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育児・介護休業法の改正ポイント11項目|2025年4月・10月施行の企業対応をわかりやすく解説

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coachee 広報チーム
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「就業規則の改定は済ませたが、運用まで手が回っていない」
「柔軟な働き方の措置を2つ選んだものの、周知の記録が残せていない」
「介護の個別周知が必要と聞いたが、誰にいつ行えばよいのかわからない」

労務担当の方から、このような相談が増えています。令和6年に改正された育児・介護休業法は2025年4月1日と10月1日の2段階で施行され、義務項目が一度に増えました。就業規則の文言を直しただけでは対応が完了しないものが多く、運用の設計まで求められる点が特徴です。

本記事では、改正内容を施行日ごとに11項目へ分解し、それぞれ何が義務で何が努力義務なのかを整理します。あわせて、企業がやるべき対応の手順、対応が遅れた場合のリスク、活用できる支援ツールまで解説します。自社の対応状況を点検するチェックリストとして活用いただけるでしょう。

育児・介護休業法の改正とは?令和6年改正の全体像

育児・介護休業法 令和6年改正の施行スケジュール。2024年5月の公布、2025年4月1日施行の9項目、2025年10月1日施行の2項目を示したタイムライン

育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)は、仕事と育児・介護の両立を支援するための法律です。令和6年5月、この法律と次世代育成支援対策推進法が改正され、令和7年(2025年)4月1日から段階的に施行されました。

厚生労働省は、今回の改正の柱を次の3点としています。

  1. 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
  2. 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化
  3. 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等

出典:厚生労働省「育児・介護休業法について」

施行日は2段階に分かれている

改正項目は、施行日によって整理すると理解しやすくなります。

施行日 主な内容 項目数
2025年4月1日 子の看護等休暇の見直し、残業免除の対象拡大、介護離職防止の雇用環境整備・個別周知など 9項目
2025年10月1日 柔軟な働き方を実現するための措置等、仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮 2項目

施行に伴う省令・告示も公布されています。2025年4月1日施行分は令和6年厚生労働省令第124号・告示第286号、2025年10月1日施行分は令和6年厚生労働省令第125号・告示第287号です。実務上の細かい取り扱いは、厚生労働省が公表しているQ&A(令和7年9月24日時点)で確認できます。

なぜ改正されたのか

背景には、男女ともに両立が難しい現状があります。厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は40.5%(前年度30.1%)と上昇したものの、女性の86.6%とは差があり、取得期間も男性は2週間未満が約4割を占めます。

出典:厚生労働省「令和6年度雇用均等基本調査」

介護についても、総務省「令和4年就業構造基本調査」では、介護・看護を理由に離職した人が1年間で約10.6万人にのぼりました。介護をしている人約629万人のうち約365万人は有業者であり、働きながら介護を担う層への支援が急務となっています。

出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」

【2025年4月施行】育児に関する改正5項目

まずは2025年4月1日に施行された育児関連の5項目を確認します。就業規則の見直しが必要なものが多く含まれます。

1. 子の看護休暇の見直し(名称は「子の看護等休暇」へ)

対象範囲と取得事由が拡大し、名称も変更されました。

項目 改正前 改正後
対象となる子の範囲 小学校就学の始期に達するまで 小学校3年生修了まで
取得事由 ①病気・けが ②予防接種・健康診断 ①②に加えて ③感染症に伴う学級閉鎖等 ④入園(入学)式、卒園式
労使協定による除外 週の所定労働日数2日以下/継続雇用期間6か月未満 継続雇用期間6か月未満の除外規定は廃止
名称 子の看護休暇 子の看護等休暇

取得可能日数は従来どおり、1年間に5日(子が2人以上の場合は10日)です。継続雇用期間6か月未満という理由では除外できなくなりました。ただし、日々雇用される労働者は対象外であり、週の所定労働日数が2日以下の労働者は労使協定により除外できます。この点は運用上見落としやすいポイントになります。

2. 所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大

請求できる労働者の範囲が「3歳未満の子を養育する労働者」から「小学校就学前の子を養育する労働者」へ広がりました。対象者が一気に増えるため、請求書式と勤怠システム側の設定を見直す必要があります。

3. 短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワークを追加

短時間勤務制度を講ずることが困難な業務がある場合、労使協定を締結して除外規定を設けたうえで代替措置を講じます。この代替措置の選択肢に、従来の「育児休業に関する制度に準ずる措置」「始業時刻の変更等」に加えてテレワークが追加されました。

4. 育児のためのテレワーク導入(努力義務)

3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるよう措置を講ずることが、事業主の努力義務となりました。義務ではありませんが、後述する2025年10月施行の「柔軟な働き方を実現するための措置」でもテレワークが選択肢に含まれるため、あわせて検討すると効率的です。

5. 育児休業取得状況の公表義務の適用拡大

公表義務の対象が「従業員数1,000人超の企業」から「従業員数300人超の企業」へ拡大されました。公表内容は男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。年1回、公表前事業年度の終了後おおむね3か月以内に、インターネットなど一般の方が閲覧できる方法で公表します。

厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」で公表することもできます。自社採用サイトに掲載すれば、求職者向けの訴求材料としても活用できるでしょう。採用広報での見せ方は採用オウンドメディアとは?メリット・デメリットや成功事例もあわせてご覧ください。

【2025年4月施行】介護に関する改正4項目

介護分野は、これまで努力義務にとどまっていた項目が義務化された点が大きな変化です。

6. 介護休暇を取得できる労働者の要件緩和

労使協定による「継続雇用期間6か月未満の労働者を除外できる」規定が廃止されました。労使協定によって除外できるのは、週の所定労働日数が2日以下の労働者のみです(日々雇用される労働者の扱いとは区別が必要です)。

7. 介護離職防止のための雇用環境整備(義務)

介護休業や介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるよう、事業主は次の①〜④のいずれかの措置を講じなければなりません。

  • ① 介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
  • ② 介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
  • ③ 自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用事例の収集・提供
  • ④ 自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知

いずれか1つで義務は満たしますが、厚生労働省は複数の措置を講じることが望ましいとしています。相談窓口を設けるだけでなく、管理職向け研修まで行うと実効性が高まるでしょう。

8. 介護離職防止のための個別の周知・意向確認等(義務)

2つの場面で対応が求められます。

(1)介護に直面した旨の申出をした労働者への個別周知・意向確認

申出を受けたら、①介護休業に関する制度・介護両立支援制度等の内容、②申出先(例:人事部など)、③介護休業給付金に関することを周知し、取得・利用の意向を確認します。方法は面談(オンライン可)、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかです。FAXと電子メールは労働者が希望した場合のみ使えます。

※ 注意点:取得・利用を控えさせるような周知や意向確認は認められません。人員不足を理由に取得・利用を断念させるような説明は避けてください。

(2)介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供

労働者が40歳に達する日(誕生日前日)の属する年度の1年間、または40歳に達する日の翌日(誕生日)から1年間のいずれかの期間に、上記①〜③の事項を情報提供します。介護保険の第2号被保険者となる年齢に合わせた設計です。あわせて介護保険制度についても周知することが望ましいとされています。

9. 介護のためのテレワーク導入(努力義務)

要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう措置を講ずることが、事業主の努力義務となりました。

【2025年10月施行】柔軟な働き方に関する改正2項目

柔軟な働き方を実現するための措置の5つの選択肢。始業時刻等の変更・テレワーク等・保育施設の設置運営等・養育両立支援休暇・短時間勤務制度から2つ以上を選ぶことを示した図

2025年10月1日施行分は、就業規則の見直しに加えて過半数組合等からの意見聴取が必要になるため、準備に時間がかかる項目です。

10. 柔軟な働き方を実現するための措置等(義務)

(1)育児期の柔軟な働き方を実現するための措置

事業主は、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関して、次の5つの選択肢から2つ以上の措置を選択して講じなければなりません。労働者は、事業主が講じた措置の中から1つを選んで利用します。措置を選択する際は、過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があります。

選択肢 内容
① 始業時刻等の変更 フレックスタイム制、または時差出勤の制度(1日の所定労働時間は変更しない)
② テレワーク等 1日の所定労働時間を変更せず、月に10日以上利用できるもの
③ 保育施設の設置運営等 保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与(ベビーシッターの手配・費用負担など)
④ 養育両立支援休暇の付与 1日の所定労働時間を変更せず、年に10日以上取得できるもの
⑤ 短時間勤務制度 1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの

②テレワーク等と④養育両立支援休暇は、原則として時間単位で取得できるようにする必要があります。

(2)柔軟な働き方を実現するための措置の個別の周知・意向確認

3歳未満の子を養育する労働者に対して、子が3歳になるまでの適切な時期に、選択した対象措置に関する事項を周知し、利用の意向を確認します。

  • 周知時期|労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)
  • 周知事項|①選択した対象措置(2つ以上)の内容 ②対象措置の申出先 ③所定外労働(残業免除)・時間外労働・深夜業の制限に関する制度
  • 方法|面談(オンライン可)、書面交付、FAX、電子メール等のいずれか

周知時期が「1歳11か月〜2歳11か月」というピンポイントの期間で定められている点に注意が必要です。対象者を月次で抽出する仕組みがないと、対応漏れが発生します。

11. 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮(義務)

(1)妊娠・出産等の申出時と子が3歳になる前の個別の意向聴取

次の2つのタイミングで、労働者の意向を個別に聴取します。

  • ① 労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たとき
  • ② 労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間

聴取する内容は、①勤務時間帯(始業および終業の時刻)、②勤務地(就業の場所)、③両立支援制度等の利用期間、④仕事と育児の両立に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)の4点です。

(2)聴取した意向についての配慮

聴取した意向について、事業主は自社の状況に応じて配慮しなければなりません。厚生労働省が示す配慮の例は、勤務時間帯・勤務地にかかる配置、両立支援制度等の利用期間等の見直し、業務量の調整、労働条件の見直しなどです。

なお、子に障害がある場合等で希望するときは短時間勤務制度や子の看護等休暇等の利用可能期間を延長すること、ひとり親家庭の場合で希望するときは子の看護等休暇等の付与日数に配慮することが望ましいとされています。

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改正に対応するために企業がやるべき5ステップ

育児・介護休業法の改正対応5ステップ。規程改定・措置の選択と意見聴取・対象者抽出の仕組み・様式と記録の整備・管理職研修の流れを示した図

条文を読むだけでは、現場で何をすればよいのかが見えにくいものです。次の5ステップで点検すると、抜け漏れを防げます。

  1. 就業規則・育児介護休業規程を改定する
  2. 柔軟な働き方の措置を選び、意見聴取の記録を残す
  3. 対象者を自動で抽出する仕組みをつくる
  4. 周知・意向確認の様式と記録方法を整える
  5. 管理職向けに研修を行う

以下で詳しく解説します。

ステップ1:就業規則・育児介護休業規程を改定する

子の看護等休暇の名称・対象範囲、残業免除の対象拡大、介護休暇の要件緩和、柔軟な働き方の措置は、いずれも規程の変更が必要です。厚生労働省が「育児・介護休業等に関する規則の規定例」を詳細版・簡易版で公開しているため、自社規程との差分を確認しましょう。改定後は労働基準監督署への届出も忘れないでください。就業規則の基本ルールは就業規則と労働基準法の関係|優先順位・記載事項で解説しています。

ステップ2:柔軟な働き方の措置を選び、意見聴取の記録を残す

5つの選択肢から2つ以上を選ぶ際は、過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があります。意見聴取を行った日付、対象者、提示した内容、出された意見を書面で残しておきましょう。労使協定や意見聴取の実務は労使協定とは?種類一覧16と届出が必要なケースで整理しています。

選択の際は、対象となる職種の実態から逆算してください。現場作業が中心の職場でテレワークを選ぶと、制度はあるのに使えない状態になります。

ステップ3:対象者を自動で抽出する仕組みをつくる

今回の改正で最も運用負荷が高いのが、対象者の抽出です。以下の3つのタイミングを月次で洗い出せる状態にしておきましょう。

  • 子が1歳11か月〜2歳11か月の社員(柔軟な働き方の措置の周知・意向確認、個別の意向聴取)
  • 妊娠・出産等の申出があった社員(個別の意向聴取)
  • 40歳に達する年度または誕生日から1年間の社員(介護に関する情報提供)

人事システムに生年月日と子の情報が登録されていれば、月次の抽出は自動化できます。手作業でリストを作る運用は、担当者の異動時に必ず抜けが生じます。

ステップ4:周知・意向確認の様式と記録方法を整える

厚生労働省は、個別周知・意向確認に用いる様式例や、介護の個別周知・意向確認書の記載例(好事例版・必要最小限版)を公開しています。これらを自社用にアレンジして使うと、記載漏れを防げます。

記録は「いつ・誰に・どの方法で・何を伝えたか・どのような意向だったか」がわかる形で保存してください。行政からの報告徴収に対応できる状態にしておくことが目的です。

ステップ5:管理職向けに研修を行う

意向聴取と配慮は、実際には現場の管理職が担います。「制度は使えるが、うちの部署では難しい」といった発言が出れば、取得を控えさせる運用と判断されかねません。制度内容だけでなく、面談時に言ってはいけない表現まで含めて研修を行いましょう。あわせて労務コンプライアンス15のチェックリストで全体を点検すると効率的です。

対応が遅れた場合のリスク

育児・介護休業法には、違反に対する行政の関与が定められています。

厚生労働大臣は法律の施行に必要があるときに事業主へ報告を求め、助言・指導・勧告を行うことができます(第56条)。勧告を受けたにもかかわらず従わなかった場合には、その旨を公表することができるとされています(第56条の2)。また、報告を求められたのに報告をしなかったり、虚偽の報告をしたりした場合は、20万円以下の過料に処されます(第66条)。

出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(令和7年4月1日、10月1日施行対応)」

過料(上限20万円)の額そのものは大きくありませんが、企業名の公表は採用活動に直接影響します。求職者は入社前に企業名で検索するため、行政指導の事実は応募数の減少という形で跳ね返ってくるでしょう。

さらに、育児休業や介護休業の申出・取得を理由とする不利益取扱いは法律で禁止されています。短時間勤務制度の利用を理由とする不利益取扱いも禁止されています。制度利用を理由に評価や処遇を引き下げるような運用にならないよう注意してください。

両立支援が採用と定着に効く理由

法対応は最低ラインです。両立支援を採用・定着の観点から見ると、投資対効果はさらに明確になります。

1. 離職コストの回避につながる

介護離職は年間約10.6万人にのぼり、その多くは40代〜50代の中核人材です。管理職や専門職が抜けた場合、後任の採用と立ち上げに要する費用は年収の数割規模になります。相談窓口の設置や40歳時点の情報提供は、この損失を未然に防ぐ施策と位置づけられます。

2. 選考時の意思決定材料になる

男性育休取得率の公表義務が従業員数300人超の企業に拡大したことで、求職者は数値で企業を比較できるようになりました。特に30代の候補者にとって、両立支援の実績は年収と並ぶ判断材料です。

3. 制度より「運用の実態」が問われる

候補者が知りたいのは、制度の有無ではなく「実際に使えているか」です。面接で「時短勤務中の社員が何名いて、どのようなポジションで働いているか」を具体的に語れる企業は、条件面で劣っていても選ばれることがあります。

coachee Agent Proは、IT/DX・エグゼクティブ・HR領域に特化した人材紹介サービスです。企業と求職者の双方を同じリクルーティングコーチが担当するため、制度の文面ではなく運用の実態まで踏み込んで候補者に伝えられます。「両立支援の体制を整えたので、それを担う人事責任者を採用したい」「働き方の実態に納得したうえで入社してほしい」といったご相談をお受けしています。

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育児・介護休業法の改正に関するよくある質問

Q1. 従業員数が少ない中小企業も対象ですか?

対象です。育児休業取得状況の公表義務(従業員数300人超)を除き、今回の改正項目は企業規模を問わず適用されます。厚生労働省は中小企業向けに、社会保険労務士等の専門家が無料でアドバイスする「中小企業育児・介護休業等推進支援事業」を実施しています。

Q2. 柔軟な働き方の措置は必ず2つ選ばなければいけませんか?

2つ以上の選択が必要です。1つだけでは義務を満たしません。選択の際は過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があるため、規程改定とセットで進めてください。

Q3. 個別の意向聴取と、柔軟な働き方の措置の個別周知は同時に行えますか?

子が1歳11か月〜2歳11か月の期間は、両方の対応時期が重なります。同じ面談の場でまとめて実施し、記録を分けて残す運用が現実的です。ただし、聴取項目と周知項目は別物のため、様式上は区別してください。

Q4. 子の看護等休暇は有給にする必要がありますか?

法律上、有給・無給は事業主が定められます。無給とすることも可能です。ただし、無給にすると取得率が下がる傾向があるため、両立支援を採用の訴求材料にしたい企業は有給化を検討する価値があります。

Q5. 40歳時点の情報提供は、いつまでに行えばよいですか?

労働者が40歳に達する日(誕生日前日)の属する年度の1年間、または40歳に達する日の翌日(誕生日)から1年間のいずれかの期間内に行います。どちらの期間を採用するかを社内で決め、抽出タイミングを固定しておくと運用が安定します。

Q6. 出生後休業支援給付とはどのような制度ですか?

原則として両親がともに所定の期間内に14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間、出生後休業支援給付金(給付率13%)を受け取れる制度です。ひとり親家庭や、配偶者が育児休業を取得できない一定の場合には、配偶者の取得は要件とされません。通常の育児休業給付(給付率67%)と合わせると給付率80%となり、手取りで10割相当になります。育児・介護休業法そのものの改正ではありませんが、社員への説明時にあわせて案内すると効果的です。

まとめ

令和6年改正の育児・介護休業法は、2025年4月・10月の2段階で施行され、義務項目が11に及びます。要点は次の3点です。

  • 就業規則の改定だけでは終わらない。対象者の抽出、周知・意向確認、記録の保存という運用設計まで含めて対応する
  • 周知時期が細かく定められている。子が1歳11か月〜2歳11か月、40歳時点など、月次で対象者を抽出する仕組みが必要
  • 勧告に従わない場合は企業名が公表される。採用への影響を踏まえると、法対応は採用広報の一部と考えたほうがよい

まずは自社の規程と、対象者抽出の仕組みの2点を点検するところから始めましょう。厚生労働省が公開している規定例・様式例・介護両立支援の支援ツールを活用すれば、ゼロから作る必要はありません。

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監修者

高橋 秀誓(たかはし ひでちか) coachee株式会社 代表取締役 / 情報管理責任者

国家資格キャリアコンサルタント/プロティアン認定ファシリテーター/人的資本開示国際規格 ISO30414 リードコンサルタント/有料職業紹介免許 14-ユ-302056。明治大学卒業後、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務。求人広告・人材紹介・人材派遣・SESのソリューション提案、事業統括、会社設立等に従事し、人材業界歴は約10年。キャリア相談実績は3,500人以上。

※ 本記事は2026年9月時点の法令にもとづいています。制度は改正される場合があるため、実務対応の際は厚生労働省の最新資料および所轄の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)にご確認ください。

記事を書いた人
hidechika-takahashi
coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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