人事の仕事に転職したいと考えている人もいるでしょう。しかし転職活動を成功させるには、面接官が納得する転職理由や志望動機を伝える必要があります。
未経験者の人はもちろん、人事経験者の人でも面接官が納得するような転職理由を伝えるのは簡単ではありません。そこで本記事では、人事への転職を成功させるためのポイントや、転職理由・志望動機を例文付きで紹介します。
面接でどれほど説得力のあるアピールをできるかどうかが、転職活動の成否を左右します。本記事を参考に、納得感のある転職理由・志望動機を考えてみましょう。
なお、どうしても良さそうな転職理由が思いつかなかったり転職活動そのものに悩みを抱えていたりする方もいるでしょう。そのような場合は、人事に特化した転職エージェント「coacheem人事シェア」へ登録・相談してみませんか?経験豊富な元人事が、転職に関するあなたの悩みに対してアドバイスを行います。
人事の仕事内容
まずは人事の仕事内容について確認しておきましょう。人事経験者の方はご存知かと思われますが、「そもそも人事の仕事内容とは何か」をあらためて振り返ることで、自分の考えを整理するきっかけが掴めるかもしれません。
人材採用
企業が事業活動を行ううえで欠かせないのが、実際に現場で働く社員です。人事はより優秀な社員を採用するため、下記のような採用活動を行います。
- 採用戦略の立案
- 求人媒体の選定および求人票の出稿
- 会社説明会の実施、ホームページやSNSでの採用情報の更新
- 応募者との面談、日程調整
- 書類選考、面接
- 内定者のフォロー など
どのような採用活動を行うのか、採用ターゲットはどのような人かを明確に定義し、求人媒体の管理から面接官として面接に参加します。また内定通知後は内定辞退されないよう、内定者フォローを行うことも求められるはずです。
関連記事:採用戦略の立て方とは?得られる3つのメリットや注意点も徹底解説
人材評価・労務管理
従業員が安心して働けるよう、また頑張った従業員が正当に報われるよう、社内の環境や制度を整えるのも人事の仕事です。
- 就業規則の整備
- 労働時間の管理
- 給与計算、社会保険の手続き
- 人事評価制度の運用および改善 など
上記のことができていなければ、給与の未払いや遅延が発生したり評価制度が不明瞭で社員のモチベーションを削いでしまったりと、企業として大きなデメリットが発生してしまいます。
教育
社員教育を行ったりスキルアップを促す仕組みを構築・運用したりするのも人事の仕事です。新入社員の研修はもちろん、管理職研修や外部講座の活用など、社員の生産向上やスキルアップにつながる教育機会を提供します。
人事制度の改善・運用
人事評価の基準や福利厚生の見直しなどを行うのも人事の仕事です。人事制度は「1回作ってしまえば終わり」というものではありません。社会や会社の状況を考慮して、必要があれば改善を行わなければなりません。
たとえばコロナ禍によりリモートワークが推奨されるご時世になった場合、リモートワークを前提とした人事制度や評価基準に改める必要があります。
以上が、人事の主な仕事内容です。未経験の方で人事への転職を強く希望される方は、人事の仕事内容について理解を深めるためにも、転職エージェント「coachee人事シェア」を活用してみませんか。大手からベンチャーまで経験した元ベテラン人事が、仕事内容の相談はもちろん人事の求人紹介まで、あなたの転職活動をサポートします。
人事への転職を成功させるポイント
人事への転職を成功させるなら、面接で受け答えをうまく行えるかどうかが重要になります。押さえておきたい下記のポイントを確認のうえ、準備をすすめましょう。
- 「なぜ御社に応募したのか」を具体的に回答できるよう準備する
- 転職理由と志望動機が矛盾していないか見直す
- 入社後に何をしたいのか、どのような能力を活かせるのか考える
- あらかじめ「伝えないこと」を決める
「なぜ御社に応募したのか」を具体的に回答できるよう準備する
志望動機は新卒・中途ともに必ずと言っても良いほど質問されます。志望度の高さを伝えられるよう、具体的な志望理由を伝えましょう。たとえば「御社が現在提供しているサービスで私の能力や経験が活かせる」など、具体的に志望したいと思ったことを伝えることが大切です。
逆に「人事として仕事ができるから」など他社でも使い回せそうな志望動機だと、面接官に良い印象を与えにくいです。
転職理由と志望動機が矛盾していないか見直す
転職理由は志望動機と一貫性のある方が望ましいです。たとえば「将来的に人事に異動できると聞いていたが、このまま営業部で出世を目指してほしいと言われた。だから人事として仕事ができる御社に応募した」など、転職理由と志望動機がつながっていると説得力が増します。
逆に、転職理由が「職場の人間関係」であるのに志望動機が「人事として活躍できそう」だと、転職理由と志望動機がつながっていません。転職理由と志望動機に矛盾が生まれて違和感を与えてしまうだけでなく、「再び人間関係で悩むのでは?」とマイナスの印象を与えてしまうでしょう。
入社後に何をしたいのか、どのような能力を活かせるのか考える
特に人事経験者の場合、入社後どのように自分の能力を活かして仕事で活躍できるか、面接官にアピールしましょう。人事の経験がない場合でも、前職の仕事経験を人事の仕事でどう活かせるか、伝えることが重要です。
中途採用は基本的に「即戦力になりそうか」を重視されるため、入社後どう活躍できるのか具体的に伝えられるかが合否を分けます。
あらかじめ「伝えないこと」を決める
ネガティブな理由で転職活動を余儀なくされている人もいるでしょう。面接官も、応募者が前職に何かしらの不満を持っていることは理解しているため、ネガティブな動機があるのは問題ありません。
しかしネガティブな動機をそのまま面接官に伝えてしまうと、相手に良い印象を与えられず、内定を獲得できません。あまりに強いネガティブなエピソードは、相手から質問されない限りは話さないほうが無難です。
もしくはポジティブな言葉に置き換えることも有効です。たとえば人間関係が原因であれば「社風とのミスマッチ」「仕事の進め方の違い」など、できるだけポジティブかつ志望動機につなげられるような表現にしましょう。
人事への主な転職理由
人事に転職する際、主にどのような転職理由があるのか見てみましょう。
【キャリアアップのため】
・総務から人事に転職し、より人材管理の専門性を高めていきたい
・幅広い裁量が与えられる貴社の人事に転職し、将来的には責任者を目指したい
【年収アップのため】
・現在の給与では今後に不安があるため、より高い年収を得られる貴社の人事職に応募した
・人事でも成果を挙げれば出世しやすいため、年収アップを目指したい
【チャレンジしたい業務があるため】
・海外支店の人材管理などにもチャレンジできる貴社の求人に魅力を感じた
・ITツールやAIなど先端技術を積極的に活用している貴社の方針に共感した
このように、できるだけポジティブな転職理由を伝えた方が面接官から評価されやすいです。逆に下記のようなネガティブ過ぎる転職理由は、面接官から敬遠されやすいため基本的には伝えないことをおすすめします。
・職場の人とうまくコミュニケーションが取れず、会社に居づらくなって退職した
・会社で評価されず給料が上がらないため転職したいと思った
転職理由をブラッシュアップしたい方は、転職エージェント「coachee人事シェア」を活用するのもおすすめです。元人事が、あなたの人事への転職活動をサポートいたします。
【例文あり】キャリアチェンジで人事へ転職する場合の志望動機・転職理由
未経験から人事の仕事にチャレンジする場合、どのような志望動機や転職理由を伝えるべきか、例文をご紹介します。
私は営業職に8年ほど従事し、新規・既存顧客の営業を行いながら10人ほどの営業チームのマネジメントも行っていました。顧客の好みや相性をもとに営業のアプローチを変えたら営業成績が向上。またメンバー一人ひとりの強みを活かせるチーム作りを行ったところ、他のチームと比較して営業成績が2倍になりました。これらの経験から、仕事で成果を挙げるには相手の特徴を意識した仕事の進め方が大切だと実感しました。これらの経験を貴社の人事の仕事にも活かし、生産性が高く一人ひとりが活躍できる組織の構築に貢献していきたいと思います。 |
【例文あり】人事経験者から他社人事への志望動機・転職理由
次は、人事の経験がある人がキャリアアップで他社の人事職に応募する場合の志望動機および転職理由を見ていきましょう。
IT企業の人事職として7年の業務経験があります。前職では海外支店も多く、海外支店とのやりとりや海外人材の活用など、多様な背景を持つ人材を適材適所に配置できるよう人事・労務管理を担当していました。時差の影響から長時間労働になりがちでしたが、労務管理システムの導入を行ったり出勤時間を部署内でずらすよう勤務体系の改善を提案したりした結果、生産性を落とさず残業時間の20%削減に成功しました。貴社は今後、海外進出を積極的に進めていくと拝見し、私のこれまでの経験を活かせると考えています。効率的に業務を行えるよう常に改善提案を行い、御社の成長に貢献していきたいと思い応募させていただきました。 |
人事に向いている人の特徴
人事にはどのような人が向いているのかご紹介します。
- コミュニケーション能力がある
- 企画の立案・プレゼン能力がある
- スケジュール管理能力がある
- 人事・採用関係の法律知識がある
コミュニケーション能力がある
人事部内で話し合って企画を立てたり仕事をすすめたりする必要があるため、人事にはコミュニケーション能力が必須です。時には他部署と連携したり会社全体を巻き込んだりして施策をすすめることもあります。
人材採用では面接官を行うこともあるため、コミュニケーション能力が低いと仕事になりません。
企画の立案・プレゼン能力がある
人事制度の見直しや改善を行う場合、上司や経営陣に改善案を説明する必要があります。そのため企画力やプレゼンテーション能力が、人事には求められます。
将来的に出世を狙うなら、なくてはならない能力です。
スケジュール管理能力がある
人事は労務、採用など複数のプロジェクトを担当することが多いです。そのため、作業漏れを発生させないためにもスケジュール管理能力は必須です。
予定がダブルブッキングしていたり、自分のミスで担当しているプロジェクトが1つでも遅れたりすると、会社の人事業務に大きな支障が出てしまいかねません。
人事・採用関係の法律知識がある
人材を採用したり会社の人事制度を立案および運用したりする場合、法律に引っかからないよう行う必要があります。人事として活躍するなら、実務で押さえておくべき最低限の法律知識は身につけておきたいところです。
未経験からチャレンジする場合、勉強していることを伝えたり、入社後に吸収する姿勢をアピールしたりすることをおすすめします。
未経験から人事へのキャリアチェンジで注意すべきポイント
最後に、未経験から人事へ転職する際に注意したいポイントを紹介します。
- 仕事内容や求められるスキルは把握しておく
- 人事として活かせる経験やスキルを洗い出す
- 転職理由や志望動機を深掘りする
- 人事に転職できた後の目標を明確にする
- 転職活動に時間がかかることを覚悟する
仕事内容や求められるスキルは把握しておく
できるだけ転職活動をはじめる前に人事の仕事内容や求められる能力は押さえておきましょう。
人事への転職を希望しているにもかかわらず「仕事内容や求められる能力が分からない」では採用されません。人事の仕事内容について理解し、自分がどう活躍できそうか事前に考えることが大切です。
関連記事:人事に必要なスキルや資格はある?向いている人の特徴とあわせて解説
人事として活かせる経験やスキルを洗い出す
人事の仕事で、自分の持っている経験やスキルを活かせないか考えてみましょう。
中途採用は「即戦力になるかどうか」が重視されるため、未経験者は不利になりやすいです。しかし別の職種からのキャリアチェンジでも、チームワークや交渉力、コミュニケーション能力など、前職の経験を活かせる部分はあるはずです。
過去の仕事で得た経験は何か洗い出し、それらをどう人事で活かせそうか考えておきましょう。
転職理由や志望動機を深掘りする
なぜ人事を志望するのか、転職理由や志望動機を深掘りして考えておきましょう。
特に未経験からキャリアチェンジする場合「なぜ現職や現在の職種を続けないのか」と深掘りして質問されやすいです。深掘りした質問をされても納得感のある回答ができるよう、転職理由や志望動機を事前に練っておくことが大切です。
人事に転職できた後の目標を明確にする
人事に転職できた後の目標を決めておくことも大切です。人事として内定するのは、スタートラインに立っただけです。入社後に人事として活躍できて、はじめて「転職に成功した」といえます。
人事として入社後どのようなことをしたいのか考えておくことは、面接対策だけでなく入社後の目標設定にも役立つものです。転職活動をはじめる際に、志望動機や転職理由とあわせて考えておきましょう。
転職活動に時間がかかることを覚悟する
しっかり転職活動に向けた準備を行ったとしても、未経験から人事に転職するのは簡単ではありません。基本的に経験者が優遇されるのはもちろん、接客や営業といった他の職種と比べて求人数が少ないのも大きな要因です。
転職活動は数ヶ月以上、場合によっては年単位で時間がかかる恐れがあることを覚悟しておきましょう。
転職理由と志望動機を整理して人事への転職を成功させよう
本記事では人事への転職理由について解説しました。経験の有無を問わず、人事への転職理由をうまく説明できないと内定獲得には至りにくいです。本記事で紹介した内容を参考に、人事への転職理由を深掘りして考えてみましょう。
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