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【事例あり】介護業界における採用戦略の立て方6選!課題や採用手法も解説

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coachee 広報チーム
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「介護業界における採用戦略の立て方が知りたい」

「採用活動を開始しているけど、人が集まらず採用がうまくいかない」

このように考えていませんか?採用戦略を立案する際に、どのような流れで進めれば良いかに悩む方も多いでしょう。

そこで本記事では、介護業界における採用戦略の立て方を解説します。

介護業界の採用課題を解説しつつ、採用戦略の7つの手法や成功事例も説明しているため、人材を確保できず人手不足に悩んでいる方は参考にしてみてください。

介護業界における採用課題とは?採用が難しい理由や現状も解説

介護業界の採用は、近年厳しい状況が続いています。本項では、介護業界の採用が難しい理由や現状について以下の2点を解説します。

  • 人が集まりづらい
  • ネガティブなイメージがある

介護業界の採用課題を理解して、採用戦略を立てる際の参考にしましょう。

人が集まりづらい

厚生労働省によると、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要だと予測されています*。しかし、2022年度時点の介護職員数は約215万人にとどまっています。現状のペースでは、必要とされる介護職員数を確保するのは困難な状況です。

また、介護職の有効求人倍率を見てみると、令和3年時点で3.65倍となっています。全職種と比べると、3倍以上もの差をつけて高い数値を示しており、人材確保の競争が激しいことがわかります。

*出典:介護人材確保に向けた取組|厚生労働省

*出典:図表1-2-39 有効求人倍率(介護関係職種)の推移(暦年別)|厚生労働省

ネガティブなイメージがある

介護職への就業をためらう理由として「体力的にきつい」「精神的にきつい」「給料が低い」などのネガティブなイメージが挙げられます。実際にアンケート調査でも、介護職非従事者の49.8%が「体力的にきつい仕事の多い業界だと思うから」、また41.8%が「精神的にきつい仕事の多い業界だと思うから」を就業をためらう主な理由として回答しています*。

一方で「介護技術の進化によって腰などを痛めず、身体負荷をかけずに生涯働ける環境になっていること」はほとんど認知されていないという調査もあります(13.6%)。さらに、介護職の離職率は13.1%と、全産業平均の15.0%を下回っており、一般的なイメージと異なり高いとは言えません。

つまり、介護職へのネガティブなイメージの多くは現実と異なると言え、誤ったイメージを払拭できれば、就労意欲を促せる可能性があります。

*出典:離職率はホントに高い? 働く実態とイメージにかい離|株式会社リクルートキャリア

介護業界において採用戦略を立てるときの6つの流れ

採用戦略を立てるにあたって、介護業界特有の状況を踏まえながら慎重に進めていくことが重要です。本項では、介護業界における採用戦略の立て方を6つのステップで解説します。

  • 現場の従業員の声を聞き採用ニーズを把握する
  • 採用ペルソナを立てる
  • 採用コストを算出する
  • 介護業界と自社の強みを洗い出し採用ブランディングを行う
  • 採用戦略を立てる
  • 採用手法を検討する

採用戦略を立てる際は、本項で紹介する6つの流れを意識しましょう。

1.現場の従業員の声を聞き採用ニーズを把握する

採用戦略を立てる際は、現場で働く従業員の声に耳を傾けましょう。入職後の離職を防ぐためにも、現場のスタッフが求めている人材像を的確に把握しておく必要があります。

「成長意欲のある人材」「○○の資格を持っている人材」、「○○の業務実績がある人」など、どのような人材が必要とされているのかを確認しましょう。

2.採用ペルソナを立てる

次に、採用したい人物像を具体的に想定しましょう。現場の声を踏まえたうえで、次は採用ペルソナを設定します。下記の要素を洗い出し、できるだけ詳細にペルソナを描き出しましょう。

  • 年齢
  • 性別
  • 学歴
  • 経歴
  • 保有資格
  • 趣味
  • 家族構成 など

明確な採用ペルソナにより、求人票の作成やインタビューがスムーズに進められます。

3.採用コストを算出する

採用にかかるコストを事前に算出しておくことも欠かせません。採用コストには、事業所の人件費からなる内部コストと、外部に支払う費用である外部コストの2種類があります。

内部コストは面接担当者などの人件費を、外部コストは求人広告費や人材紹介の成功報酬などを計算します。

内部コストと外部コストの合計が総採用コストとなり、これを採用人数で割ると1人あたりの採用コストが算出可能です。費用対効果を意識した採用戦略を立てるためにも、コストを把握しましょう。

4.介護業界と自社の強みを洗い出し採用ブランディングを行う

コストを算出したら、介護業界と自社の強みを整理し、採用ブランディングを行います。介護業界にはマイナスイメージがつきまとう一方で、やりがいを感じられる仕事である点も事実です。

そこで自社の魅力を再確認し、優秀な人材を惹きつけるための採用ブランディング戦略を練ります。キャッチコピーなどを活用しながら、介護のイメージアップを図るとともに自社で働くメリットを訴求していきましょう。

5.採用戦略を立てる

現場のニーズや採用ペルソナ、コスト、ブランディングなどを踏まえたうえで、採用戦略を立案します。例えば、未経験者を積極的に受け入れるのか、ある程度の経験者に絞って採用するのかを決定します。また、採用期間の設定も大切です。

計画的に採用を進めるためにも、一定の期間内に必要な人材を確保できるようにスケジューリングしましょう。自社の状況に合わせて、最適な採用戦略を描いていきます。

6.採用手法を検討する

採用手法は、一般的な求人サイトや人材紹介会社の活用はもちろん、最近ではSNSを活用したソーシャルリクルーティングも注目されています。また社員からの紹介であるリファラル採用も有効な手段の一つです。

それぞれの採用手法にはメリットとデメリットがあるため、自社の採用課題や予算などを考慮しながら最適な組み合わせを選択しましょう。競合他社の動向なども参考にしつつ、自社に合った採用手法を見極めていきましょう。

介護業界における採用戦略の手法7選

介護業界の採用戦略の手法は以下の7つです。

  • 求人サイトを活用する
  • 有資格者を採用する
  • 人材紹介サービス・ハローワークを活用する
  • SNSを活用して採用する
  • 採用オウンドメディアを運用する
  • 企業・合同説明会を実施・参加する
  • インターンシップを開催する

本項で紹介する7つの手法の中から自社に合った手法を選び実践して、採用の成功率を高めていきましょう。

1.求人サイトを活用する

介護士の採用では、求人サイトの活用は一般的な手法の一つです。幅広い層から応募を集めたい場合や、大量採用が必要なときは、求人サイトを効果的に活用するのがおすすめです。

求人サイトの費用は、基本的に採用人数に関係なく、広告費のみが発生します。そのため、人材派遣や人材紹介とは異なり、複数人を採用してもコストが大きくかさみません。まずは求人サイトを活用し、応募者を増やすことから始めてみるのも一つの手です。

2.有資格者を採用する

介護業界で即戦力となる人材を採用したい場合は、有資格者に焦点を当てるのが効果的です。地域の専門学校や大学と連携し、卒業生の名簿などを活用することで、対象となる人材へ効率的なアプローチが可能です。

有資格者を採用するメリットは、教育コストを削減でき、即戦力として活躍してもらえる点にあります。一方で、有資格者の採用は競争が激しいため、魅力的な条件を提示する工夫が必要です。給与や福利厚生の充実、キャリアアップ支援など、他社との差別化を図りましょう。

3.人材紹介サービス・ハローワークを活用する

人材紹介サービスを利用すれば、自社の求める条件に合った人材を紹介してもらえます。中には、応募者が実際に入職した場合にのみ料金が発生する完全成功報酬型のサービスもあるので、採用コストを抑えたい企業に適しています。

また、ハローワークは無料で利用できる公的機関の求人サービスです。地域密着型の求人情報を得られるため、地元で働きたい人材の採用に効果的です。

4.SNSを活用して採用する

FacebookやInstagramなどのSNSを活用し、法人や施設の魅力を発信するのも効果的な採用手法の一つです。親しみやすい表現で仕事の内容や魅力を伝えると、潜在的な求職者の興味を引けるでしょう。

SNSを通じて、実際に働いている職員の声や日常の様子を発信するのもおすすめです。リアルな職場の雰囲気を伝えることで、入職後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。また、介護に関する有益な情報を発信し、フォロワーを増やすと、介護に興味のある層にリーチし、採用につなげられます。

5.採用オウンドメディアを運用する

自社のWebサイトに採用に特化したページやブログを設置し、求職者に向けて事業所の理念や働き方を詳しく情報発信するのも一つの手です。現場で働く職員のインタビューや1日のスケジュールなどを紹介することで、求職者が具体的な仕事内容をイメージしやすくなり、応募につながります。

また、定期的に記事を更新し、SEO対策(自社サイトを検索エンジンで上位表示させるための施策)を行うことで検索エンジンからの流入を増やせます。長期的な視点で採用活動ができ、採用コストの削減にもつながるでしょう。

6.企業・合同説明会を実施・参加する

自社で企業説明会を開催したり、合同説明会に参加したりすると、直接求職者と接点を持てます。説明会では、求職者の疑問や不安に直接答えられるため、信頼関係を築きやすいメリットがあります。

説明会では、施設長が理念を説明し、若手の従業員が業務内容を話すなど、参加者が理解しやすい工夫をするとよいでしょう。また、説明会後にはフォローアップも行ってください。

7.インターンシップを開催する

学生や未経験者向けにインターンシップを実施し、実際の業務を体験してもらうのも効果的な採用手法です。介護の仕事に対する理解を深めてもらうことで、将来的な採用につなげられます。

インターンシップでは、介護の技術だけでなく、職場の雰囲気や理念も伝えましょう。参加者が自分に合った職場かどうかを判断しやすくなり、入職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。インターンシップは、求職者との接点を持つ貴重な機会ととらえ、積極的に活用していきましょう。

【採用戦略策定に役立つ】介護士が働く際に企業に求めること

ekaigowithで行われたアンケート調査では、回答者の25.6%が給料を重視すると答えました。

給料の次に多かったのが職場の雰囲気で、24.8%の人が職場環境を大切にしています。つまり、介護士の約半数が給料か職場の雰囲気のどちらかを重視して就職先を決めています。

しかし、介護士が企業に求めるものは待遇面だけではありません。スタッフ間の人間関係や利用者・家族との関わり方なども、就職先を選ぶうえで重要な判断材料となっているようです。

加えて、慢性的な人手不足に悩む介護業界では、一人ひとりの仕事量や負担が大きくなりがちです。だからこそ、適正な人員配置がなされているかどうかも、就職先選びの際の重要なポイントになるでしょう。

介護士の確保・定着を目指す企業は、職場環境の整備に力を注ぐとともに、スタッフ間や多職種との連携がスムーズに行える体制づくりを進めてください。給料などの待遇面の充実はもちろん、やりがいを感じられる職場環境を整えると、介護士から選ばれる企業になれるはずです。

出典:アンケート結果報告『介護業界で勤め先を決める際、最も重視するポイントは?』|ekaigowith

介護業界の採用戦略・人材確保の成功事例2選

本項では、介護業界の採用戦略や人材確保の成功事例を紹介します。成功事例は以下の2つです。

  • 社会福祉法人南山城学園
  • みねやま福祉会

それぞれの成功事例を参考にして、人材確保につなげましょう。

1.社会福祉法人南山城学園

社会福祉法人南山城学園では、2014年に法人内の入職10年未満の若手職員25名を集め、魅力発信チームを結成しました。メンバーは法人内の各施設から、福祉系学科出身者だけでなく、さまざまな属性の職員を集めることで多様性を確保しています。活動内容は就職説明会や座談会への参加、大学での講演、映像制作、内定者フォローなど多岐にわたります。

企画広報課で活動内容をある程度固めたうえで、実際の発信は若手職員が担当することで、若手職員のモチベーションを高めつつ、法人としての統一感のあるメッセージの発信に成功しました。

この取り組みにより、応募者の質が向上し、法人の方向性に共感した学生の応募が増加しています。さらに、入職後のミスマッチも減少し、定着率の向上にもつながっています。

参考:新卒採用の質が向上!求める人材確保につながる魅力発信チームの活動とは-社会福祉法人南山城学園|レバウェル介護

2.みねやま福祉会

社会福祉法人みねやま福祉会は、京都府北部の丹後地域に位置する社会福祉法人です。2015年に公立保育所の民間運営委託を受ける際、新たに30名の人員が必要になったことをきっかけに、採用活動の強化に乗り出しました。

立地によるハンデを解消するために、丹後地域への移住支援事業をする事業所と連携し「魅力的な職場があり、地域も魅力的」という発信を行うことで、UIターン者の採用を促進しています。また、若手職員の発信力を高めるために、採用強化チームを結成し、合同就職説明会での企画運営やホームページ、パンフレット、SNSのコンテンツの刷新などを行いました。

その結果、2015年に4人だった合同就職説明会のブースの来訪者が、2017年には250人に増加するなど、大きな成果を上げています。

参考:たった2年間で集客数62倍に 地域のハンデに負けない採用マーケティングの極意-みねやま福祉会-|レバウェル介護

介護採用戦略策定に役立つコンサルティングサービス3選

介護業界の採用戦略の策定は、人材不足の深刻化により早急に解決すべき課題となっています。本項では、介護事業者の採用戦略立案を支援してくれるコンサルティングサービスを3つ紹介します。

  • coachee人事シェア
  • 株式会社Blanket
  • デジメーション株式会社

以下の項で詳しく説明します。

1.coachee人事シェア

coachee人事シェアは、介護業界における採用戦略の策定支援を行います。採用ターゲットの要件定義から、具体的な採用手法の提案、採用体制の構築まで、トータルでサポートしてくれる強みがあります。

特徴は、厳しい審査を通過したプロ人材のみを紹介している点です企業の事業状況に応じて、最適な人材を柔軟に選択できるため、高いパフォーマンスを発揮してもらいやすいでしょう。また、まずは人事課題のヒアリングから始められるので、自社の課題に即した解決策を考えられます。

介護業界の採用戦略なら、ぜひcoachee人事シェアをチェックしてみてください。

2.株式会社Blanket

株式会社Blanketは、介護・福祉事業所が抱える採用の本質的な課題解決に注力しているコンサルティング会社です。

強みは、介護・福祉業界に精通したメンバーによる伴走型のサポートです。採用ターゲットの設定から、求人情報の出し方、求職者へのアプローチ方法など、多岐にわたるアドバイスを提供してくれます。

また、新卒採用で福祉系以外の学生にアプローチする際のコツや、定着率の高い人材の採用方法、オープニングスタッフの募集ノウハウなど、さまざまな場面で役立つ情報を得られます。

3.デジメーション株式会社

デジメーション株式会社は、介護・医療施設の運営経験を持つコンサルタントが在籍している会社です。単なる採用支援だけでなく、人が辞めない組織づくりや評価基準の構築など、組織の基盤を強化する提案もしてくれます。

採用に関する現状分析や競合他社のリサーチから始まり、課題の見直し、具体的な採用戦略の立案、求人サイトの制作まで、一気通貫でサポートしてくれるのが特徴です。

介護業界における採用戦略を策定して採用課題を解決しよう

採用戦略を立てる際は、人手不足など介護業界特有の状況を踏まえながら慎重に進めることが大切です。現場で働く従業員の声に耳を傾け、現場のスタッフが求めている人材像を的確に把握しておきましょう。

また、求人サイトや人材紹介サービスなど多様な採用戦略手法の中から適した手段を活用することで、採用の成功率を高められます。本記事の内容を活かして、採用戦略の立案を成功させましょう。

「coachee人事シェア」は、介護業界においても採用戦略の策定支援を行っています。

厳しい審査を通過したプロ人材のみを紹介しているため、安心して依頼できます。採用ターゲットの要件定義や採用体制の構築まで、依頼できる業務は多種多様です。

気になる方は、下記のダウンロード資料を確認して、利用するかどうかを検討してみてください。

記事を書いた人
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coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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