「人事の仕事に転職したいと考えているけど、資格は必要なの?」
「未経験から人事を目指す場合、何から始めればいいのだろう」
このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
人事の仕事には必須資格はありませんが、適切な資格を取得することでキャリアアップや転職活動を有利に進められます。
本記事では、人事の転職に役立つ資格をカテゴリ別に詳しく解説します。
労務管理から採用、キャリア支援まで幅広い資格を紹介し、未経験者向けの取得手順も説明するため、転職して人事としてのキャリアを築きたい方に役立つ内容です。
本記事を読んで、自分に合った資格を見つけ、人事のプロフェッショナルを目指しましょう。
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人事の主な仕事内容
そもそも人事とはどのような仕事をしているのか、簡単にご紹介します。
- 人材採用
- 労務管理
- 従業員の教育
- 人事・採用制度の運用および改善
人材採用は、多くの方がイメージする人事の仕事ではないでしょうか。書類選考や面接を実施し、応募者を採用するかどうか判断するのが仕事です。優秀な人材を採用できれば評価され、逆に採用した人が活躍しなかったり短期離職してしまったりすると厳しい評価を受けてしまいかねません。
労務管理とは、採用後の入社手続きや勤怠管理、社会保険への加入手続きなど、安心して働くために必要な諸々の手続きのことです。労務管理が適切にできていないと、誤った給与額の支給といった振込ミスなどにつながるおそれがあります。
研修プログラムの提供や資格取得支援などの従業員の教育に関する業務も人事の重要な役割です。従業員が自己研鑽に取り組み、会社の生産性を高めるための施策を行います。
また人事評価制度を構築したり運用・改善を行ったりするのも人事の仕事です。正当に従業員を評価できていれば社内も活気づくでしょう。一方、評価制度が不適切だと「頑張っても評価されない」と従業員に思われてしまい、モチベーションの低下や離職を招く要因となってしまいます。
このように人事は、会社を円滑に運営したり従業員が安心して働ける環境を整備したりするうえで重要な仕事です。
人事への転職に資格が必要な理由

人事の仕事に就くうえで資格を取得しておくと、専門知識やスキルを有していることを客観的に示す材料となります。
特に未経験から人事職を目指す場合や、転職を考えている場合には、資格があることで自分の能力をアピールしやすくなります。
また、社内での評価や昇進においても、資格は客観的な指標としてプラスに働くケースが多いです。例えば労務や制度設計に関する資格を持っていれば、制度の見直しや労務トラブル対応など、専門性の高い業務を任される機会が増えるかもしれません。
ただし「資格があれば必ず評価される」「人事の仕事に就ける」といった保証があるわけではありません。
あくまで実務経験や人柄、企業との相性も重要な要素です。資格はあくまで自分の強みを補強するものと考え、スキルアップを意識することが大切です。
人事の転職におすすめの資格一覧表

本項で解説する人事におすすめの資格は以下のとおりです。
| 資格名 | 特徴 |
| 人事総務検定 | 人事・総務業務に必要な実務知識を体系的に学べる。社会保険・労働法規の知識も身につく。 |
| 日商簿記検定 | 経理・会計業務の基本である簿記スキルを証明する資格。企業の財務状況を正しく把握する力が身につく。 |
| ビジネスキャリア検定 | 人事・経理・営業など幅広い職種に対応。職業能力評価基準に基づき、実務スキルと知識を客観的に証明できる。 |
| 秘書検定 | ビジネスマナー、文書作成、電話対応など、社会人基礎力を習得可能。人事・総務の来客対応や社内コミュニケーションに活かせる。 |
| キャリアコンサルタント | 労働者のキャリア形成を支援する専門知識を証明する資格。労働者の仕事やキャリアに関する相談に乗り、適切な助言・指導を行う能力を示す。 |
| キャリアコンサルティング技能士 | キャリアコンサルタントの上位資格。実務経験が必要で、熟練レベル〜指導者レベルまである。 |
| コーチング資格 | 従業員との信頼関係を築き、行動を引き出すための対話スキルを証明する資格。人事の現場で相談や面談を円滑に進めるうえで有効。 |
| 社会保険労務士(社労士) | 労働法・社会保険の専門家。人事・労務の法務対応や制度設計が可能。独立開業や企業内評価にもつながる国家資格。 |
| 給与計算実務能力検定 | 給与計算に関する知識と実務処理スキルを証明。社会保険や税務にも対応する内容で、即戦力として活かせる。 |
| 衛生管理者 | 職場の安全・衛生管理の国家資格。一定規模以上の企業では必須。労災防止や健康管理に役立つ。 |
| 労務管理士 | 勤怠管理・就業規則・社会保険対応など労務業務全般の知識を証明。中小企業での総務・人事実務に強みを発揮。 |
| ビジネス実務法務検定 | 契約・個人情報・労務法務など、企業活動に必要な法律知識を体系的に学べる。トラブル予防や書類整備に有効。 |
| マイナンバー実務検定 | マイナンバー制度と個人情報管理の専門知識を証明。雇用保険・社会保険・税金の手続きなどに活用できる。 |
| 個人情報保護士 | 個人情報の取扱いに関する法律・運用知識を証明。コンプライアンス体制強化やリスク管理の観点から評価される。 |
| MOS(Microsoft Office Specialist) | Excel・WordなどのOfficeスキルを証明。特に人事・総務ではExcel・Word活用が必須スキルとされている。 |
| ビジネス能力検定ジョブパス | 社会人としての基礎力(ビジネスマナー・思考力・表現力)を総合的に評価する資格。職種を問わず、人事・事務職志望者に推奨される。 |
人事・総務・経理の仕事におすすめの資格

人事・総務・経理の分野で活躍するためには、業務に直結した専門知識やスキルを証明できる資格を取得することが重要です。以下では、それぞれの資格の特徴と学べる内容を紹介します。
- 人事総務検定
- 日商簿記検定
- ビジネスキャリア検定
- 秘書検定
人事総務検定
人事総務検定とは、一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会が主催する、人事・総務分野の知識および実務能力を測る検定試験です。級ごとに役職レベルが設定されており、受験者のスキルに応じて選択できます。
労働法規や社会保険に関する知識を身につけられるほか、人事評価や労務管理の方法についての理解も深まります。また、人事戦略を立案し実行するために必要な知識を体系的に学べるため、実務能力を強化したい人事・総務担当者にとって有効な資格です。
| 受験料 | 3級:5,090円/2級:7,640円/1級:11,000円 |
| 受験資格 | 3級:特になし/2級:3級合格者/1級:2級合格者 |
| 資格取得にかかる勉強時間(目安) | 3級:5時間/2級:10時間/1級:15~45時間 |
日商簿記検定
日商簿記検定は、企業の経営活動を記録・計算・整理するためのスキルを問う試験です。企業の財務状況や経営成績を正しく把握するために不可欠な簿記の知識を証明できます。
特に、企業内での経理・財務・会計業務に携わる人にとって、簿記の知識は基本です。複式簿記を用いて複雑な取引を整理し、経営管理に活かす方法を学ぶことができます。
| 受験料 | 3級:3,300円/ 2級:5,500円/1級:8,800円 |
| 受験資格 | なし |
| 資格取得にかかる勉強時間(目安) | 3級:120~140時間/ 2級:250~350時間/1級:500~700時間 |
ビジネスキャリア検定
ビジネスキャリア検定は、特定の職種に必要な専門知識とスキルを評価する試験で、人事・経理・営業・生産管理など、幅広い職種に対応しています。
厚生労働省が定める職業能力評価基準に基づいて設計されており、合格するとその分野における専門知識と実務能力が証明されます。人事や総務に携わる方が自らの能力を客観的に示したい場合に適した資格です。
| 受験料 | 3級:7,920円/ 2級:8,800円/1級:12,100円 |
| 受験資格 | なし |
秘書検定
秘書検定は、秘書業務に必要な知識・スキルを問う試験ですが、以下のように社会人に必要とされる基本的な能力を幅広く身につけられます。
- ビジネスマナー
- 一般常識
- 電話応対
- ビジネス文書作成など、
秘書検定の学習内容は、実際の職務で役立つ場面が多く、特に人事・総務部門での来客対応や社内コミュニケーション、書類作成などの業務に役立ちます。
| 受験料 | 3級:3,800円/2級:5,200円/準1級:6,500円/1級:7,800円 |
| 受験資格 | なし |
| 資格取得にかかる勉強時間(目安) | 約20~70時間ほど |
【キャリア支援・カウンセリング】人事の仕事におすすめの資格

ここでは、キャリア支援・カウンセリングに関する人事におすすめの資格を紹介します。
- キャリアコンサルタント
- キャリアコンサルティング技能士
- コーチング資格
- 社労士
それぞれどのような資格か、詳しく解説します。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、厚生労働大臣の登録を受けた機関が実施する国家資格です。
学科試験と実技試験の両方に合格したうえでキャリアコンサルタント名簿に登録することで、はじめてキャリアコンサルタントと名乗れます。資格は5年ごとに更新する必要があるため、常に最新の知識を学び続けることが求められています。
キャリアコンサルタント試験に合格することで、労働者の仕事やキャリアに関する相談に乗り、適切な助言・指導を行う能力があることの証明になります。人事として質の高い業務を行うためにも、キャリアコンサルタントの知識はあって損しません。
| 受験料 | 学科試験:8,900円 実技試験:29,900円 |
| 受験資格 | ・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方 ・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方 |
| 資格取得にかかる勉強時間 | 未経験者:250〜350時間 |
キャリアコンサルティング技能士
キャリアコンサルティング技能士は、キャリアコンサルタントの上位資格です。受験するにはキャリアコンサルティングの実務経験が一定年数以上求められており、キャリアコンサルタントよりも優れた技術・知識が求められます。
キャリアコンサルティング技能士2級は「熟練」している、1級は「指導」が十分にできるレベルとされています。キャリアコンサルティング技能士の資格を取得できるレベルであれば、人事として重宝されるでしょう。
| 受験料 | 【学科試験】2級・1級:11,200円 【実技試験】2級:29,900円1級:33,500円 |
| 受験資格 | 【2級】 5年以上の実務経験を有する者4年以上の実務経験を有する者で、大学において検定職種に関する科目ついて20単位以上修得し、卒業した者 など |
コーチング資格
一般社団法人日本コーチ連盟では「(社)日本コーチ連盟認定コーチング・ファシリテータ」など、コーチングに関する資格試験を実施しています。
コーチングとは「答えは相手の中にある」という原則に基づき、相手と一緒に「答えを創り出す」ものです。一般的な指導は「ティーチング」と呼ばれ、先生が生徒に指導するような、答えを与える・押しつけるものです。
コーチングのスキルは人事でも求められます。例えば従業員が悩みを抱えている場合、じっくりと相手の話を聞いたうえで、新しい気づきや行動を行うためのきっかけを与えることができます。
| 受験料 | 27,500円 |
| 受験資格 | ・日本コーチ連盟認定コーチ養成プログラム 基礎コースと応用コースの両方を修了していること ・その他、連盟が認めるコーチ養成機関のプログラムを修了していること ・直前回の日本コーチ連盟コーチ技能検定試験II種で、学科試験のみ合格していること など |
| 資格取得にかかる勉強時間 | 講座受講:約6ヵ月 |
※一般社団法人日本コーチ連盟認定コーチング・ファシリテータの場合
【労務管理・法務・制度設計】人事の仕事におすすめの資格

ここでは、労務管理・法務・制度設計に関する人事におすすめの資格を紹介します。
- 社会保険労務士(社労士)
- 給与計算実務能力検定
- 衛生管理者
- 労務管理士
- ビジネス実務法務検定
- マイナンバー実務検定
- 個人情報保護士
社会保険労務士(社労士)
社労士とは、労働・社会保険に関わる法律を遵守するための専門家です。国家資格であり、採用から退職に関する法律的な問題解決に応じることができます。
業務範囲は広く、企業で経験を積めば独立も狙えるでしょう。人事として転職する場合も、取得していれば一定の評価を得られるはずです。
これからの人事・総務パーソンには、社内外問わず幅広いスキルが求められます。
国家資格 行政書士もビジネススキルとして有益です。
行政書士は副業でも始められるので、ご興味あれば解説記事も参考ください。
| 受験料 | 15,000円 |
| 受験資格 | ①学歴、②実務経験、③厚生労働大臣の認めた国家試験合格のうちいずれか一つ |
| 資格取得にかかる勉強時間 | 800~1,000時間 |
給与計算実務能力検定
給与計算実務能力検定は、企業や団体における給与計算業務の知識と実務能力を評価する検定試験です。
給与計算には、社会保険制度や労働法、税法といった幅広い知識が関係します。これらを正確に理解し実務へ反映する力が求められます。
| 受験料 | 3級:10,000円/ 2級:8,800円/1級:11,000円 |
| 受験資格 | なし |
| 資格取得にかかる勉強時間 | 50~70時間 |
衛生管理者
衛生管理者は、労働安全衛生法に基づき、職場における安全衛生の確保を目的とした資格です。
就業中の労働災害や健康障害の予防を担う専門職であり、常時50人以上の労働者が働く事業場では1人以上の衛生管理者を置くように定められています。
第一種はすべての業種に対応し、第二種は有害業務を除く業種に限定されます。人事や労務担当者が職場環境の改善を主導するうえで、有益な資格です。
| 受験料 | 8,800円 |
| 受験資格 | 大学または専門学校を卒業した者など ※第一種・第二種衛生管理者の受験資格の詳細 |
| 資格取得にかかる勉強時間 | 2〜3ヵ月 |
労務管理士
労務管理士は、従業員の労働環境や雇用条件の適正な管理に必要な知識を証明する資格です。
主な対象業務には、労働契約の締結・変更、就業規則の整備、勤怠・休暇管理、社会保険手続きなどが含まれます。
特に中小企業では、総務・人事担当者が労務業務を一括して担うケースが多いため、本資格の取得によって即戦力として役立ちます。
| 受験料 | ①公開認定講座での「資格取得」:10,000円 ②通信講座による「資格取得」:20,000円 ③書類審査による「資格取得」:20,000円 ④Web資格認定講座による「資格取得」:8,000円 |
| 受験資格 | 20歳以上 |
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定は、企業活動に必要な法律知識を体系的に学べる資格です。契約書の作成や確認、コンプライアンス対応、労務・個人情報の取り扱いなど、実務で頻出する法的なテーマについての理解を深められます。
人事・総務職では、社内の法務部と連携して文書を整備したり、業務上の判断に法的視点が求められたりする場面もあります。そのため、本検定で得た知識は、トラブルの予防やリスク回避に役立つでしょう。
| 受験料 | 3級:7,700円/ 2級:5,500円/1級:12,100円 |
| 受験資格 | なし |
| 資格取得にかかる勉強時間 | 3級:45~60時間/ 2級:60~90時間/1級:200~250時間 |
マイナンバー実務検定
マイナンバー実務検定は、マイナンバー制度の正しい理解と、個人情報保護の知識を身につけるための検定試験です。
制度自体の導入から日が浅く、企業や官公庁でも十分な知識を持つ人材が不足しているため、専門的な知識を持つ人材のニーズが高まっています。
特に人事・総務・経理部門では、雇用保険・社会保険・税金の手続きでマイナンバーを扱うことが多いため、需要があります。
| 受験料 | 3級:7,700円/ 2級:8,800円/1級:11,000円/ |
| 受験資格 | なし |
個人情報保護士
個人情報保護士は、個人情報保護に関する法律や運用知識を習得していることを証明する資格です。人事・総務・法務など、個人情報を日常的に取り扱う職種にとっては、リスク管理の観点からも有効で、社内のコンプライアンス体制を強化するうえでも重宝されます。
データ保護やセキュリティ意識が高まる中、企業にとって必要不可欠な知識を備えている証になります。
| 受験料 | 一般:11,000円 学割:8,800円 |
| 受験資格 | なし |
| 資格取得にかかる勉強時間 | 20時間~50時間 |
【実務スキル向上】人事の仕事におすすめの資格

ここでは、実務スキル向上につながる以下の資格をご紹介します。
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- ビジネス能力検定ジョブパス
MOS(Microsoft Office Specialist)
MOSは、Microsoft Office製品(Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlook)の操作スキルを証明する資格です。ソフトごとに試験が用意されており、WordやExcel、Accessなどが対象です。
ExcelやWordのスキルは人事を含む管理部門では必須とされており、MOSの取得により、自身のPCスキルを客観的に証明できます。事務職未経験者でも、基礎から学べる教材や試験制度が整っているため、スキル習得の第一歩として最適です。
| 受験料 | 一般レベル:10,780円 上級レベル:12,980円(※一般価格) |
| 受験資格 | なし |
| 資格取得にかかる勉強時間 | 一般レベル:30~40時間 上級レベル:60時間 |
ビジネス能力検定ジョブパス
ビジネス能力検定ジョブパスは、業種や職種を問わず、ビジネスパーソンとして必要な基礎的能力を評価する検定です。
試験では、以下のような内容が問われます。
- 時事用語やビジネス用語の基礎知識
- 社会人としてのビジネスマナーやコミュニケーションの基本
- 文章理解力と論理的思考
- 問題解決能力と改善提案力
人事業務においても、従業員とのやりとりや資料作成、提案・交渉などの場面でこれらのスキルは頻繁に活用されます。実務未経験者が社会人基礎力を身につけるための資格として活用されています。
| 受験料 | 3級:3,000円/ 2級:4,200円/1級:8,500円 (2級の合格後1年以内1回限り5,500円) |
| 受験資格 | なし |
【未経験OK】人事の転職におすすめの資格を取得する手順

「人事の資格を取りたいけれど、どこから始めればいいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、未経験からでも資格取得を目指せるように、3つのステップに分けて解説します。
- キャリアに必要な資格を選ぶ
- 資格取得までの計画を立てる
- 勉強する
1.キャリアに必要な資格を選ぶ
まずは、以下の3つの観点から、自分に合った資格を選びましょう。
| 選び方の軸 | 説明 |
| 現在の経験レベルから選ぶ | 未経験者は人事総務検定やビジネスキャリア検定などの基礎資格がおすすめ。 |
| 将来のキャリアビジョンから選ぶ | ゼネラリスト志向なら幅広くカバーできる資格、スペシャリスト志向なら特化型資格。独立を目指すなら社労士など国家資格。 |
| 業界・企業規模から選ぶ | IT業界はMOS、製造業は衛生管理者など。中小企業は幅広い知識、大企業は専門性が評価されやすい。 |
2.資格取得までの計画を立てる
資格ごとに難易度や試験範囲は異なるため、まずは受験資格や出題内容、合格率などを事前に把握しましょう。そのうえで、無理のないスケジュールを立ててください。
例えば「週単位で学習範囲を分ける」「1日30分〜1時間などの学習時間を確保する」といった計画を立てると、着実に学習を進められます。試験日から逆算してスケジュールを設定し、学習進捗を定期的に見直すこともポイントです。
3.勉強する
学習計画を立てたら、過去問や模擬試験を繰り返し活用して勉強しましょう。問題形式や出題傾向、時間配分に慣れることで、本番でも焦らず対応できるようになります。
苦手分野は重点的に復習し、間違えた問題は必ず解説を読んで理解を深めましょう。市販のテキストや通信講座、YouTubeなどの動画教材を活用すると、理解が曖昧な箇所を補強できます。
勉強時間が限られている方は、スキマ時間にスマホで確認できるアプリなども活用すると効果的です。
【資格以外】人事に必要なスキル

人事に転職する場合、どのような点を面接官から見られているのでしょうか。スキルの観点から、主なチェックポイントをご紹介します。
- コミュニケーション力
- プロジェクト管理力
- 調整力
- 課題解決力
- 傾聴力
- 人事に関係する法律知識
- 情報収集能力
コミュニケーション力
人事は部内だけでなく他の部署とも調整を行う必要がある仕事です。
例えば採用するべき人物像を明確にするため配属予定部署の人にヒアリングを行ったり、場合によっては採用面接に同席してもらえないか相談したりする必要があります。またハラスメントによる被害を訴える従業員が発生した場合、関係各所に事実確認や進捗の連絡などを行う必要があります。
このように、人事はさまざまな利害関係者とコミュニケーションを取ることが求められる仕事です。
プロジェクト管理力
人事は採用や人事に関するプロジェクトを並行して行う場合があります。そのため優先順位を付けてタスクを消化し、必要に応じて関係各所へ進捗の確認やフォローを行ったりする必要があるのが人事の仕事です。
例えば部署間の人材配置を調整しつつ、新規採用する人の配属先を検討する場合、プロジェクトが2つ以上並行して動くことになります。このときに目標から逆算して効率的に業務を行う、プロジェクト管理力が重要になるのです。
調整力
異なる部署の利害関係をまとめる調整力も、人事に求められるスキルです。
例えば人事制度を改める場合、昇給や昇進、人事評価の方法などが変わってしまい、人によっては不利益を被る場合があります。このときにさまざまな立場の利害関係者から意見をヒアリングし、お互いにとって最善の解決策を導くためには調整力が必要です。
課題解決力
人事はさまざまな部署の問題に関わることがある仕事です。
例えば営業部で離職率が高くなっている場合、問題の分析と改善策の立案が求められます。また従業員全体のモチベーションが低下している場合も同様に、やる気を出してもらうための施策を考える必要があります。
このように人事は、会社全体のさまざまな人たちが抱えている課題を解決するのが仕事です。そのため、うまく問題を特定して解決する、課題解決力が求められます。
傾聴力
物事を調整したり課題を解決したりするには、傾聴力も欠かせません。相手の話を理解するだけでなく、その背後にある問題や原因まで汲み取れるような、高いヒアリング能力が求められます。
例えば人事の施策として1on1を実施している会社があります。しかし傾聴力が低いと、相手から話を引き出せずに時間が無駄になりかねません。また誤った解釈をしてしまい、的外れのアドバイスや施策を行ってしまう恐れもあります。
人事の仕事を円滑に行うためにも、傾聴力は重要です。
人事に関係する法律知識
人事として活躍するなら採用や労務管理に関する法律知識も求められます。
例えば社会保険への加入手続きや採用・退職の手続き、労働基準法の理解と遵守といった知識が必要です。もし法律知識が乏しいと、労働基準監督署から是正勧告を受けたり従業員から訴訟されたりするなど、トラブルの原因になります。
法律は変わることもあるため、定期的に情報をキャッチアップしましょう。
情報収集能力
法律の改正や助成金の情報、採用市場の現状などを把握することで、適切な人事施策を実施しやすくなります。これらの情報は日々変わるものなので、日常的に新聞やニュース、専門メディアの発信などを見逃さないよう、人事には情報収集能力の高さが求められます。
情報収集能力が低いと、法改正を知らずに不適切な労務管理を行ったり採用市場の実情にそぐわない選考を行ったりしてしまいかねません。会社を成長させるためにも、最新の情報は常に把握しておきましょう。
人事に関するよくある質問

人事の仕事に興味がある方や、転職・キャリアチェンジを検討している方からは、よく似た疑問や不安の声が寄せられます。
- 未経験でも人事の資格は取得できますか?
- 人事に向いている人の特徴はありますか?
上記の疑問について、以下の項から解説します。
未経験でも人事の資格は取得できますか?
未経験でも人事関連の資格を取得することは可能です。多くの資格は受験資格がなく、基本的には誰でも挑戦できます。
ただし、資格を取得したからといってすぐに人事職に就けるとは限りません。資格はあくまで「知識の証明」であり、転職活動では「なぜその資格を取得したのか」「何を学び、どう活かすのか」を明確に伝えましょう。
未経験からの人事転職については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
人事に向いている人の特徴はありますか?
人事の仕事は「人」に関わる業務が多く、冷静な判断力や調整力など、幅広いスキルが求められます。
特別な資格や経歴よりも、人の特徴を理解し、組織を円滑に支える姿勢があるかどうかが重要です。
以下に、人事に向いている人の主な特徴をまとめました。
| 特徴 | 説明 |
| 人を見る目がある | 採用や人材配置、育成などで、相手の適性や強みを見極める力が求められる。人の変化や個性に敏感な人ほど、人事に向いている。 |
| 論理的思考力がある | 感情ではなくデータや事実に基づいて判断できる力が必要。採用基準の見直しや制度改革など、根拠を持って説明する場面で役立つ。 |
| マルチタスクに強い | 採用・労務・制度運用など複数の業務を並行して行うため、優先順位を付けて効率的に動ける力が重要。 |
| メンタルが強い | 評価や人事異動など、時に厳しい判断を下す場面もある。感情的にならず、冷静に対応できるタフさが求められる。 |
上記の特徴に当てはまる人は、人事職として活躍できる可能性が高いでしょう。
人事に転職するなら資格・スキルをアピールしよう

人事の資格は、採用や労務、キャリア支援など幅広い業務を理解し、信頼される人事担当者として成長するために役立ちます。
日商簿記やビジネスキャリア検定などの資格に加え、キャリアコンサルタントや社会保険労務士のように専門性を高める資格も有効です。未経験でも取得できるものが多く、体系的に学ぶことで実務に強い人材を目指せます。
なお本気で人事への転職を考えている方は、あわせて人事に特化した転職支援サービス「coachee人事シェア」の活用もぜひご検討ください。サービスの詳細は下記から確認できます。