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採用代行は違法?RPOが法律違反になる4つのケースと許可申請の流れを解説

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coachee 広報チーム
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「採用代行(RPO)を使いたいが、違法の可能性があるという指摘を見て不安になった」 「どこまでを任せると法律に触れるのか、線引きがわからない」 「許可が必要だと言われたが、誰が・いつまでに申請するのか整理できていない」

採用をご担当の方から、このようなお声をよく伺います。結論から申し上げると、採用代行(RPO)そのものは違法ではありません。ただし、依頼する業務の内容によっては職業安定法上の「委託募集」にあたり、発注する企業側が厚生労働大臣または都道府県労働局長の許可を受ける必要があります。

本記事では、許可が必要な業務と不要な業務の線引き、違法となる4つのケースと罰則、許可申請の流れを、e-Gov法令検索と厚生労働省の一次情報にもとづいて整理します。読み終える頃には、自社の依頼内容に許可が必要かどうかを判断できるようになるでしょう。

そもそも採用代行(RPO)とは?

採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)とは、企業に代わって採用業務の一部もしくはすべてを行うサービスです。社内の採用業務を外部にアウトソーシングできるため、繁忙期の人手を補ったり、採用プロセス全体の改善についてコンサルティングを受けたりできます。

なお採用代行に明確な法的定義はなく、人材紹介や採用広報まで含めて「採用代行(RPO)」と呼ぶ事業者もあります。契約前に、どこまでを業務範囲とするかを書面で確定させることが実務上の出発点です。

採用代行(RPO)が注目される背景

採用代行が注目されている背景には、主に次の3つがあります。

  • 少子高齢化による構造的な人手不足|若年層の母数そのものが減少しており、少数の若者を多くの企業が取り合う状態が続いています。
  • 採用手法の多様化|求人サイト、SNS採用、リファラル採用、スカウト送信と、対応すべきチャネルが増え続けています。
  • 社内人事のリソース不足|新卒・中途採用の担当者が労務や総務を兼任し、採用業務に集中できないケースが珍しくありません。

こうした要因から、採用のプロに業務を切り出せる採用代行のニーズが高まっています。採用プロセス全体の設計を見直したい方は「採用ファネルとは?構築方法とKPI設計・改善のポイント」もあわせてご覧ください。

採用代行(RPO)に依頼できる仕事内容

一例として、採用代行には次の業務を依頼できます。

  • 採用戦略の策定
  • 採用広報の代行
  • 採用媒体の管理・運用
  • 応募者への連絡対応、日程調整
  • 書類選考・面接の代行

依頼できる内容は事業者によって異なります。採用業務に幅広く対応する事業者もあれば、スカウト送信など一部業務に特化した事業者もあります。そしてこの業務範囲の違いが、そのまま許可の要否を分ける点が本記事の核心です。

採用代行と職業紹介・労働者派遣・委託募集の違い

採用代行・委託募集・職業紹介・労働者派遣の違いを、法的な位置づけ・許可を取る主体・根拠条文で比較した表

採用代行の違法性を判断するには、隣接する3つの制度との違いを押さえる必要があります。事業者が「採用代行」と名乗っていても、実態が職業紹介や労働者供給にあたれば別の規制がかかります。

区分 法的な位置づけ 誰が許可・届出をするか 根拠条文
採用代行(事務代行の範囲) 業務委託。特別な許可は不要 不要
委託募集 自社の被用者以外に労働者募集をさせる行為 発注する企業側が許可(有報酬)または届出(無報酬) 職業安定法第36条
職業紹介 求人と求職の申込みを受け、雇用関係の成立をあっせんする行為 サービス提供事業者が厚生労働大臣の許可 職業安定法第30条
労働者派遣 派遣元の雇用する労働者を派遣先の指揮命令下で働かせる行為 派遣元事業者が厚生労働大臣の許可 労働者派遣法第5条

最も誤解されやすいのが、委託募集の許可を取るのはサービス提供者ではなく発注する企業側という点です。「代行会社が許可を持っているから大丈夫」という説明は、委託募集に関しては正しくありません。

出典:e-Gov法令検索「職業安定法」

許可を取れば採用代行(RPO)は違法ではない

採用代行は、依頼内容が「労働者の募集」にあたり、かつ報酬が発生する場合に、発注企業が許可を受けていれば適法に利用できます。根拠となる条文を確認していきましょう。

法律的な裏付けは職業安定法第36条

職業安定法第36条は、委託募集について次のように定めています。

  • 第1項|労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者に報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。
  • 第2項|第1項の報酬の額については、あらかじめ厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。
  • 第3項|報酬を与えることなく労働者の募集に従事させようとするときは、その旨を厚生労働大臣に届け出なければなりません。

また同法第60条により、厚生労働大臣の権限は都道府県労働局長へ委任される場合があります。募集規模が一定未満であれば、実際の申請先は都道府県労働局長になります。

許可が必要な「委託募集」とは

厚生労働省の「募集・求人業務取扱要領」は、委託募集を「労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして労働者の募集に従事させる形態で行われる労働者募集」と説明しています。

ここでいう「被用者以外の者」とは、自社の従業員ではない第三者、つまり採用代行会社を指します。したがって、採用代行の業務内容が労働者の募集にあたり、かつ報酬が発生していれば委託募集となり、発注企業側の許可が必要です。

出典:厚生労働省・都道府県労働局「職業紹介事業パンフレット(許可・更新等手続マニュアル)令和7年4月」

許可がなくても違法ではない採用代行(RPO)もある

採用代行に依頼する業務のうち委託募集の許可が必要な業務(書類選考・面接・合否判断)と不要な業務(採用戦略策定・事務連絡・媒体管理)を対比した図

すべての採用代行が委託募集にあたるわけではありません。線引きの目安は、その業務が採用の意思決定に関わるか、事務処理にとどまるかです。

許可の要否 業務の例 判断の考え方
許可が必要になりやすい 書類選考、面接の実施、合否判断、求職者への直接的な応募勧奨 採用としての側面が強く「労働者の募集」に該当しやすい
許可が不要なことが多い 採用戦略の策定、採用プロセスの設計、応募者への事務連絡、日程調整、媒体の入稿管理、データ集計 事務作業としての側面が強く「募集」に該当しない

たとえば、応募者へのメッセージ返信や面接日程の調整、求人媒体の管理といった事務的な業務のみを委託する場合、許可は不要です。一方で、面接官を代行して合否の判断まで任せる場合は、委託募集にあたる可能性が高くなります。

判断に迷う場合は、契約前に採用代行会社と業務範囲を書面で確定させたうえで、所轄の都道府県労働局へ確認するのが確実です。人事業務全般の外部委託と費用感については「人事アウトソーシングの費用相場|業務別の料金とコストを抑える3つのポイント」でも解説しています。

\採用代行の是非とあわせて、社内に採用の中核人材を置く選択肢もご相談いただけます/ 外部委託は有効な手段ですが、採用要件の定義や見極めの基準づくりは社内に残したい領域です。「代行に出しても採用の質が上がらない」「採用戦略を描ける人材が社内にいない」といった課題をお持ちでしたら、coachee Agent Proに問い合わせるからお気軽にご相談ください。

採用代行(RPO)が違法になる4つのケース

適法に利用するために、どのような場合に法律違反となるのかを具体的に押さえておきましょう。

1. 委託募集にあたるのに許可を受けていない

最も典型的なケースです。面接代行や合否判断まで報酬を支払って委託しているにもかかわらず、発注企業が第36条第1項の許可を受けていない場合が該当します。

この違反は職業安定法第64条第7号に該当し、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。罰せられるのは違反行為をした者、つまり発注企業側です。

2. 無報酬の委託募集で届出を怠っている

報酬を支払わない形で第三者に募集を委託する場合も、第36条第3項にもとづく届出が必要です。届出を怠ると同法第65条第4号に該当し、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されます。

「報酬を払っていないから何も手続きは不要」という理解は誤りです。

3. 許可のない事業者が実質的に職業紹介を行っている

採用代行と称しながら、求職者を集めて自社へあっせんし、成功報酬を受け取っている場合は有料職業紹介にあたります。無許可で有料職業紹介事業を行うことは第30条第1項違反であり、第64条第1号により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。

契約前に、事業者の許可番号(13-ユ-〇〇〇〇〇〇の形式)を確認してください。人材紹介会社の選定基準については「人材紹介会社の選び方」も参考になるでしょう。

4. 実態が労働者供給・偽装請負になっている

採用代行会社のスタッフを自社オフィスに常駐させ、自社の管理職が直接指揮命令している場合、契約上は業務委託でも実態は労働者派遣または労働者供給と判断される可能性があります。

労働者供給事業は職業安定法第44条で原則禁止されており、違反は第64条第10号により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。業務委託として運用するなら、指揮命令は必ず代行会社側の責任者を通してください。

罰則の一覧

違反内容 根拠条文 罰則
無許可の委託募集(有報酬) 職業安定法第64条第7号 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
無許可の有料職業紹介 同法第64条第1号 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
労働者供給事業の禁止違反 同法第64条第10号 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
報酬額の無認可・無報酬委託募集の届出漏れ 同法第65条第4号 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

※2022年6月の刑法改正により、2025年6月1日から「懲役」は「拘禁刑」に統一されています。古い解説記事では「懲役」と表記されている場合がありますが、現行法では拘禁刑です。

依頼する企業側が許可を得る流れ5ステップ

委託募集の許可申請5ステップ(申請書の用意・提出先の確認・提出期限の確認・許可基準の確認・提出と審査)を示したフロー図。申請主体は発注企業

委託募集に該当する場合、発注企業が申請を行います。申請から取得までの流れを整理します。

ステップ1:委託募集許可等申請書を用意する

まずは委託募集許可等申請書を入手します。厚生労働省のホームページから様式をダウンロードできます。必要事項を記入し、提出できる状態にしましょう。

ステップ2:提出先を確認する

提出先は募集人数によって異なります。

募集規模 提出先
1つの都道府県で30人以上、または募集人数が100人以上 厚生労働大臣(本省)
上記未満 都道府県労働局長

ステップ3:提出期限を確認する

提出期限も提出先によって異なります。厚生労働大臣への提出は募集開始月の21日前まで、都道府県労働局長への提出は募集開始月の14日前までです。

採用スケジュールを逆算し、募集開始の1か月前には申請準備を始めておくと安全でしょう。中途採用の時期設計については「中途採用に適した時期は何月?おすすめの時期やスケジュールの立て方」もあわせてご確認ください。

ステップ4:許可基準を確認する

許可基準は、適正に事業を営んでいる企業であれば問題なく満たせる内容です。発注企業側は過去に重大な法令違反がないか、提示する労働条件が適切かが確認されます。代行会社側は法令違反歴の有無、採用業務や関係法令への習熟度がチェックされます。

金額面の基準として、委託経費が高額になるなどの特段の事情がない限り、報酬は支払われた賃金額の100分の50を超えてはなりません。また募集期間は1年を超えないようにする必要があります。

ステップ5:必要書類を提出し審査結果を待つ

提出後は審査結果を待ちます。結果は「許可」「不許可」「条件付き許可」のいずれかで通知されます。

採用代行会社によっては申請手続きのサポートを提供している場合もあります。不安があれば、利用を検討している事業者に相談してみてください。

採用代行(RPO)の選び方5つのポイント

法令面をクリアしたうえで、どの事業者を選ぶかも成果を左右します。

1. 必要な許可を取得している事業者か確認する

職業紹介を含むサービスであれば、許可番号をホームページで公開しているのが一般的です。記載がなければ直接問い合わせて確認しましょう。委託募集にあたる業務を依頼する場合は、自社側の許可も必要になる点を忘れないでください。

2. 依頼したい業務に対応できるか

総合型の事業者はほぼすべての採用業務をカバーしますが、一部業務に特化した事業者では対応範囲が限られます。自社が切り出したい業務と、事業者の得意領域が一致しているかを事前に確認してください。

3. 実績は十分にあるか

支援実績が多い事業者は、ホームページや営業資料に事例を掲載している場合が多く見られます。自社と同じ業界・職種・採用規模での実績があるかを見ると、精度の高い判断ができます。

4. コミュニケーションを取りやすいか

採用代行の業務は基本的に社外で行われるため、進捗が見えにくくなりがちです。定例ミーティングの頻度、レポートの形式、緊急時の連絡手段を契約前に確認しておきましょう。

5. 業務範囲と指揮命令系統を書面で明確にする

前述のとおり、指揮命令の実態が偽装請負と判断されるリスクがあります。契約書に業務範囲、成果物、指示ルート(代行会社の責任者経由であること)を明記してください。この一手間が、後の法的リスクを大きく下げます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 採用代行に面接を任せると必ず違法になりますか?

違法にはなりません。面接代行は委託募集にあたる可能性が高い業務ですが、発注企業が職業安定法第36条第1項の許可を受けていれば適法です。許可を受けずに報酬を支払って委託した場合に違法となります。

Q2. スカウトメールの送信代行にも許可は必要ですか?

内容によって判断が分かれます。企業が作成した定型文を機械的に送信する事務作業であれば、募集には該当しにくいと考えられます。一方、代行会社が独自に候補者を選定し、応募を勧奨する文面を作成して送る場合は、労働者の募集にあたる可能性が高まります。事前に所轄の都道府県労働局へ確認してください。

Q3. 許可を取るのは採用代行会社ですか、発注企業ですか?

委託募集の許可を取るのは発注企業です。職業安定法第36条は「労働者を雇用しようとする者が」と定めており、募集の主体である企業側に義務があります。一方、職業紹介の許可を取るのはサービス提供事業者です。

Q4. 無報酬なら手続きは何も要りませんか?

届出が必要です。職業安定法第36条第3項により、報酬を与えない委託募集でも厚生労働大臣への届出が求められます。届出を怠ると6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です。

Q5. 許可を取らずに委託募集をしていたことに気づいたらどうすればよいですか?

直ちに当該業務を停止し、所轄の都道府県労働局へ相談してください。違反状態を放置するほどリスクが大きくなります。あわせて契約内容を見直し、許可が不要な業務範囲へ切り分けるか、正式に許可を申請するかを決定しましょう。

まとめ|「誰が・何を・報酬ありで」の3点で判断する

採用代行(RPO)は、適切に手続きを踏めば違法ではありません。判断の軸は次の3点です。

  • 誰が|委託募集の許可を取るのは発注企業側です。代行会社の許可では代替できません。
  • 何を|選考や合否判断を含むなら委託募集にあたる可能性が高く、事務作業にとどまるなら許可は不要です。
  • 報酬ありか|有報酬なら許可、無報酬なら届出が必要です。無報酬でも手続きは免除されません。

線引きに迷う業務があれば、契約前に所轄の都道府県労働局へ確認してください。判断を先送りにしたまま運用を始めることが、最大のリスクになります。

\採用の実行力を、外部委託と内製の両輪で高めるご相談を承ります/ 採用代行は業務量の課題を解決しますが、採用基準の設計や見極めの精度は社内に蓄積したい領域です。次のような課題をお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

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coachee Agent Proは、IT/DX・エグゼクティブ・HR領域に特化した人材紹介サービスです。企業と求職者の双方を同じリクルーティングコーチが担当する両面型支援により、スキルだけでなく人柄・カルチャーフィットまで見極めたご提案を行います。採用体制の強化をお考えの企業様は、coachee Agent Proに問い合わせるからお気軽にお問い合わせください。


監修:高橋 秀誓(たかはし ひでちか) coachee株式会社 代表取締役/情報管理責任者。国家資格キャリアコンサルタント、プロティアン認定ファシリテーター、人的資本開示国際規格 ISO30414 リードコンサルタント。有料職業紹介免許 14-ユ-302056。人材業界歴約10年、キャリア相談実績3,500人以上。

記事を書いた人
hidechika-takahashi
coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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