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心理的安全性とは?4つの因子と高める方法5ステップ・企業事例をわかりやすく解説

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coachee 広報チーム
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「チームの会議で、誰も本音を言わない」
「ミスの報告が上がってくるのが、いつも手遅れになってから」
「1on1を導入したのに、部下から悩みが出てこない」

こうした状態に心当たりのある人事・組織開発ご担当者の方は少なくないでしょう。近年、その原因を説明する概念として注目を集めているのが「心理的安全性」です。

Googleが自社の180チームを分析した調査では、効果的なチームに影響する因子の第1位として心理的安全性が挙げられました。一方で、日本では「心理的安全性=優しくてぬるい職場」という誤解も広がっています。

本記事では、心理的安全性の正確な定義と注目される背景、日本の職場で使いやすい4つの因子、明日から着手できる5ステップの高め方、実名の企業事例、そして陥りやすい失敗パターンまでを解説します。読み終えたときには、自社のどこから手をつけるべきかの見取り図が得られるでしょう。

心理的安全性とは?対人関係のリスクを取れるチームの状態

心理的安全性とは、チームのなかで対人関係上のリスクを取っても安全だ、とメンバーが共有している信念のことです。質問する、懸念を口にする、ミスを認める、異論を唱える——こうした行動を取っても、罰せられたり評価を下げられたりしないと信じられている状態を指します。

ここではまず、提唱者による定義と、よくある誤解との切り分けを整理します。

提唱者エドモンドソン教授による定義

心理的安全性(psychological safety)は、ハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・C・エドモンドソン教授が1999年に発表した論文で、チームレベルの概念として体系化しました。

  • 論文名|Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams
  • 掲載誌|Administrative Science Quarterly 第44巻2号 350〜383ページ(1999年)
  • 研究対象|製造業1社の51チーム

この研究の要点は、心理的安全性そのものが成果を生むのではないという点にあります。心理的安全性が高いチームでは「質問する」「助けを求める」「失敗を共有する」といった学習行動が増え、その学習行動を経由してチームの業績が高まる、という媒介関係が示されました。つまり心理的安全性は、成果の直接の原因ではなく、学習を可能にする土台だと理解するのが正確です。

出典:Administrative Science Quarterly「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」(Amy C. Edmondson, 1999, Vol.44 No.2, pp.350-383, DOI:10.2307/2666999)

「ぬるま湯」「仲良し組織」との違い

心理的安全性を語るうえで最も誤解されやすいのが、「厳しいことを言わない職場」との混同です。両者は目的も結果もまったく異なります。

観点 心理的安全性が高い組織 ぬるま湯・仲良し組織
目的 高い基準の達成 波風を立てないこと
意見の対立 仕事の中身をめぐって起こる 起こらない・避けられる
ミスの扱い 早く共有され、学習材料になる 隠される・個人の責任にされる
求める水準 高い 曖昧なまま据え置かれる
メンバーの状態 率直に発言し、挑戦する 表面的に同調する

エドモンドソン教授の整理では、心理的安全性と「求める仕事の基準の高さ」は独立した2つの軸です。基準が低いまま心理的安全性だけが高い状態が「コンフォートゾーン(ぬるま湯)」であり、基準が高く心理的安全性も高い状態が「学習ゾーン」にあたります。目指すべきは後者です。

日本語で「心理的安全性の4因子」を提唱した石井遼介氏の著書『心理的安全性のつくりかた』(日本能率協会マネジメントセンター、2020年9月)でも、心理的安全性は「ヌルい職場」ではなく、健全な衝突を生み出す機能であると位置づけられています。

出典:日本能率協会マネジメントセンター「心理的安全性のつくりかた」(石井遼介、2020年9月1日)

心理的安全性が注目される3つの背景

心理的安全性が注目される背景データ。強いストレスがある労働者67.5%、うち対人関係が32.9%、日本のエンゲージメント率8%を示した図

日本企業で心理的安全性への関心が急速に高まっている理由は、大きく3つあります。

1. Googleの「プロジェクト・アリストテレス」で第1位の因子とされたこと

Googleは2016年、社内180チーム(エンジニアリング系115・営業系65)を対象に、数百の変数へ35種類以上の統計モデルを適用する調査を実施しました。その結論は「誰がチームにいるかより、チームがどう協力しているかが重要である」というものです。同社の公式サイト re:Work では、効果的なチームに影響する因子が重要な順に次の5つとして公開されています。

  1. 心理的安全性
  2. 相互信頼
  3. 構造と明確さ
  4. 仕事の意味
  5. インパクト

同席勤務、合意に基づく意思決定、外向性、チーム規模、在職期間などは、効果性に影響しない変数として整理されました。

出典:Google re:Work「『効果的なチームとは何か』を知る」

2. 職場の対人関係ストレスが増えていること

厚生労働省の令和7年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、現在の仕事や職業生活に関することで強い不安・悩み・ストレスとなっている事柄がある労働者の割合は67.5%でした。その内容は「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」がともに39.5%で最も高く、「対人関係(セクシュアルハラスメント・パワーハラスメントを含む)」が32.9%で続いています。対人関係は前年調査の26.1%から6.8ポイント上昇しました。

また、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.8%で、前年の10.2%から増えています。

なお、同調査は令和6年から設問形式が変更されており、厚生労働省自身が令和5年以前との数値比較には留意が必要である旨を注記しています。

出典:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」(令和8年8月7日公表)

3. 日本のエンゲージメントが国際的に低い水準にあること

Gallupの「State of the Global Workplace: 2026 Report」では、日本で「エンゲージしている」従業員の割合は8%と報告されています。東アジア地域平均の18%、世界平均の20%を下回る水準です。2019〜2022年の5%からは緩やかに回復していますが、依然として差は大きいままです。

出典:Gallup「State of the Global Workplace: 2026 Report — Japan Country-Level Data」

こうした数字は、従業員が本音を出せる場が不足していることの表れとも読めます。組織づくりの土台として心理的安全性が語られるようになったのは、自然な流れと言えるでしょう。

なお、組織全体の空気を変える取り組みについては、組織風土改革とは?進め方5ステップと失敗する5つの原因・企業事例を解説もあわせてご覧ください。

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心理的安全性の低さは、既存メンバーの離職だけでなく、採用にも影響します。面接で語られる組織像と入社後の実態がずれていると、早期離職が起こりやすくなるためです。

  • 面接では良い印象だったのに、入社後にカルチャーが合わず短期離職してしまった
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心理的安全性が低い職場に現れる4つの不安

心理的安全性が低いチームでは、メンバーが「対人関係上のリスク」を避けるために発言や行動を抑制します。エドモンドソン教授は、その抑制を生む不安を4種類に整理しました。自社の会議やチャットを思い浮かべながら確認してみてください。

まずは、4つの不安がどのような言動として表面化するかを整理します。

不安の種類 メンバーの内心 職場で起きること
無知だと思われる不安 こんなことを聞いたら「知らないのか」と思われる 質問が出ない。認識のずれが後工程で発覚する
無能だと思われる不安 ミスを認めたら評価が下がる 失敗の報告が遅れる。トラブルが大きくなってから表面化する
邪魔をしていると思われる不安 ここで意見したら会議が長引く 議論が深まらないまま決定される
ネガティブだと思われる不安 反対したら空気が悪くなる リスクが指摘されず、そのまま進行する

とくに危険なのが「無能だと思われる不安」です。ミスの共有が遅れる組織では、品質事故や顧客トラブルが手遅れの段階で発覚します。心理的安全性は、優しさの問題ではなく、リスク管理の問題でもあるのです。

この4つの不安は、上司の何気ない一言で強化されます。「それ、前にも説明したよね」「なんでもっと早く言わなかったの」といった反応が続くと、メンバーは早期報告のメリットを感じられなくなります。上司側の受け止め方については、フィードバックとは?効果や正しい手順を解説|実践フレームワークと事例付で具体的な手順を確認できます。

心理的安全性を測る4つの因子

心理的安全性の4つの因子(話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎)と、それぞれを確認する発言例を並べた図

「心理的安全性が低い気がする」という感覚を施策に落とすには、測定できる形に分解する必要があります。日本の組織向けに整理された枠組みとして広く使われているのが、石井遼介氏による4つの因子です。

各因子は、次のような発言が自然に出るかどうかで確認できます。

因子 定義 チェックの目安となる発言
話しやすさ 立場に関わらず、率直に意見や事実を伝えられる 「その前提、確認させてください」
助け合い 困ったときに助けを求め、助けることが歓迎される 「ここ、少し手伝ってもらえますか」
挑戦 前例のないことを試すことが後押しされる 「小さく試してみましょう」
新奇歓迎 個々の違いや新しい視点が価値として扱われる 「その見方はなかったですね」

この4因子は、施策の設計にそのまま使えます。たとえば会議で発言が出ないなら「話しやすさ」、部署間で抱え込みが起きているなら「助け合い」、新規提案が通らないなら「挑戦」が弱点だと当たりをつけられます。

日本の若手のニーズとも重なる点は見逃せません。リクルートマネジメントソリューションズの「新入社員意識調査2025」では、働きたい職場として「お互いに助けあう」が69.4%で最も高く、上司に期待することとしても「相手の意見や考え方に耳を傾けること」が49.7%で1位でした。「助け合い」と「話しやすさ」は、若手の定着に直結する因子だと言えるでしょう。

出典:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「新入社員意識調査2025」(2025年6月23日)

心理的安全性を高める方法5ステップ

心理的安全性を高める5ステップ(可視化・リーダーの開示・会議ルール・称賛の仕組み・振り返り)を示したフロー図

心理的安全性は、標語を掲げるだけでは変わりません。行動と仕組みの両方に手を入れる必要があります。ここでは、人事部門が主導しやすい順に5つのステップで整理します。

ステップ1|現状を数値で可視化する

最初にやるべきは、印象論から抜け出すことです。全社平均だけを見ても打ち手は決まらないため、部署・チーム単位で分解します。

使えるデータは、多くの企業にすでに存在します。

  • ストレスチェックの集団分析|労働安全衛生法に基づき実施している企業であれば、部署単位の傾向が把握できます
  • エンゲージメントサーベイ|「率直に意見を言える」「失敗を報告しやすい」といった設問を抽出します
  • 1on1の記録|相談件数や、相談内容が業務課題に及んでいるかを確認します

このとき、スコアの低い部署を「問題部署」として名指ししないことが重要です。数値が犯人探しに使われると分かった瞬間、次回から正直な回答は返ってきません。

ステップ2|リーダーが「わからない」を先に言う

心理的安全性の主要な決定要因は、直属の上司の言動です。メンバーが先に弱さを見せることは構造的に起こりにくいため、リーダー側から順番を変える必要があります。

具体的には、次の3つを意識します。

  • 不確実性を認める|「この件は自分も答えを持っていません。一緒に考えたい」と先に開示する
  • 問いかけの形に変える|「どう思う?」ではなく「うまくいかなそうな点はどこですか」と、懸念を出しやすい問い方にする
  • 報告に感謝で返す|悪い知らせを持ってきた相手に、まず「早く教えてくれて助かりました」と伝える

とくに3つ目は効果が大きい一方、実行が難しい行動です。悪い報告を受けた直後に原因究明へ入ってしまうと、報告した側には「怒られた」という記憶だけが残ります。原因の分析は、感謝を伝えてから時間を置いて行いましょう。

ステップ3|会議の「話しやすさ」をルールで担保する

個人の心がけに頼ると、話しやすさは属人的になります。会議体の設計で仕組み化してください。

  • 発言順を役職の低い人からにする
  • 最初の5分は各自が付箋やチャットに書き出し、発言量の偏りを防ぐ
  • 議事録に「反対意見」の欄を設け、空欄のまま終わらせない
  • 意思決定した後に「懸念点の最終確認」を1分取る

Googleの調査が示したように、チームの効果性を左右するのはメンバーの属性ではなく協力の仕方です。会議のルールは、その協力の仕方を最も安く変えられる手段だと言えます。

ステップ4|助け合いと称賛を仕組みに埋め込む

「助け合い」は、感謝が可視化される仕組みがあると定着しやすくなります。

  • ピアボーナス|メンバー同士が少額のポイントを贈り合い、貢献を可視化する
  • 1on1の定例化|隔週30分など頻度を決め、業務報告ではなく状態確認の場にする
  • 困りごとの持ち込み枠|週次会議の冒頭に「詰まっていること」を共有する時間を固定する

1on1を形骸化させないポイントについては、1on1ミーティングとは?注目されている背景や期待される効果などを解説で詳しく解説しています。

ステップ5|挑戦と失敗を「学習」に変換する

心理的安全性が学習行動を通じて成果につながる以上、失敗を学習に変える型がなければ効果は出ません。振り返りの場では、次の3点を分けて扱います。

  1. 何が起きたか(事実)
  2. なぜ起きたか(構造・プロセスの要因)
  3. 次にどう変えるか(仕組みの変更点)

「誰が悪かったか」を議題に入れないことが前提です。個人の責任追及が混ざると、以降の失敗は隠されます。振り返りの進め方は、【人事向け】リフレクションとは?人材育成に活かす方法と導入のポイントも参考になるでしょう。

心理的安全性に取り組む企業事例2選

実際に心理的安全性を明示的なテーマとして掲げ、成果を公表している企業を2社紹介します。

富士通株式会社|3年間のプロジェクトでスコアを6ポイント改善

富士通は2021年から3年間にわたり「心理的安全性プロジェクト」を実施しました。同社は心理的安全性を、人的資本経営における組織パフォーマンス向上と個人のウェルビーイングの土台と位置づけています。

公式発表によると、プロジェクト開始時(2021年6月)と比較して、全社エンゲージメントサーベイにおける心理的安全性のスコアが国内で6ポイント向上しました。取り組みの知見は「Fujitsu 心理的安全性 Playbook」として2024年6月に社外へ無償公開されています。

成功のポイントは、3年という期間を確保したことと、成果物を言語化して再現可能な形にした点にあります。

出典:富士通株式会社「富士通はなぜ心理的安全性の向上を目指すのか」(2024年6月18日)

パナソニック コネクト株式会社|ピアボーナスと1on1で「褒める」を制度化

パナソニック コネクトは、ピアボーナス制度「Connect NEXUS」を導入しています。ポイント費用は会社が全額負担し、全社員に毎月1,000ポイント(500円相当)を付与する仕組みです。同社は公式サイトで、この制度の目的を「褒めカルチャーを醸成し、心理的安全性の高い職場環境を作り、組織力の向上を実現させること」と明記しています。

あわせて、CEOを含む全階層で原則2週間に1回以上・30分程度の1on1ミーティングを実施。オフィス改革でも、集中ブースやガラス張りのミーティングルームを配置し、心理的安全性を空間設計に反映させています。

一方で、2024年度のストレスチェック集団分析では総合健康リスク120以上の職場が15部門、高ストレス者率10.5%と増加傾向にあることも自社で開示しており、総合健康リスク110以上の職場には専門職と人事が個別にフォローする運用を取っています。

成功のポイントは、称賛を個人の善意に委ねず費用と仕組みで担保したこと、そして課題側の数値も開示して打ち手につなげている点です。

出典:パナソニック コネクト株式会社「健康経営の重点取り組み」

心理的安全性の取り組みで陥りやすい3つの失敗

最後に、施策が空回りする典型パターンを整理します。

1. 目的を「仲良くなること」に置き換えてしまう

懇親会やレクリエーションの増加は、心理的安全性の指標ではありません。仕事の中身について異論が出る回数が増えたかどうかで判断してください。基準を下げずに率直さを上げることが目的です。

2. サーベイの点数を管理職の評価に直結させる

スコアが管理職の査定に使われると分かると、部下への働きかけが「高く回答してほしい」という依頼に変わります。サーベイは改善のための診断であり、査定の材料ではないという運用を明示しましょう。

3. 研修だけで終わらせる

管理職研修を1回実施しただけでは、日々の会議の進め方は変わりません。ステップ3で挙げたような会議ルールや、ステップ4の仕組みまで落として初めて行動が変わります。研修は入口であり、出口ではありません。

なお、心理的安全性を高めても、そもそもチームに必要な経験やスキルが不足していれば成果は頭打ちになります。組織の土台づくりと並行して、要件を満たす人材の確保を進めることが現実的な打ち手になるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 心理的安全性が高いと、厳しい指摘ができなくなるのではありませんか。

逆です。心理的安全性は「求める基準の高さ」とは独立した軸であり、両方が高い状態が目指すべき「学習ゾーン」にあたります。基準を下げずに、事実と改善点を率直に伝え合える状態が理想です。指摘の対象を人格ではなく行動と仕組みに限定することで、両立できます。

Q2. 心理的安全性はどうやって測ればよいですか。

既存のエンゲージメントサーベイやストレスチェックの集団分析から着手するのが現実的です。「率直に意見を言えるか」「失敗を報告しやすいか」「助けを求めやすいか」「新しい提案が歓迎されるか」の4観点で設問を抽出し、部署単位で比較します。新規に大規模な調査を立ち上げる必要はありません。

Q3. 成果が出るまでにどのくらいかかりますか。

会議ルールの変更などは数週間で発言量に変化が現れますが、組織全体のスコアが動くには年単位の継続が必要です。富士通は3年間のプロジェクトとして取り組み、心理的安全性スコアの6ポイント向上を公表しています。短期の施策ではなく、継続的な運用として設計してください。

Q4. リモートワーク中心のチームでも高められますか。

高められます。むしろリモート環境では、雑談による偶発的な情報共有が減るため、仕組み化の重要性が増します。会議冒頭のチェックイン、チャットでの「わからない」の可視化、1on1の頻度確保などを明文化しましょう。対面かどうかより、発言の機会が構造的に確保されているかが分かれ目です。

Q5. 管理職が非協力的な場合はどう進めればよいですか。

全管理職の意識改革を待つ必要はありません。まずは協力的なチームで先行導入し、離職率や提案件数などの変化を数値で示すことから始めます。1つの成功事例があると、横展開の説得材料になります。全社一斉の号令よりも、実績のある部署からの伝播のほうが定着しやすいでしょう。

Q6. 中途入社者の定着にも効果はありますか。

効果があります。中途入社者は既存の人間関係や暗黙のルールを持たないため、「質問しづらい」状態に置かれやすい立場です。オンボーディング期間中に質問専用の窓口や定例の1on1を設けることで、立ち上がりの速度が変わります。採用段階でカルチャーフィットを確認しておくことも、あわせて有効です。

まとめ|心理的安全性は「学習が起きる組織」の土台

心理的安全性とは、対人関係上のリスクを取っても安全だとメンバーが信じられる状態であり、質問・相談・失敗の共有といった学習行動を通じて成果につながる土台です。「ぬるま湯」とは異なり、高い基準を保ったまま率直さを引き出すことを目指します。

取り組む際は、現状を数値で可視化し、リーダーの言動を変え、会議と称賛を仕組み化し、失敗を学習に変える振り返りまで一気通貫で設計してください。富士通やパナソニック コネクトの事例が示すように、成果は単発の研修ではなく、継続的な運用から生まれます。

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監修者

高橋 秀誓(たかはし ひでちか)/coachee株式会社 代表取締役・情報管理責任者

国家資格キャリアコンサルタント、プロティアン認定ファシリテーター、人的資本開示国際規格 ISO30414 リードコンサルタント。有料職業紹介免許 14-ユ-302056。パーソルキャリア(旧インテリジェンス)を経て総合人材サービス会社に勤務し、求人広告・人材紹介・人材派遣・SESのソリューション提案、事業統括、会社設立等に従事。人材業界歴約10年。キャリア相談実績3,500人以上。エグゼクティブ・Web・IT・SI・HR領域でのリクルーティングおよびキャリア形成支援を行う。

執筆|coachee 広報チーム

記事を書いた人
hidechika-takahashi
coachee 広報チーム

coachee 広報チーム

国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ高橋秀誓と、採用責任者、人事責任者などの豊富な経験を持つスタッフが率いるcoacheeの広報チーム。
皆様に採用や人事業務に役立つ情報を提供します。

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