「新入社員の離職を防止したい」
「具体的な新入社員の離職防止策を知りたい」
このようにお悩みの人事担当者の方もいるのではないでしょうか?
会社を短期間で離職する人は、以前から一定の割合で存在します。しかし新人がすぐに辞めてしまうと、採用にかけたコストを回収できず、企業としては大きな損失です。
そこで本記事は、新入社員の離職を防止するための具体的な施策やおすすめサービス、社員の離職防止に取り組むべき理由、新卒が離職してしまう主な理由についてご紹介します。本記事を読むことで、新入社員が離職する理由や防止策に対する理解が深まり、離職率の低減に役立つはずです。ぜひ最後までお読みください。
ただし、ここで紹介している施策はあくまで一般的なものです。実際の離職理由や具体的な離職防止策はケースバイケースとなるため、可能であれば人事のプロ人材に相談するのがおすすめです。よければ人事・採用のプロ人材が多数登録している副業(複業)人材マッチングプラットフォームのcoachee人事シェアの活用をご検討ください。
新入社員の離職防止に貢献する施策
新入社員の離職を防止するにはどのような施策があるのか紹介します。自社で取り入れやすい施策から取り入れてみましょう。
- 採用選考の段階で価値観をすり合わせる
- 採用面接のクオリティを上げる
- 入社後のフォロー体制を充実させる
- 働きやすい環境を整える
- 福利厚生を充実させる
- 定期的に面談を行う
採用選考の段階で価値観をすり合わせる
新入社員の早期離職を防止するには、採用段階で「自社に馴染めそうな人材か」といった点を見極めることが大切です。採用面接の段階で優秀そうに見える人でも、いざ入社してみると社風に馴染めず仕事で活躍できなかったり、最悪の場合は早期離職してしまったりする人もいます。
また、仕事内容について認識のズレがあり「思っていた仕事と違った」と、入社後すぐに離職してしまう人も存在します。
採用段階でどのような人か見極めたり、自社に合いそうな人柄かどうか確認したりすることが大切です。たとえば面接の精度を上げたり、インターンシップを活用して事前に採用候補者と価値観をすり合わせたりする、といった方法が挙げられます。
近年は、インターンシップが採用に直結する「採用直結型インターンシップ」という仕組みもあります。詳しくは下記から過去記事をご確認ください。
関連記事:【2025年卒解禁】採用直結型インターンシップとは?企業のメリットや設計方法を解説
採用面接のクオリティを上げる
新入社員の早期離職を防ぐには、採用面接のクオリティを上げてより自社にマッチする人材を採用することが大切です。
「有名大学を卒業しているから」
「過去の経歴が優秀そうだから」
「なんとなく人当たりが良さそうだったから」
このような理由で採用を決めてしまうと、採用ミスマッチが発生しかねません。対処法としては、質問内容や採用基準を統一して面接官ごとの判断のバラつきを防いだり、求職者の特徴や性格をより高い精度で見極めたりすることが重要です。
関連記事:【面接官向け】採用面接で役立つ質問集49選!状況別の質問や見極め方を解説
入社後のフォロー体制を充実させる
入社後のフォロー体制を充実させることも、新入社員の早期離職の防止に役立ちます。
入社して間もない頃は右も左も分からず、不安を抱えている人が多いです。そこで会社として、いつでも相談できる人を用意するなど、フォロー体制を充実させることが大切になります。
たとえばメンター制度を導入したりランチミーティングを実施したりするなど、丁寧にコミュニケーションを取る機会を増やすことが重要です。このように、社員が会社や仕事内容に早く馴染めるように行う取り組みを「オンボーディング」と呼びます。詳しくは下記記事を参考にしてみてください。
関連記事:【保存版】オンボーディングの成功事例10選!施策のポイントや実施の流れを解説
働きやすい環境を整える
社員が働きやすい環境を整えることも、新入社員の早期離職防止に役立ちます。
たとえば長時間労働が当たり前になっていたり柔軟な働き方ができなかったりすると、新入社員は「働きにくい」と感じてしまい、すぐに離職してしまいかねません。そもそも新入社員でなくても、働きにくい環境では転職を検討する人が増えるはずです。
対処法としては、フレックスタイム制度の導入やリモートワークの導入、有給休暇の取得促進など、働きやすい環境を実現できるような制度の導入を検討してみましょう。
福利厚生を充実させる
新入社員の離職を防止するには、福利厚生を充実させるのもおすすめです。
たとえば、独自の休暇制度を設けたり社食を設置して食費を抑えられるようにしたりすることが挙げられます。休みやすくなったり可処分所得が増えたりするような福利厚生が充実すれば、自社で働くことに対する満足度も向上し、社員の離職率を低減できるはずです。
働きやすい環境の整備の一環として、福利厚生の充実に取り組んでみてはいかがでしょうか。
関連記事:【2024年版】福利厚生トレンド6選!最新動向や見直し方、企業事例も解説
定期的に面談を行う
新入社員と定期的にコミュニケーションを取ることも、早期離職の予防に役立ちます。
入社したばかりだと、周りの社員とコミュニケーションを取るきっかけがなかなか掴めず、人によっては孤立してしまう場合もあるでしょう。そのため、定期的に面談や1on1、ランチミーティングを行うなど、早く会社に馴染めるようフォローを行いましょう。
新入社員に限らず、人間関係を理由に離職してしまう人は多いです。この機会に、風通しの良い職場の実現を目指してみましょう。
新入社員の離職防止策を充実させるならプロ人材に相談するのもおすすめ
「新入社員の離職率を本気で低減したい」
「社内で議論しても良い離職防止策がでてこない」
このような考えや課題をお持ちの方は、この機会に人事・採用に精通したプロ人材へ相談してみてはいかがでしょうか?
社外の専門家から意見を聞くことで、社内ではでてこないようなアイデアが生まれたり、自社にはないノウハウを活用できたりする可能性があります。これにより、より効果的に新入社員の離職防止策を実施しやすくなります。
人事・採用領域に精通したプロ人材をお探しの方は、この機会に副業(複業)人材のマッチングプラットフォーム「coachee人事シェア」を活用してみませんか?単発での相談はもちろん、中長期的な仕事の依頼も可能です。ぜひ下記から、coachee人事シェアのサービス概要をご確認ください。
入社3年以内の離職率
「一般的に新入社員はどれくらいの割合で会社を辞めるのだろうか」と疑問を持っている方もいるでしょう。実は、厚生労働省は定期的に「新規学卒就職者の3年以内離職率」を公開しているのです。
たとえば記事執筆時点(令和7年4月)では、令和3年(2021年)3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況データが公開されています。これによると、大卒の場合は3年以内に34.9%の新入社員が会社を辞めていることが分かります。
平成21年(2009年)だと大卒の新入社員の離職率は28.8%で、その後は年によって若干前後しますが、全体的に横ばい〜微増傾向です。
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します|厚生労働省
また記事執筆時点では「新入社員が退職代行を使って会社を辞めた」というニュースを見聞きします。このように、新入社員が会社を短期間で辞めることは、いまや当たり前のこととなりつつあるのです。
新入社員の離職防止に取り組むべき理由
続いて、そもそもなぜ新入社員の離職防止に取り組むべきなのか、その理由をご紹介します。
- 採用・教育にかかったコストが無駄になるから
- 既存社員のモチベーション低下につながるから
- レピュテーションリスクが高まるから
- 追加人材の確保にコストがかかるから
- 追加人材を確保できない間は既存社員の負担が高まるから
採用・教育にかかったコストが無駄になるから
新入社員がすぐに離職してしまうと、採用や教育にかかったコストがすべて無駄になってしまいます。具体的には、下記のようなコストです。
- 求人サイトに自社の求人を出稿した費用
- 採用担当者の人件費
- 社会保険の加入や離脱の手続き
- 備品代 など
これらがすべて無駄になるため、企業としても新入社員の早期離職による被害は決して少なくないです。
既存社員のモチベーション低下につながるから
新入社員の早期離職が相次ぐと、既存社員のモチベーション低下につながるリスクが高まります。
「うちの会社、また新人が辞めた」と社内で噂になってしまい、働くことに対するモチベーションが下がってしまいかねません。また「自分も転職しようかな?」と、さらなる人材流出を招くリスクも高まります。
関連記事:【実践ガイド】従業員エンゲージメント向上施策9選!事例や導入手順を解説
レピュテーションリスクが高まるから
レピュテーションリスクとは、企業やサービスに対するネガティブな評判のことです。
「あの会社から短期離職者がでた」「働きにくい会社だった」「ブラック企業では?」といった口コミが広まると、企業活動に悪影響を及ぼすリスクが高まります。
特に現代は、ネットの掲示板やSNSで、会社に対する悪評が広まりやすい時代です。評判が悪いと、人材採用で苦戦するだけでなく、取引先との信頼関係にも悪影響が発生してしまいかねません。
追加人材の確保にコストがかかるから
早期離職してしまった新入社員の代わりとなる人材を採用する必要があるため、再び採用関係のコストが発生します。
転職サイトに求人を掲載したり応募者と面接を行ったりするなど、手間と時間、お金がかかります。
追加人材を確保できない間は既存社員の負担が高まるから
追加で人材を募集しても、すぐに良い人材を採用できるとは限りません。その間、新入社員に任せるはずだった業務を他の誰かがフォローする必要があり、別の社員に負担をかけてしまいます。
この状態が長く続いてしまうと既存社員の不満も高まってしまい、さらに人材の離職が加速してしまいかねません。このように採用で失敗すると、既存社員の労務管理にも悪影響を及ぼすのです。
関連記事:労務管理とは?仕事内容や勤怠管理・人事管理との違いを簡単に紹介
新入社員が離職してしまう理由
最後に、新入社員が離職を考えてしまう主な理由をご紹介します。
- 希望していた部署に配属されなかったから
- 長時間労働に嫌気が差したから
- 仕事内容が辛くて耐えられなかったから
- 職場の人間関係に馴染めなかったから
- 社風が合わなかったから
- 理想と現実のギャップが大きかったから
希望していた部署に配属されなかったから
近年では職種別採用を実施する企業もありますが、特に大卒人材であれば「総合職」として、入社後に配属先を決める企業は多いです。しかし、入社後に希望していた部署に配属されず、すぐに離職を検討してしまう人も存在するのです。
「経理として働きたかったが営業職になってしまった」
「企画やマーケティングをしたかったが飛び込み営業になってしまった」
このように、希望していた部署や仕事に就けず、モチベーションの低下から立ち直れずに退職してしまう人もいます。
長時間労働に嫌気が差したから
「入社前に聞いていたよりも残業時間が多かった」
「早出出勤を事実上強要されているのに残業時間にカウントされなかった」
このように、長時間労働に嫌気がさして退職してしまう人もいます。ある程度の残業はどのような仕事でも発生するものです。しかし残業時間が長すぎると、特に新入社員は耐えきれずに早期離職してしまうでしょう。
仕事内容が辛くて耐えられなかったから
新入社員にいきなり仕事を任せすぎてしまうと、耐えきれずに辛くなって辞めてしまう人もいます。
既存の社員にとってはすぐ対応できる仕事でも、いきなり新入社員に仕事を振ってしまうと対応しきれない場合があります。その結果、「自分はこんな仕事もできない」「会社に行くのが辛い」と感じてしまい、辞めてしまう人もいるのです。
職場の人間関係に馴染めなかったから
「上司とうまくいかない」「同期と仲が良くない」といった理由から、職場で働くことに居心地の悪さを感じてしまい退職してしまう人もいます。
入社したばかりで人間関係の不満を誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまい早期離職してしまうのです。
社風が合わなかったから
希望していた会社に入社できたにもかかわらず「なんとなく周囲の人と会わない」「会社の社風や雰囲気に馴染めない」といった理由から居心地の悪さを感じてしまい、退職してしまう人もいます。
いくら優秀な人でも、社風に合わないと本来の実力を発揮できません。その結果、周りから評価されずに肩身の狭い思いをしてしまい、早期離職してしまう人もいるのです。
理想と現実のギャップが大きかったから
理想と現実の乖離が大きいのも、新入社員が離職してしまう要因となります。
入社前は「バリバリ働いていこう」「職場の人とうまくやっていこう」といった目標を持っている人もいるでしょう。しかし、いざ入社してみるとなかなかうまくいかず、理想と現実のギャップに打ちのめされてしまい、そのまま立ち直れずに退職してしまう人もいます。
新入社員の離職防止策を実施してミスマッチを防ごう
本記事では新入社員の離職防止策を中心に、社員が離職する理由や離職防止に取り組むべき理由などを解説しました。
新入社員が短期離職してしまうと採用にかけたコストを回収できず、企業側としては大きな損失を被ってしまいます。新入社員が離職してしまう理由を冷静に見極めて、適切な離職防止策を実施しましょう。
より精度の高い離職防止策を行うなら、外部のプロ人材の知見を活用するのもおすすめです。coachee人事シェアには、人事・採用に特化したプロ人材が多数登録しています。人事に精通したプロの意見を参考にすることで、より良い離職防止策を実施できるはずです。ぜひ下記から、coachee人事シェアのサービス概要をご確認ください。