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組織開発のフレームワーク8選|目的別の選び方と進め方を解説

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coachee 広報チーム
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「組織開発を任されたが、何から手をつければいいか分からない」
「1on1もサーベイもやっているのに、組織が変わった実感がない」
「上司に説明できる“型”がなく、施策の必要性を伝えきれない」

組織づくりを担う人事担当者の方から、このような声をよく耳にします。

組織開発のフレームワークとは、組織の課題を診断し、打ち手を設計するための「思考の型」です。型を持たずに施策を並べると、現場は振り回され、成果も測れません。

本記事では、組織開発で使えるフレームワーク8選を目的別に整理し、選び方・進め方・導入時の注意点までを人事担当者の方に向けて解説します。自社の課題に合う型が見つかり、施策を筋の通った流れに組み立てられるようになるでしょう。

この記事でわかること

  • 組織開発でフレームワークを使う理由と、選ぶ前に決めるべきこと
  • 目的別に使い分けられるフレームワーク8選の中身
  • フレームワークを現場に定着させる5ステップと、よくある失敗

組織開発のフレームワークとは|診断と打ち手をつなぐ「型」

組織開発のフレームワークとは、組織の状態を構造的に捉え、どこに働きかけるべきかを判断するための枠組みです。個人のスキルを高める人材開発と違い、組織開発が扱うのは人と人との「関係性」です。関係性は目に見えないため、型がないと議論が感覚論に流れます。

フレームワークを使う利点は3つあります。1つ目は、課題の見落としを防げること。2つ目は、関係者間で共通言語ができ、経営への説明がしやすくなること。3つ目は、施策の前後で状態を比較でき、効果検証の土台になることです。

なお、組織開発は個人の能力を伸ばす人材育成と対になる概念です。誰にどの役割を任せるかを設計するタレントマネジメントと組み合わせると、関係性の改善が成果に結びつきやすくなります。

フレームワークを選ぶ前に決める2つのこと

フレームワークは万能薬ではありません。選ぶ前に、次の2点を必ず言語化してください。

  • 対象範囲|全社なのか、特定部門なのか、経営チームなのかを決めます。範囲が曖昧なまま進めると、施策が誰にも自分ごとにならず形骸化します。
  • 目的|「診断したい」のか「対話を促したい」のか「目標を揃えたい」のかで、選ぶべき型はまったく異なります。

この2点が決まれば、次章の8選から自社に合う型を絞り込めます。

組織開発が求められる背景|公的データで見る現在地

なぜいま、組織開発に型を持って取り組む企業が増えているのでしょうか。人事担当者の方が社内提案で使えるデータを3つ紹介します。

背景1:日本の従業員エンゲージメントは世界最低水準

ギャラップの調査によると、日本で「熱意ある社員」の割合はわずか6%で、世界平均の23%を大きく下回ります。関係性への働きかけは、もはや福利厚生ではなく競争力の問題と言えるでしょう。

出典:State of the Global Workplace 2024|Gallup(共同通信PRワイヤー)

背景2:労働生産性は先進国で下位に沈む

日本の時間当たり労働生産性は、OECD加盟38カ国中29位(2023年)です。個人の頑張りではなく、協働の質を高めて組織全体の生産性を底上げする視点が求められています。

出典:労働生産性の国際比較2024|日本生産性本部

背景3:人手不足が高止まりしている

帝国データバンクの調査では、正社員が不足している企業は約5割で高止まりが続きます。採用で人数を補うだけでは追いつかず、今いる社員が力を発揮し定着する組織づくりが不可欠になりました。

出典:人手不足に対する企業の動向調査|帝国データバンク

これら3つの数字は、組織開発の必要性を経営に説明する際の共通言語になります。

【目的別】組織開発のフレームワーク8選

ここからが本題です。実務で使われる8つのフレームワークを、目的別に整理して紹介します。すべてを導入する必要はありません。自社の課題に近いものを1つ選ぶところから始めてください。

分類 フレームワーク 主な用途
診断型 ①マッキンゼーの7S 組織全体の整合性を点検する
診断型 ②タックマンモデル チームの成熟段階を見立てる
診断型 ③サーベイ・フィードバック 現状を数値で可視化し対話につなげる
対話型 ④AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー) 強みを起点に変化を起こす
対話型 ⑤ワールド・カフェ 部門を越えた相互理解を促す
対話型 ⑥OST(オープン・スペース・テクノロジー) 当事者の自発的なテーマ設定を促す
目標整合型 ⑦MVV(ミッション・ビジョン・バリュー) 進む方向を全社で揃える
目標整合型 ⑧OKR 目標を全社から個人まで連動させる

以下、それぞれの中身を見ていきます。

①マッキンゼーの7S|組織全体の整合性を点検する

マッキンゼーの7S(ハードの3Sとソフトの4S)の構成を示した図解

戦略・組織構造・システム(ハードの3S)と、価値観・スキル・人材・スタイル(ソフトの4S)の7要素で組織を捉える型です。「制度は変えたのに風土が追いつかない」といったズレを発見するのに向いています。とくにM&A後や事業転換の局面で有効です。

②タックマンモデル|チームの成熟段階を見立てる

タックマンモデルの5段階(形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期)を示した図解

チームが「形成期→混乱期→統一期→機能期→散会期」の5段階をたどるとする考え方です。混乱期を避けるのではなく、必要な通過点として扱う点が特徴です。新設チームや組織再編の直後に、いま何が起きているかを言語化するのに役立ちます。

③サーベイ・フィードバック|数値を対話の起点にする

サーベイ・フィードバックの4ステップの継続サイクルを示した図解

従業員意識調査で組織の状態を可視化し、結果を現場に返して対話につなげる手法です。重要なのは、調査の実施ではなく「返す」プロセスにあります。数値を人事が抱え込むと、現場は当事者になれません。

④AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)|強みを起点に変化を起こす

アプリシエイティブ・インクワイアリーの4Dサイクル(Discovery・Dream・Design・Destiny)を示した図解

問題点の指摘ではなく、うまくいっている点(強み)を発見し、そこを伸ばす方向で対話する手法です。Discovery(発見)→Dream(理想)→Design(設計)→Destiny(実行)の4Dサイクルで進めます。停滞感や犯人探しの空気があるチームに適します。

⑤ワールド・カフェ|部門を越えた相互理解を促す

少人数のグループで対話し、メンバーを入れ替えながら議論を重ねる手法です。カフェのようなくつろいだ場をつくることで、普段話さない相手との率直な会話が生まれます。縦割りの解消や、全社ビジョンの浸透場面で使われます。

⑥OST(オープン・スペース・テクノロジー)|当事者がテーマを決める

参加者自身が話したいテーマを提案し、関心のある人が集まって議論する会議手法です。トップダウンの号令では動かない組織で、現場の内発的な動機を引き出す際に力を発揮します。

⑦MVV|進む方向を全社で揃える

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の3階層と一貫性を示した図解

ミッション(存在意義)・ビジョン(目指す姿)・バリュー(行動指針)を言語化し、日々の業務と結びつける取り組みです。目的が共有されていない組織では、施策が個別最適に陥りがちです。組織開発の土台として最初に整えるべき型と言えるでしょう。

⑧OKR|目標を全社から個人まで連動させる

OKR(ObjectiveとKey Results)の連動構造を示した図解

Objectives(定性的な目標)とKey Results(定量的な成果指標)をセットで設定し、全社・部門・個人を連動させる目標管理の型です。四半期ごとの見直しと、達成度70%を良しとする挑戦的な設定が特徴です。部門間の目標の食い違いを解消したい組織に向きます。

※ 組織を動かす管理職やキーパーソンが不足している場合は、フレームワークの導入だけでは前に進みません。coachee Agent Proへの相談もあわせてご検討ください。両面型支援で、組織にフィットする人材をご提案します。

フレームワークの選び方|自社の課題からの逆引き

8つの型を前にすると、どれを選ぶべきか迷うものです。課題からの逆引きで考えると絞り込みやすくなります。

よくある組織課題 適したフレームワーク
制度と風土がかみ合っていない ①7S
新チームがまとまらない ②タックマンモデル
何が問題か分からない ③サーベイ・フィードバック
ネガティブな空気が続いている ④AI
部門間の壁が厚い ⑤ワールド・カフェ
施策がやらされ仕事になっている ⑥OST
方向性がバラバラ ⑦MVV
目標が現場に落ちていない ⑧OKR

まず現状把握が必要な段階なら③から、方向性づくりが先なら⑦から始めるのが定石です。診断なしに対話型の施策だけを走らせると、場は盛り上がっても翌週には元に戻ってしまいます。

社員の保有スキルを可視化して打ち手を考えたい場合は、スキルマップの作り方を組み合わせると、組織の状態と個人の能力の両面から課題を捉えられます。

フレームワークを活かす進め方|5つのステップ

フレームワークは、選んで終わりではありません。次の5ステップで進めると、現場に定着しやすくなります。

  1. 現状を把握する|サーベイや管理職ヒアリングで課題を可視化します
  2. 目的とゴールを定める|どんな状態を目指すかを関係者で合意します
  3. フレームワークを1つ選ぶ|課題に合う型を選び、対象部門を絞ります
  4. 小さく実践し対話する|施策を回し、当事者同士で振り返ります
  5. 効果を測り横展開する|変化を確認し、他部門へ広げます

以下で要点を補足します。

ステップ1〜2|可視化と目的設定を飛ばさない

いきなりフレームワークを選ぶと、「型を使うこと」が目的化します。何を良くしたいのかを合意してから型を選んでください。ここでの合意が、後の効果測定の基準にもなります。

ステップ3〜5|1部門から小さく始める

全社一斉ではなく、課題の大きい一部門から始めるのが定石です。成果とデータを持って横展開すると、他部門も納得して受け入れます。管理職の関わり方が成否を分けるため、面接官・評価者向けの研修などで管理職の対話力を高める取り組みを並行させると効果的です。

企業事例|フレームワークはどう使われているか

実際の企業の取り組みを見てみましょう。

ヤフー(現LINEヤフー)は、上司と部下が週1回30分対話する「1on1ミーティング」を全社に導入しました。経験学習の理論に基づき、部下の成長を支える組織開発施策として社内に根づかせています。対話の型を全社共通のルールとして運用した点が特徴です。

カルビーは、DE&I推進の専任部門を設け、2030年度に女性管理職比率30%超を目標に掲げています。アンコンシャス・バイアスや心理的安全性の研修を各プログラムに組み込み、組織風土づくりを進めています。目標(OKR的な指標)と対話の場を組み合わせた例と言えるでしょう。

両社に共通するのは、型を導入するだけで終わらせず、日常の対話の仕組みまで落とし込んでいる点です。自社に取り入れる際も、続けられる小さな習慣から設計してください。

組織開発フレームワークでよくある失敗と対策

最後に、フレームワークが空回りしやすいポイントを整理します。

※ 注意点:フレームワークの導入自体がゴールになると、現場は「やらされ感」を抱きます。目的は関係性の改善であり、サーベイの実施回数やワークショップの開催数ではありません。

失敗1:型を複数同時に導入してしまう
7Sで診断しながらOKRを走らせ、ワールド・カフェも開く——現場は疲弊します。対策は、1つの型に絞り、四半期単位で回すことです。

失敗2:診断して終わる
サーベイを取っただけで結果を現場に返さないケースが最も多い失敗です。数値は必ずチームに返し、改善策を現場自身に考えてもらう設計にしてください。

失敗3:短期の成果を求めすぎる
関係性の変化には時間がかかります。数カ月から年単位で、離職率やエンゲージメントスコアの推移を追ってください。単月の数字で判断すると、施策を早期に打ち切ってしまいます。

【FAQ】組織開発のフレームワークに関するよくある質問

人事担当者の方から寄せられることの多い疑問にお答えします。

Q. フレームワークは何個くらい使えばよいですか?

まずは1つに絞ってください。課題に合う型を1つ選び、四半期単位で回して効果を確認します。複数を同時に導入すると、現場が消耗して定着しません。

Q. 中小企業でもフレームワークは使えますか?

使えます。むしろ人数が少ないほど、ワールド・カフェや1on1などの対話型は始めやすいものです。専門部署がなくても、管理職とメンバーの対話から着手できます。

Q. 7SとOKRはどちらを先に導入すべきですか?

現状に何のズレがあるか分からない段階なら7Sで診断が先です。方向性は決まっていて現場に落ちていないだけなら、OKRから入ると効果が出やすくなります。

Q. 効果はどう測ればよいですか?

従業員サーベイのスコア、離職率、エンゲージメント指標を継続的に追うのが基本です。導入前の数値を必ず記録し、推移で変化を捉えてください。

Q. 人事だけでフレームワークを回せますか?

人事が旗振り役を担いつつ、現場の管理職を巻き込むことが不可欠です。現場が当事者にならない施策は、例外なく形骸化します。

まとめ:型は「目的」と「対象」を決めてから選ぶ

組織開発のフレームワークは、課題の診断と打ち手をつなぐ思考の型です。要点は次の3つです。

  • 選ぶ前に「対象範囲」と「目的」を言語化する
  • 診断型・対話型・目標整合型の8選から、課題に合う1つを選ぶ
  • 1部門で小さく始め、数値の推移で効果を測りながら広げる

まずは自社の組織課題を1つ書き出し、逆引き表から型を1つ選ぶことから始めてみてください。型を持つことで、施策が筋の通った一連の流れに変わっていくでしょう。

組織づくりを担う人材の採用は「coachee Agent Pro」へ

組織開発のフレームワークを導入しても、それを回す管理職や専門人材が不足していては前に進みません。とくに次のような悩みを抱える企業は少なくありません。

  • 組織を牽引できるマネジメント人材が社内にいない
  • 組織開発や人事企画を担える専門人材と出会えない
  • 採用できても組織になじまず早期に離職してしまう

coachee Agent Proは、IT/DX・エグゼクティブ・HR領域に特化したプロフェッショナル人材紹介サービスです。企業と求職者の双方を同じリクルーティングコーチが担当する「両面型」支援により、スキルだけでなく人柄・カルチャーフィットまで踏み込んだマッチングを行います。

組織づくりを担う人材の採用にお悩みのご担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。

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監修者プロフィール

高橋 秀誓(たかはし ひでちか) coachee株式会社 代表取締役

明治大学卒業後、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務。求人広告・人材紹介・人材派遣・SESのソリューション提案、事業統括等に従事し、人材業界歴は約10年。エグゼクティブ・Web・IT・SI・HR領域でのリクルーティング支援・キャリア形成支援を行う。国家資格キャリアコンサルタント、ISO30414リードコンサルタント。キャリア相談実績は3,500人以上。

記事を書いた人
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coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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