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組織風土改革とは?進め方5ステップと失敗する5つの原因・企業事例を解説

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coachee 広報チーム
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「制度を変えても、現場の空気がまったく変わらない」
「社員アンケートの結果は毎年同じ課題が並ぶだけで、改善が進まない」
「経営陣が号令をかけても、いつのまにか元に戻ってしまう」

組織風土改革に取り組む人事担当者の方から、このような声をよく聞きます。

組織風土は、制度や組織図のように書き換えれば済むものではありません。日々のやり取りのなかで積み上がってきたものだからこそ、変えるには順序と時間が必要になります。

本記事では、組織風土改革の定義と組織文化との違いから、必要とされる背景・進め方5ステップ・失敗する5つの原因・企業事例・測定方法まで、人事担当者の方に向けて解説します。

この記事でわかること

  • 組織風土と組織文化の違い、改革が「可能な」理由
  • 公的統計で裏づけられた、組織風土改革が必要とされる背景
  • 進め方5ステップと、失敗を避けるための具体的な条件

組織風土改革とは?組織文化との違いをわかりやすく解説

組織風土と組織文化の違いを、定義・観察のしやすさ・変えやすさ・人事の打ち手の4観点で比較した表

組織風土改革とは、社員が日々の職場で感じ取っている「働きやすさ」「発言のしやすさ」「評価のされ方」といった環境の特性を、意図的に測定し、修正していく取り組みを指します。

組織風土(organizational climate)は、Litwin & Stringer(リトウィン&ストリンガー)によって「仕事環境で生活し、活動している人が、直接的にあるいは間接的に認知し、メンバーのモチベーションや行動に影響を及ぼすと考えられる一連の仕事環境の測定可能な特性」と定義されています。ポイントは「測定可能」という点にあります。

Litwin & Stringer(ジョージ・H・リトウィンとロバート・A・ストリンガー)は、ハーバード・ビジネス・スクール(ハーバード大学経営大学院)の研究者です。1968年の著書『Motivation and Organizational Climate(動機づけと組織風土)』で、それまで曖昧に語られていた”組織の雰囲気”を測定可能な概念として体系化し、組織風土研究の礎を築いた人物として知られています。

組織風土と組織文化はどう違うのか

組織文化(organizational culture)は、エドガー・シャインが提示した3つのレベル(人工物/信奉される価値観/基本的仮定)のうち、最も深い「基本的仮定」を中心に据えた概念です。当事者自身も意識していない前提であるため、外から観察しにくいという性質を持ちます。

両者の違いを整理すると、次のようになります。

観点組織風土(climate)組織文化(culture)
定義メンバーが認知する、測定可能な仕事環境の特性メンバー自身も無意識な、基本的仮定のパターン
観察のしやすさ表層的で、サーベイにより測定できる深層にあり、直接の観察が難しい
変えやすさ認知や問題点を顕在化・共有することで修正・改革が可能自然発生的に形成されるため、変更は硬直的
人事の打ち手サーベイ・対話・制度の連動による定点観測理念の再定義と、長期の行動変容

この違いを理解すると、なぜ組織風土から手をつけるべきかが見えてきます。組織風土は「メンバーの知覚や認知の特徴や問題点を顕在化させ、共有することで、修正・改革をしていくことは可能である」と整理されている一方、組織文化は「組織構成員の間で自然発生的に形成されるもの」であり、変更は迅速には行われないためです。

出典:日本大学大学院総合社会情報研究科紀要「組織風土の概念と組織風土改革」

なお、理念やバリューの側から組織を動かすアプローチについては、企業理念とは?ビジョンとの違い・形骸化させない作り方と浸透方法もあわせてご覧ください。

「風土の変革は難しい」という前提を持つ

一方で、Schneiderらは「風土は、多様な組織活動全般にわたりすでに優勢になっている状況を含んでいるため、組織風土を変革することは非常に難しい」とも指摘しています。難易度が低いわけではありません。だからこそ、後述する5ステップのように、測定と対話を組み合わせて進める必要があります。

組織風土改革が求められる4つの背景

なぜいま、多くの企業が組織風土改革に取り組んでいるのでしょうか。公的統計と制度動向から、4つの背景を整理します。

背景1|働きやすい職場が、継続就業を左右している

厚生労働省『令和7年版 労働経済の分析』によると、自社の職場を「働きやすい」と感じている労働者のうち、現在の企業で長く勤めることが望ましいと考える人の割合は約88%にのぼります。一方、「働きにくい」と感じているグループでは約39%にとどまりました。その差は約49ポイントです。

同白書は、働きにくさの要因として約68%が挙げた「慢性的な人手不足」に加えて、「職場で仕事上の相談ができる人がいない」「管理職層から働き方改革関連の発信がない」といったマネジメント面の課題も影響していると分析しています。

出典:厚生労働省「令和7年版 労働経済の分析」

背景2|職場の対人関係がストレス要因の上位にある

厚生労働省『令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)』では、現在の仕事や職業生活に関することで強い不安・悩み・ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者は68.3%でした。その内容の内訳を見ると、「仕事の量」43.2%、「仕事の失敗、責任の発生等」36.2%、「仕事の質」26.4%に続き、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」が26.1%を占めています。

なお同調査は、令和6年に設問形式が変更されているため、前回調査(82.7%)との単純比較はできない点に注意が必要です。

出典:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」

背景3|人間関係は離職理由の常連である

厚生労働省『令和6年 雇用動向調査』によると、令和6年の離職率は14.2%でした。転職入職者が前職を辞めた理由のうち「職場の人間関係が好ましくなかった」は、男性9.0%、女性11.7%となっています。女性では「その他の個人的理由」を除くと「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.8%に次ぐ水準で、年齢別に見ると女性19歳以下では34.0%に達しました。

離職理由の第1位ではないものの、上位に居座り続けている理由の一つといえるでしょう。

出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」

背景4|企業文化への定着が、人的資本経営の「視点」に位置づけられた

経済産業省『人材版伊藤レポート2.0』は、人的資本経営の3つの視点(3P)として「経営戦略と人材戦略の連動」「As is – To beギャップの定量把握」「企業文化への定着」を挙げています。組織風土・企業文化は、いまや情緒的なテーマではなく、経営戦略の実行条件として位置づけられているのです。

同レポートは「持続的な企業価値の向上につながる企業文化は、所与のものではなく、人材戦略の実行を通じて醸成されるものである」と明記しています。

出典:経済産業省「人材版伊藤レポート2.0」

さらに2026年3月23日には、内閣官房・金融庁・経済産業省が『人的資本可視化指針(改訂版)』を公表しました。同指針は、労働市場のステークホルダーが「労働環境が適切であるか」「企業風土が健全であるか」に強い関心を持つという調査結果を紹介しています。人的資本経営の全体像は人的資本経営とは?開示義務や実践手順・企業事例をわかりやすく解説で解説しています。

出典:内閣官房「人的資本可視化指針(改訂版)」


組織風土の課題は、採用の現場にもそのまま表れます。

  • 「面接で自社の魅力を語れる社員が限られている」
  • 「入社した人材が半年で辞めてしまい、採用が積み上がらない」
  • 「求人票では伝わらない社風を、どう候補者に届ければよいか分からない」

このような課題を抱える企業様には、coachee Agent Proがお役に立てます。coachee Agent Proは、企業と求職者の双方を同じリクルーティングコーチが担当する両面型支援のため、制度や条件だけでなく、実際の職場の空気感まで含めて候補者にお伝えできます。

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組織風土改革が必要な企業に見られる3つのサイン

自社に改革が必要かどうかを判断する材料として、現場に表れやすい3つのサインを紹介します。

  1. 離職が特定の部署に偏っている|全社の離職率が平均並みでも、部署単位で見ると突出している場合、その職場のマネジメントや関係性に原因がある可能性が高くなります。
  2. 会議で反対意見が出ない|異論が出ないのは合意ができている証拠とは限りません。発言のコストが高い風土では、懸念が共有されないまま意思決定が進みます。
  3. 施策が「やりっぱなし」で終わる|研修や制度を導入しても効果測定がなく、翌年には別の施策に置き換わっている場合、改革が定着する土台がまだできていません。

これらのサインは、いずれもサーベイと1on1の組み合わせで確認できます。対話の場づくりについては1on1ミーティングとは?注目されている背景や期待される効果などを解説を参考にしてください。

組織風土改革の進め方5ステップ

組織風土改革の進め方5ステップ(可視化・定義・現場巻き込み・制度連動・定点観測)を示したフロー図

組織風土改革は、思いつきの施策を積み重ねても定着しません。ここでは、公的資料と学術研究に共通する流れを5ステップに整理します。

  1. 現状をサーベイで可視化する
  2. 目指す風土を経営陣が定義する
  3. 現場を巻き込んで打ち手を決める
  4. 人事制度・評価と連動させる
  5. 定点観測して修正する

以下で、それぞれのステップを詳しく解説します。

ステップ1:現状をサーベイで可視化する

まず、いまの組織風土がどう認知されているかを数値で押さえます。組織風土は「測定可能な特性」と定義されているため、感覚論から始めないことが重要です。全社平均だけでなく、部署別・階層別・勤続年数別にクロス集計しておくと、後の打ち手が具体化しやすくなります。

ステップ2:目指す風土を経営陣が定義する

『人材版伊藤レポート2.0』は、企業文化への定着の第一歩として「経営陣・取締役会での議論」と「CEO・CHROによる議論の主導」を挙げています。人事部門だけで目指す姿を決めると、後の意思決定でひっくり返されるおそれがあります。ミッション・ビジョン・バリューとの接続についてはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?意味や企業事例、策定ステップが参考になるでしょう。

ステップ3:現場を巻き込んで打ち手を決める

ここが最も差がつく工程です。詳しくは後述しますが、「何を変えるか」をリーダーだけで決め、事務局が実行を管理する進め方は、ほぼすべてが失敗すると報告されています。現場のメンバー自身が問題点を把握し、変化の内容を形づくるプロセスを設計してください。

ステップ4:人事制度・評価と連動させる

『人材版伊藤レポート2.0』は、企業文化を社員の行動や姿勢に紐づける工夫として「経営陣・社員の人事制度と企業文化の連動」を挙げ、登用や報酬の判断軸に企業文化の要素を取り込むことを示しています。掲げた価値観が評価に反映されなければ、社員はそれを本気の方針とは受け取りません。評価制度の設計は【完全版】人事評価制度とは?2つの目的や種類・手法、実施までの流れを解説で解説しています。

ステップ5:定点観測して修正する

同レポートは「企業文化が職場で重視されているかをサーベイやヒアリング等により定点観測」することを推奨しています。年1回のサーベイに加え、四半期ごとのパルスサーベイを組み合わせると、施策の効果を早く確認できます。

なお同レポートは、企業文化への定着を「本質的に時間のかかる取組」であり、CEO・CHRO自らが当事者意識を持って「根気良く丹念に」進めるべきものと位置づけています。半期での成果を求めすぎない設計にしましょう。

組織風土改革に使える3つのフレームワーク

進め方を設計する際は、既存の変革理論を土台にすると議論がぶれにくくなります。代表的な3つを紹介します。

フレームワーク提唱者・出典概要
3段階モデルLewin(1947)解凍(unfreezing)→移行(moving)→再凍結(refreezing)の3段階で変革をとらえる
8段階プロセスKotter(1996)危機意識の醸成から始まり、最終段階を「新しい方法を企業文化に定着させる」と位置づける
ODの4象限Bushe & Nagaishi(2018)「誰が変える内容を決めるか」×「誰がプロセスを管理するか」で成否を整理する

Lewinの3段階モデルは、Kanter(1983)やKotter(1996)によって精緻化され、リーダーによる管理者行動のプロセスモデルとして普及しました。3者はいずれも「それまで構築してきた公式の組織構造を打破し、新たな計画や手法を導入し、変化を導いた後に、組織にその変化を定着させる」という点で共通しています。

出典:組織開発研究「組織メンバーの創発的行為形成に着目した組織変革のプロセスモデル」

Kotterの8段階プロセスは、①危機意識を高める ②変革推進のための連帯チームを築く ③ビジョンと戦略をうみだす ④変革のためのビジョンを周知徹底する ⑤人材の自発を促す ⑥短期的な成果を実現する ⑦成果を活かして、さらなる変革を推進する ⑧新しい方法を企業文化に定着させる、という順序で構成されます。8段階すべてが必要であり、その順番にも意味があるとされている点が実務上の要点です。

出典:兵庫県立大学 Sanda Business Review「Kotter(1996)による企業変革プロセスの実践と理論に関する考察」

組織風土改革が失敗する5つの原因

組織風土改革が失敗する5つの原因(リーダー主導の進め方・技術的問題化・経営層の本気度・公式組織偏重・測定不足)を示した図

組織変革への試みの75%は失敗するといわれています(Balogun & Hope Hailey, 2016ほか)。前掲の谷口(2021)は、その構造的な理由として、既存の変革モデルが「組織のメンバーが何を変えるのかを決める」側面を見落としてきた点を指摘しています。ここでは、実務で起きやすい5つの原因を整理します。

原因1:リーダーが決め、事務局が回してしまう

Bushe & Nagaishi(2018)は、「リーダーが変革の方針を決定し、組織のスタッフがその変革プロセスを管理した場合は、組織メンバーにとってはリーダーシップの欠如と受け止められてしまい、ほぼ全てが失敗する」と整理しています。逆に、関係者すなわち組織のメンバーが問題点を把握して変化の内容を形づくり、リーダーやマネジャーがその創発的な行動を擁護する形が、最も成功しやすい組み合わせです。

原因2:技術的な問題として扱ってしまう

Heifetz(1994)は、問題を「技術的な解決方法が必要とされる問題」と「適応的挑戦が必要とされる問題」に分けました。前者はルールやプロセスの変更で解決でき、指示も受け入れられやすい一方、後者は組織メンバーの態度や価値観の変化を必要とするため、容易には受容されません。組織風土改革は後者にあたります。制度変更だけで完結させようとすると行き詰まります。

原因3:経営層の本気度が伝わっていない

前掲の谷口(2021)は、組織変革を担当する経営コンサルタントの多くが、失敗要因として「経営者・役員の本気度の薄さ」を指摘していることに言及しています。トップが自分の言葉で語り続けているか、意思決定が方針と一致しているかを、社員は日常的に観察しています。

原因4:公式組織の変更を「核心」と誤認する

Kotter & Cohen(2002)やBartlett & Ghoshal(1997)を引きつつ、宮入(2012)は「実際の企業や組織における変革の多くは、組織構造や戦略、制度などの明示的な公式組織の改革を中心としたものとなっているが、これらの要素は変革の核心ではない」と指摘しています。組織図の書き換えは着手のきっかけにはなりますが、それ自体がゴールではありません。

原因5:測定していない、または測りっぱなし

サーベイを実施しても結果を現場に返さなければ、翌年の回答率が下がり、実態から離れたデータしか集まらなくなります。結果の共有と、そこから決めた打ち手の進捗報告までを1セットで設計してください。

組織風土改革の企業事例5選

ここでは、経済産業省『人材版伊藤レポート2.0 実践事例集』(2022年5月公表)に収録された5社の取り組みを紹介します。数値はいずれも同事例集公表時点のものです。

オムロン株式会社

企業理念実践の物語を全社で共有し合う「TOGA(The OMRON Global Awards)」を運営するほか、グローバルコアポジションを約200設定し、海外コアポジションの現地化比率をKPI化しています。あわせて「持続可能なエンゲージメント指標(SEI)」を活用し、経営チームがスコアと社員のフリーコメントの双方をモニタリングしています。同社は、これらの施策の連動により「社員が自らの仕事に誇りとやりがいを持って取り組み、高いパフォーマンスを発揮し続けられる組織風土づくり」に注力していると述べています。

花王株式会社

2021年よりOKR(Objectives & Key Results)を導入し、従来の100%達成を前提とするKPI型の目標管理から、「ありたい姿や理想に近づくための高く挑戦的な目標」へと軸を移しました。社員のOKRをグループ全体で共有することで、部署を超えた連携も生まれています。D&I推進部は2020年度に「Diversity推進ミーティング」を計16回実施しました。成果として、社員から「新しいことをやっていきたい」「もっとチャレンジしたい」という声が届くようになったと報告されています。

株式会社サイバーエージェント

年齢を一切制約としない若手抜擢を行い、次世代抜擢枠の若手社員は2年間、毎週の役員会議に参加して意見を表明し、決議にも加わります。役員と社員がチームを組んで経営課題への方策を発表する「あした会議」も年1回開催しています。結果として、20〜30代の社長を52名輩出しました。

株式会社丸井グループ

10年以上をかけて、社員一人ひとりの自主性を促す「手挙げの文化」を醸成しました。研修・プロジェクト・出向・新規事業への参画をすべて手挙げ方式に変更し、4,500名以上が成長機会に自ら参画しています。2022年3月時点で社員の約8割が会社間の異動(職種変更)を経験し、共創チームには201人が参画しました。対話は「安全な場所宣言」から始め、「結論を求めない」「人の意見を否定しない」といったルールを明示している点も特徴です。

SOMPOホールディングス株式会社

人生における使命を表現した「MYパーパス」の策定を社員に促し、これを軸とした企業文化変革を人材戦略の基盤に位置づけました。浸透にあたっては、①トップからの発信(タウンホールミーティング)、②現場レベルでの取組、③エンゲージメントサーベイ、を一体で推進しています。「MYパーパス1on1」では、上司がプロのコーチによる指導のもとコーチング技術を習得したうえで対話にあたります。

出典:経済産業省「人材版伊藤レポート2.0 実践事例集」

組織風土を測る指標とサーベイの選び方

改革の効果を確認するには、測定の設計が欠かせません。学術的に信頼性・妥当性が検証された日本語尺度としては、産業衛生学雑誌に掲載された「組織風土尺度12項目版(OCS-12)」があります。民間企業2社の正社員819名を対象とした調査から、「伝統性」「組織環境性」の2つの下位尺度が抽出されました。

この2軸により、職場は次の4タイプに分類されます。

タイプ組み合わせ職場の状態
イキイキ型伝統自由・組織活発自律性が高く、職場も活性化している
シブシブ型伝統強制・組織活発活動量はあるが、上意下達で動いている
バラバラ型伝統自由・組織不活発自由だが、結びつきが弱く力が集まらない
イヤイヤ型伝統強制・組織不活発強制的で、かつ職場も停滞している

出典:産業衛生学雑誌「職場の組織風土の測定 ―組織風土尺度12項目版(OCS-12)の信頼性と妥当性」

また、人的資本開示の観点では、内閣官房『人的資本可視化指針』が、ISO30414:2018において「従業員エンゲージメント」が開示事項として位置づけられていると整理しています。開示と社内改善で指標をそろえておくと、二重管理を避けられるでしょう。エンゲージメント向上の具体策は【実践ガイド】従業員エンゲージメントとは?向上施策や事例、導入手順を解説で解説しています。

出典:内閣官房「人的資本可視化指針」

なお、日本のエンゲージメント水準は国際比較で低い状態が続いています。Gallup『State of the Global Workplace: 2026 Report』によると、日本で「熱意ある社員(Engaged)」に分類される割合は8%で、世界平均20%の半分未満、東アジア平均18%も下回りました。2019〜2022年の5%からは緩やかに改善しています。

出典:Gallup「State of the Global Workplace: 2026 Report(Japan)」

組織風土改革を進めるうえでの注意点

改革を走らせる前に、押さえておきたい点を補足します。

※ サーベイの実施頻度を上げすぎると、回答疲れが起き、データの質が落ちます。全社サーベイは年1〜2回にとどめ、部署単位のパルスサーベイで補う設計が現実的です。

※ 部署別スコアを人事評価に直結させると、管理職が数値を良く見せる動きを取りやすくなります。スコアは改善のための材料として扱い、評価には「改善に向けた行動をとったか」を反映させる運用が適しています。

※ 中途入社者は、既存社員が気づかない風土の特徴を最も鮮明に感じ取ります。入社3か月・6か月のタイミングでヒアリングを行うと、内部にいると見えない論点を拾えるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 組織風土改革にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 経済産業省『人材版伊藤レポート2.0』は、企業文化への定着を「本質的に時間のかかる取組」と位置づけています。丸井グループの「手挙げの文化」は10年以上をかけて醸成されました。サーベイスコアの変化は1年程度で表れることもありますが、定着までは複数年を見込む設計が現実的です。

Q2. 組織風土と組織文化は、どちらから手をつけるべきですか?
A. 組織風土からです。組織風土は測定可能な特性であり、認知や問題点を顕在化・共有することで修正が可能とされています。一方の組織文化は無意識の前提であるため、直接的な変更が難しいと整理されています。

Q3. 中小企業でも組織風土改革はできますか?
A. できます。むしろ人数が少ないほど、経営者の言動が風土に与える影響が大きく、変化も早く表れます。大規模なサーベイツールがなくても、全社員との1on1や無記名アンケートから着手できます。

Q4. 経営層を巻き込めない場合はどうすればよいですか?
A. まずは離職率・離職理由・部署別サーベイスコアといった数値で現状を示すことから始めてください。厚生労働省『令和7年版 労働経済の分析』が示す、働きやすさと継続就業意向の差(約88%対約39%)のような公的データを添えると、経営課題として認識されやすくなります。

Q5. 組織風土改革と組織開発(OD)は何が違いますか?
A. 組織風土改革は「目指す状態」を指す言葉で、組織開発はそれを実現するための働きかけの方法論を指します。実務では、組織開発の手法を用いて組織風土改革を進める、という関係になります。手法の選び方は組織開発のフレームワーク8選|目的別の選び方と進め方を解説をご覧ください。

Q6. サーベイの結果が悪かった場合、まず何をすべきですか?
A. 全社平均ではなく、部署別・階層別の分布を確認してください。全社の平均値が低い場合と、特定部署が全体を押し下げている場合とでは、打つべき手がまったく異なります。


組織風土改革は、いまいる社員の力を引き出す取り組みです。一方で、風土を変える推進役となる人材が社内にいない場合、外から迎え入れる選択も現実的な打ち手になります。

  • 「CHROや人事責任者を採用したいが、要件定義から難しい」
  • 「組織開発の経験者に来てほしいが、母集団が形成できない」
  • 「せっかく採用しても、風土に馴染めず短期間で離職してしまう」

このような課題を抱える企業様には、coachee Agent Proがお役に立てます。coachee Agent Proは、IT・DX・エグゼクティブ・HR領域に特化した人材紹介サービスです。企業と求職者の双方を同じリクルーティングコーチが一気通貫で担当するため、スキル要件だけでなく、貴社の風土との相性まで見極めたうえでご紹介します。

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組織風土改革を担う人材の採用をお考えの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

なお、実際の改革事例をさらに知りたい方は組織開発の事例6選|企業の取り組み内容と成功に導く5つのポイントを解説もあわせてご覧ください。


監修者:高橋 秀誓(たかはし ひでちか)
coachee株式会社 代表取締役。国家資格キャリアコンサルタント/プロティアン認定ファシリテーター/人的資本開示国際規格ISO30414リードコンサルタント。人材業界歴約10年。エグゼクティブ・IT・HR領域でのリクルーティング支援に従事。

記事を書いた人
hidechika-takahashi
coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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