「人事の業務に時間がかかっている」
「紙の書類管理や手作業で非効率な業務が多い」
「人事業務の効率化に取り組みたいが、何から始めればいいかわからない」
このような悩みを抱えていませんか?
本記事では、人事業務の効率化に悩む方に向けて、効率化の方法や役立つツール、進め方を解説します。成功事例も紹介するので、他社の方法を自社の業務に活かしたい方にもおすすめの内容です。
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人事業務とは
人事業務は企業において「ヒト」に関わる全般的な仕事を担う重要な分野です。主に給与の計算や勤怠の把握を行う「労務管理」と、社員の採用や能力開発を担う「人事管理」という2つの領域にわけられます。
人事業務は、企業にとって欠かせない業務ですが、多くの担当者が業務の忙しさに課題を感じているのが現状です。パーソル総合研究所の調査結果によれば「人材採用」や「労務管理」が特に業務負荷が高く、約8割もの担当者が業務の忙しさを実感していると回答しています。
出典:人事部大研究 -非管理職の意識調査|パーソル総合研究所
人事業務の効率化が求められる背景と理由
人事部門には、業務の幅広さや慢性的な人手不足といった課題があり、限られたリソースの中で多様な業務をこなす必要があるため、業務効率化が求められています。
特に通常業務に加えて、採用・労務・教育といった専門的なタスクも並行して行う必要があるため、現場は常に多忙です。
また、履歴書や職務経歴書など紙媒体の管理が多いことも、時間を圧迫する要因となっています。このような非効率な業務フローは、電子化やシステム化による改善が必要です。
さらに、人事業務は状況に応じた柔軟な対応も求められます。急な対応や突発的なトラブルにも備えるためには、日常業務をなるべく効率的にこなせる体制を整えておくことが不可欠です。
人事業務を効率化するメリット
人事業務を効率化することで、これまで紙や手作業で行っていた入力・承認・管理などの作業を見直し、業務フローの簡素化や一部の作業の自動化が可能になります。
たとえば、申請書類のやり取りを電子化したり、記録の整理方法を統一したりすることで、処理にかかる時間や手間を削減できるでしょう。
さらに、社員情報をシステムで一元管理すれば、必要なデータをすぐに取り出せるようになり、検索や対応にかかる時間を大幅に短縮できます。人的ミスの防止や、データの正確性の向上といった副次的なメリットも得られるでしょう。
これにより、人事担当者は事務処理から解放され、採用戦略や人材育成など、付加価値の高い業務に集中できる環境が整います。
【一覧表】人事業務の効率化に向いている業務
下記の一覧表に、効率化に向いている主な人事業務とその内容、効率化例をまとめました。
業務 | 効率化に向いている理由 | 例 |
採用業務 | 業務量が多く手作業が多い。効率化することで採用担当者の負担軽減、採用スピードや質の向上、コスト削減が可能。 | ・選考プロセスの見直し ・応募書類評価の標準化 ・自動返信機能、日程調整ツール活用 |
勤怠・労務管理 | 手作業や紙管理が多く、法改正や多様な働き方への対応も求められる。IT化・自動化でミスや工数を削減できる | ・ペーパーレス化 ・ITツール・システム導入 ・業務の標準化・自動化 |
人事評価 | 多様な情報を扱い集計や管理が煩雑。標準化やシステム化で少人数でも正確・公平な評価が可能になる | ・評価内容の標準化 ・達成目標の明確化・システム導入 |
人材育成 | 研修企画・運営やフォローに時間がかかる。eラーニングやLMS導入で一人ひとりに合わせた効率的な育成が可能 | ・eラーニング導入 ・学習管理システム(LMS)活用 ・研修のデジタル化 |
このように、採用・勤怠労務管理・人事評価・人材育成は、ITツールや業務プロセスの見直しによって効率化しやすい分野です。
詳しくは次項から解説するので、参考にしてみてください。
人事業務を効率化する4つの方法
人事業務の効率を高めるために以下の4つの方法を実践してみましょう。
- 業務フローを標準化する
- ペーパーレス化を推進する
- 業務をアウトソーシングする
- システムやツールを導入する
これらの方法を状況に合わせて取り入れることで、人事部門の業務改善を図りましょう。
1.業務フローを標準化する
業務が人によってバラバラだと、確認や修正の手間が増え、無駄な時間や労力が発生します。これを防ぐためには、業務の流れや手順を標準化し、誰でも同じ品質・スピードで作業できる状態を作ることが重要です。
例えば、採用書類の処理や勤怠データの集計といったルーティン業務は、フォーマット化・マニュアル化することで、作業のばらつきや確認作業を減らせます。
また、業務が属人化(特定の人だけが対応できる状態)しないため、担当者が不在でも対応可能となり、チーム全体の生産性向上にもつながります。新しいメンバーへの引き継ぎもスムーズになり、教育コストの削減にも効果的です。
2.ペーパーレス化を推進する
紙の書類に頼った業務は、保管・管理・共有の手間が大きく、業務効率を下げる一因です。そこで、資料の電子化やクラウド管理によるペーパーレス化が有効です。
電子化することで、検索・編集・共有が迅速になり、関連業務全体のスピードアップが図れます。特に、勤怠管理や保険手続きをオンライン化することで、在宅勤務やフレックスなど多様な働き方にも柔軟に対応できるようになります。
3.業務をアウトソーシングする
一部の人事業務は、外部の専門業者に委託(アウトソーシング)することで、社内のリソースを効率的に活用できます。
例えば、以下のような業務はアウトソーシングに適しています。
- 給与計算や社会保険の手続き(労務)
- 中途採用における候補者のスクリーニングや面接調整(採用)
- 人事評価制度の設計や運用サポート(人事評価)
- 研修の企画・運営支援(人材育成)
これらの業務は、専門知識が求められる一方で定型化しやすく、外注することで正確性と効率性が向上します。
特に、給与計算や保険関連の処理は、法改正への対応やミスのリスクを考えると、経験豊富な専門家に任せる方が安心です。
さらに、アウトソーシングを検討する際は「定型業務(作業手順や業務フローが明確に定められている業務)」と「非定型業務(業務フローが明確に定められていない業務)」を明確に区別することが重要です。
なぜなら、定型業務は手順やルールが明確で再現性が高いため、外部の専門業者でも品質を保ちながら対応しやすいからです。一方で、非定型業務は社員の個別事情や社内の空気感、柔軟な判断が求められるケースが多く、社内の人間でなければ適切に対応できない場合が多いためです。
例えば、勤怠集計や給与計算などの定型業務は外部に委託しやすい一方、社員の悩み相談やキャリア面談といった非定型業務は、社内の信頼関係や背景理解が不可欠なため、社内対応が望ましいといえます。
4.システムやツールを導入する
人事業務の効率化には、ITツールの導入が効果的です。例えば、採用管理ツールを使えば、応募者対応や面接日程の調整などを自動化でき、担当者の負担を大幅に軽減できます。
そのほかにも、勤怠管理・給与計算・人材育成支援など、多様な業務に対応したツールが存在します。自社の業務フローや課題に応じて、最適なシステムを選定することが重要です。
初期費用はかかりますが、長期的には人件費の削減、ミスの防止、対応スピードの向上といった多くのメリットが期待できます。
人事業務を効率化するツールは次項で解説するため、参考にしてみてください。
人事業務効率化に役立つツール・システム
本項では、人事業務効率化に役立つツール・システムを解説します。
- Excel
- 人事管理システム
- 勤怠管理システム
- 給与計算システム
- 採用管理システム
- 人材育成システム
以下の項で詳しく解説します。
Excel
Excelは、関数やマクロを活用することで、勤怠管理や集計業務などの繰り返し作業を自動化できます。例えば、社員の勤怠データを自動で集計し、月ごとの残業時間や休暇日数を一括で算出する仕組みを作成することが可能です。
ただし、マクロの作成にはVBAなどのプログラミング知識が必要で、初心者がすぐに扱うのは難しい側面もあります。また、マクロを構築した担当者が退職すると、その後の修正や更新が困難になるリスクもあるため、注意が必要です。
そのため、マクロの設計内容は複数人で共有するか、操作マニュアルを整備しておくと安心です。
人事管理システム
人事管理システムは、社員の基本情報(氏名・年齢・経歴など)から、給与・評価・異動履歴などを一元管理できるツールです。これにより、人事データのバラつきや二重入力の手間を省き、業務の効率化や人的ミスの防止が可能になります。
従来は大企業を中心に導入されていましたが、マイナンバー制度の施行以降、中小企業でも法令対応や業務効率化のために導入が進んでいます。
近年では、社員の能力開発や最適配置、成果連動型報酬制度などに対応した、戦略的な人材マネジメントを支える機能も強化されています。
勤怠管理システム
勤怠管理システムとは、社員の出退勤時刻、残業時間、休暇取得状況、シフト管理などを一元的に記録・集計できるツールです。
ICカードやスマートフォン、PCからの打刻情報をもとに、自動で集計が行われるため、手作業による計算ミスや記録漏れのリスクを大幅に軽減できます。
また、働き方改革関連法では「客観的方法による労働時間把握」が義務化されたため、法令遵守の面からも勤怠システムの導入は不可欠です。さらに、テレワークやフレックス制度の普及により、オフィス外での勤怠記録にも対応できる柔軟性が求められるようになっています。
給与計算システム
給与計算システムは、基本給、残業代、各種手当、控除額(社会保険・所得税など)を自動計算し、給与明細の作成や振込データの出力までを支援するツールです。
社員数が多くなるほど複雑化する計算業務を自動化することで、作業時間の削減、ヒューマンエラーの防止、担当者の精神的負担軽減といったメリットを得られます。
さらに、法改正への対応や年末調整など、毎年更新が必要なルールにも柔軟に対応できるクラウド型のソフトも増加中です。
参考:客観的な記録による労働時間の把握が法的義務になりました|厚生労働省
採用管理システム
採用管理システムとは、求人情報の作成・応募者の情報管理・選考進捗の可視化・内定者対応までを一元化するツールです。Excelやメールでの煩雑な管理から解放され、採用担当者の作業負担を大幅に軽減できます。
さらに、応募者ごとの面接評価や合否結果を社内で共有できるため、選考プロセスの属人化を防ぎ、意思決定のスピードアップにも貢献します。
例を挙げると「応募者の履歴書がどこまで進んだか」「面接結果が未入力の担当者は誰か」などを一覧表示できるため、情報の見落としや確認漏れも防止可能です。
人材育成システム
人材育成システムは、従業員の目標管理・評価・スキル分析・キャリア支援などを一括でサポートするツールです。企業の中長期的な人材戦略を実現するうえで「誰をどう伸ばすか」を見える化し、計画的な育成を可能にします。
代表的な機能としては、以下の3タイプがあります。
機能 | 内容 |
目標管理・人事評価タイプ | 個人目標の設定や進捗確認、上司との評価プロセスを記録。評価の透明性が高まり、納得感のある人事評価が実現。 |
タレントマネジメントタイプ | 社員の経歴・スキル・性格傾向などをデータで一元管理し、適材適所の配置や後継者育成に活用。 |
スキルマネジメントタイプ | 業務に必要なスキルセットを一覧化し、習得状況や教育の効果を把握。教育投資の最適化に貢献。 |
例えば「営業職に必要なスキルを可視化し、成長が停滞している人にピンポイントでeラーニングを配信」など、育成の精度と効率を同時に高める運用が可能です。
【4ステップ】人事業務の効率化の進め方
人事業務の効率を高めるためには、計画的なアプローチが必要です。以下の4つのステップに沿って進めることで、効果的な改善が実現できます。
- 現状の業務を洗い出す
- 自動化できる業務を確認する
- 施策を計画する
- 実行し効果を測定する
順番に進めることで、無駄のない効率化が可能になります。
1.現状の業務を洗い出す
まずは人事部門で実施している業務をすべて洗い出し、他部署の協力も得ながら作業内容や関連部署との関係性を明確にします。
作業名や業務範囲を統一的に記録し、基本的な業務の流れを一覧表にまとめましょう。例えば、以下の点を確認することで、業務の全体像を把握できます。
- どういった業務を実施しているか
- 誰が担当しているか
- 何名の人員が必要か
- 業務にかかる時間や作業量はどの程度か
業務の可視化によって、作業の重複や属人化、特定の担当者への業務集中などの課題を把握しやすくなります。
2.自動化できる業務を確認する
業務の全体像が把握できたら、次はどの業務から効率化を進めるか検討します。以下のような特徴を持つ業務は、自動化や効率化に適しています。
- 手順書の作成がしやすい
- 毎回同じ流れで行う定型作業である
- ある程度決まった周期で実施する必要がある
例えば、勤怠データの集計や給与計算、各種申請内容の確認といった業務は、ツール導入により大幅な省力化が可能です。
また、日常的に行っている会議資料の作成や報告書の作成などは、内容やフォーマットが似通っているケースが多く、テンプレート化や自動出力ツールの活用で手間を減らせます。
3.施策を計画する
無駄な業務が見つかったら、改善策の検討に進みます。改善策は以下の観点から考えると良いでしょう。
- 不要な業務の廃止
- 自動化の可能性
- 業務の簡素化
- 外部委託の検討
改善策が複数ある場合は、実現可能性・効果の大きさ・コスト・導入スピードなどを総合的に評価し、優先順位をつけて着手しましょう。
なお、大規模な改善にこだわるのではなく、小さく始めて確実に成果を出すように心がけてみてください。
4.実行し効果を測定する
改善策が決まったら、実際に業務へ取り入れていきます。重要なのは、導入後の効果をそのままにせず、定期的に検証することです。業務効率化がどれだけ進んでいるかを把握するには、事前に「成果の基準」を明確にしておく必要があります。
例を挙げると「作業時間がどれだけ短縮されたか」など、数値で判断できる指標をもとに効果を測定すると、現場でも納得感を持って取り組みを続けやすくなります。
その結果をもとにさらに改善を重ねていく姿勢が大切です。例えば、勤怠管理システムを導入して「打刻漏れが減った」という結果が得られたとしても、それだけで満足するのではなく「なぜ減ったのか」「まだ残る課題は何か」を分析することが次の一手につながります。
人事業務効率化の成功事例2選
本項では、大手企業2社の業務効率化の成功事例を紹介します。
- ソフトバンク株式会社
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
事例から効率化のヒントを得て、自社の取り組みに活かしましょう。
1.ソフトバンク株式会社|動画面接の評価にAIシステムを導入し選考時間を70%削減見込み
通信大手のソフトバンク株式会社は、AI技術を活用して採用業務の効率化を図っています。AI開発を手がける株式会社エクサウィザーズと共同で、動画面接を自動評価するAIシステムを構築しました。
目的は、新卒採用における公平性の向上と、選考プロセスの時間短縮です。同社ではすでに、応募者の移動負担やスケジュール調整の手間を減らすために、グループディスカッションや集団面接を廃止し、動画面接を導入していました。
AIシステムには、過去のインターン選考で収集した動画データと、経験豊富な採用担当者の評価情報が学習データとして組み込まれています。これにより、応募者が提出した動画面接をAIが自動で評価できるようになり、人手による確認作業の大部分が不要になりました。
その結果、選考にかかる時間を従来比で約70%削減できる見込みとなっています。AI活用によって、業務負荷を軽減しながらも、評価の質とスピードを両立させた成功事例と言えるでしょう。
参考:新卒採用選考における動画面接の評価にAIシステムを導入|SoftBank
2.EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社|ダイレクトリクルーティングの外注により早期の内定に
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社は、急速な事業成長に伴い、前年から約40%増となる高い採用目標を掲げていました。しかし、売り手市場が続く中、従来の求人広告や人材紹介サービスだけでは、目標達成が難しい状況に直面していました。
そこで同社は、ダイレクトリクルーティング(候補者に直接アプローチする採用手法)の実務部分を外部(RPOや外部リクルーター)に委託し、自社の社員は全体の管理や戦略立案に専念できる体制を構築しました。
採用業務の可視化を進め、内定者一人当たりにかかる工数を明確にしたうえで、月ごとの入社予定数に応じて必要なスタッフ数を計算し、繁忙期には臨時スタッフを活用する仕組みも整えました。
取り組みの結果、ソーシングチームの立ち上げと成果創出が当初想定の2倍のスピードで実現し、早期に内定を出せるようになりました。採用スピードが大幅に向上したことで、優秀な人材の確保にも成功しています。
参考:同じ目的を達成するパートナーとしての活用がRPO成功のポイント|リクルート スタッフィング
人事業務の効率化ならcoachee人事シェアもおすすめ
人事業務の効率化には、業務フローの標準化やシステム導入、アウトソーシングなどさまざまな方法があります。
しかし、効率化を進める際には、自社の課題を正確に把握せずにツールを導入してしまったり、すべての業務を一度に変えようとして混乱を招いたりするケースが見られます。
特に採用業務は、ノウハウがないまま効率化を進めると、応募者の質が低下したり、選考プロセスがうまく機能しなくなる恐れがあります。したがって、確実に成果を出したい場合は、採用のプロフェッショナルに相談するのが良いでしょう。
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採用プロセスの見直しや選考フローの最適化により、採用業務の効率化に貢献します。初期費用0円で利用でき、戦略立案選や選考フロー設計、面接対策、内定後フォローなど、包括的に支援します。
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