事であれば活かせるスキルです。
日本コーチ連盟という団体では、「(社)日本コーチ連盟認定コーチング・ファシリテータ」をはじめとしたさまざまなコーチング資格試験を実施しています。人事はもちろん他の職種でも活かせる可能性のある資格なので、ぜひチェックしておきましょう。
社労士
社労士は社会保険の手続きや労務相談、紛争解決など、企業の人事・労務に関する業務を支援するために必要な知識を有していることを証明できる資格です。
国家資格で合格難易度も高い資格ですが、社労士の資格を持っている人であれば人事職の採用選考で評価されやすくなるでしょう。経験を積めば独立開業も可能な資格なので、人事・労務に関する仕事で今後も働いていきたいと考えている人は勉強してみてもよいかもしれません。
人事に向いている人
最後に、人事に向いている人の特徴をご紹介します。ここで紹介しているからといって必ずしも人事に向いているとは限りませんが、参考にはなるはずです。どのような人が人事に向いている可能性があるのか見てみましょう。
人間や仕組みが好き
人事はさまざまな人と接したり、仕事内容や成果を見極めて評価を行ったりする仕事です。そのため、そもそも人間に対する興味がないと、人事として仕事をすることに辛さを感じてしまうかもしれません。
一方で、人間や会社という仕組みが好きなら、人事制度という仕組みをうまく活用して会社をよりよい方向に向かわせることもできるでしょう。
全体を俯瞰して物事を考えられる
目の前の相手の要望だけでなく、会社全体を見たうえで冷静な判断を行えるかも、人事の仕事をするうえで重要です。
場当たり的に“よい人”になるのではなく、会社全体を俯瞰したうえで、特には厳しい判断もしなければなりません。人事は特定の個人を優遇するのではなく、会社全体を見て物事を考えることが求められる仕事です。
厳しい判断を下して実行できる
会社全体を俯瞰した結果、どうしても目の前にいる相手の要望に添えない場合もあるでしょう。このとき相手が強く要望しても、会社全体を見たうえで厳しいことをいわなければならない場面もでてきます。
このとき、情よりも理屈を優先して厳しい判断をしなければならないのも人事という仕事です。ただし、あくまでも客観的かつ公平に物事を判断しないと「人事に気に入られた人が出世する」と思われてしまい、従業員のモチベーション低下や人材の流出につながりかねません。
未経験から人事へ転職すべきかプロへ相談しよう
本記事では未経験から人事への転職について解説しました。未経験でも応募できる人事の求人は数が少ないため、転職活動が長期化する可能性はあります。しかし未経験でも人事へ転職できる可能性はあるため、本記事で紹介した内容を参考に、粘り強く転職活動を続けましょう。
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