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広告・Web業界の営業とは?代理店・媒体社・支援会社の違いとキャリアパス
公開日 2026.10.16
この記事の監修者
髙橋 秀誓coachee株式会社 代表取締役
パーソルキャリア(旧インテリジェンス)等で求人広告・人材紹介・人材派遣の提案や事業統括に従事したのち、coachee株式会社を設立。メーカー・コンサル・ITなど、10年以上にわたり幅広い業界・年代の転職を支援。
「広告業界の営業は華やかそうだけれど、激務というイメージもある」「Web広告やWebマーケティングの営業に興味があるが、未経験でもついていけるのか」。広告・Web業界の営業職は人気がある一方で、会社の立ち位置によって仕事内容がまったく異なるため、イメージだけで選ぶとギャップが生まれやすい領域です。
この記事では、広告代理店・媒体社・Webマーケティング支援会社という3つの立ち位置ごとの営業の違い、具体的な仕事内容、求められる力、きついと言われる理由、その後のキャリアパスまでを解説します。広告・Web業界の営業への転職を考えている方が、自分に合う会社を見極めるための参考にしてください。
広告・Web業界の営業とは?業界の全体像
広告・Web業界の営業は、企業の「商品やサービスを知ってもらいたい」「問い合わせや売上を増やしたい」という課題に対して、広告やWeb施策を提案する仕事です。顧客は企業のマーケティング部門や広報部門、中小企業であれば経営者が中心になります。
業界の中には、大きく分けて次のようなプレイヤーがいます。
- 広告主:広告を出して自社の商品・サービスを宣伝したい企業
- 広告代理店:広告主の課題に合わせて、さまざまな媒体や施策を組み合わせて提案・運用する会社
- 媒体社(メディア):テレビ、新聞、雑誌、Webメディア、アプリ、SNSなど、広告枠を持っている会社
- Webマーケティング支援会社:SEO、Web広告運用、サイト制作、SNS運用、MAツール導入などを専門に支援する会社
同じ「広告営業」でも、どの立場で働くかによって、扱う商材、提案の自由度、求められる専門性が大きく変わります。まずはこの違いを理解することが、会社選びの第一歩です。
広告代理店・媒体社・Webマーケ支援会社の営業の違い
3つの立ち位置の営業を比較すると、次のように整理できます。
| 比較項目 | 広告代理店 | 媒体社 | Webマーケ支援会社 |
|---|---|---|---|
| 扱う商材 | 複数の媒体・施策を組み合わせた提案 | 自社が持つ広告枠・メディア | SEO、運用型広告、サイト制作など特定領域の支援 |
| 主な顧客 | 広告主 | 広告主・広告代理店 | 広告主(中小〜大手) |
| 提案の自由度 | 高い(媒体を横断して選べる) | 自社媒体の範囲内 | 専門領域の中で深く提案 |
| 求められる知識 | 媒体全般、マーケティング戦略、制作進行 | 自社媒体の特性、読者・ユーザー理解 | Webマーケティングの専門知識、データ分析 |
| 仕事の特徴 | 社内外の関係者が多く調整業務が中心 | 媒体の価値を伝え、広告枠を販売する | 成果を数値で示し、改善を繰り返す |
広告代理店の営業
広告主の課題をヒアリングし、テレビCM、Web広告、イベント、SNSキャンペーンなど、最適な手段を組み合わせて提案します。社内のプランナー、クリエイター、メディア担当、外部の制作会社などをまとめ、プロジェクト全体を進める「プロデューサー」的な役割を担うのが特徴です。大手の総合広告代理店から、Web広告に特化したネット広告代理店まで規模や得意領域はさまざまです。
媒体社の営業
Webメディア、ポータルサイト、アプリ、雑誌など、自社が運営する媒体の広告枠を販売します。媒体の読者・ユーザー層や強みを理解し、「この商品なら当媒体のこの企画が効果的です」と提案します。編集部と連携してタイアップ記事などの企画を作ることもあります。直接広告主に営業する場合と、広告代理店を通じて販売する場合があります。
Webマーケティング支援会社の営業
SEO対策、リスティング広告やSNS広告の運用代行、Webサイト制作、MAツールの導入支援など、特定の領域で企業の集客を支援します。提案時に競合サイトの分析や改善案を示すことが多く、Webマーケティングの専門知識が身につきやすい環境です。契約後も月次レポートで成果を報告し、改善提案を続ける継続型のビジネスが中心です。
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広告・Web業界の営業の仕事内容
会社によって分担は異なりますが、典型的な仕事の流れは次のとおりです。
- 新規開拓・既存顧客へのアプローチ:問い合わせ対応、テレアポ、紹介、既存顧客の追加提案などから商談をつくります
- ヒアリング:商品やサービスの特徴、ターゲット、現状の集客方法、課題、予算、目標とする成果を確認します
- 企画・提案:ターゲットに届く媒体や施策を選び、出稿プランや期待できる効果、スケジュール、費用を提案書にまとめます
- 受注・進行管理:制作チームや運用担当と連携し、原稿やクリエイティブの制作、掲載・配信までのスケジュールを管理します
- 効果測定・改善提案:配信結果や問い合わせ数などのデータを振り返り、次の施策や予算配分の見直しを提案します
特にWeb広告の領域では、出稿したら終わりではなく、データを見ながら改善を重ねることが成果に直結します。たとえば、問い合わせ数が伸びない場合でも、原因が広告の配信先にあるのか、広告文にあるのか、遷移先のページにあるのかによって打ち手は変わります。営業担当が顧客と運用チームの間に立ち、仮説を共有しながら次の一手を決めていくことで、顧客からの信頼が積み上がり、継続取引や予算の拡大につながっていきます。営業担当がどこまで運用や分析に関わるのかは会社によって異なるため、求人を見るときは確認しておきましょう。
広告・Web業界の営業に求められる力
顧客のビジネスを理解する力
広告はあくまで手段であり、顧客が本当に求めているのは売上や問い合わせの増加、認知の拡大です。顧客の商品、ターゲット、競合、販売の仕組みを理解し、「なぜこの施策なのか」を説明できる営業が信頼されます。
数字を読み解く力
Web広告では、表示回数、クリック率、コンバージョン率、獲得単価など、さまざまな指標で成果を測ります。数字から課題を見つけ、改善策を言語化する力は、Web領域の営業では欠かせません。高度な分析スキルは入社後に学べますが、数字に抵抗がないことは大きな強みになります。
社内外を巻き込む調整力
広告の仕事は、クリエイター、運用担当、媒体社、制作会社など多くの人が関わります。納期や品質、予算を守りながらプロジェクトを前に進めるには、関係者との丁寧なコミュニケーションが必要です。
情報をキャッチアップし続ける姿勢
広告・Web業界は、新しい媒体や広告メニュー、プラットフォームの仕様変更、AIを活用したツールの登場など、変化のスピードが速い業界です。トレンドを追い続けることを楽しめるかどうかは、長く活躍できるかの分かれ目になります。
広告・Web業界の営業はきつい?大変だと言われる理由
広告・Web業界の営業には、次のような大変さがあると言われます。転職前に知っておくと、会社選びの判断軸になります。
- 納期に追われやすい:キャンペーンの開始日や掲載日が決まっているため、直前の修正対応などで忙しくなる時期があります
- 成果へのプレッシャーがある:Web広告は結果が数字ではっきり出るため、成果が出ないと顧客から厳しい意見をもらうこともあります
- 顧客の要望の変化に振り回される:方針変更や急な追加依頼に柔軟に対応する必要があります
- 新規開拓の負荷:中小企業向けの媒体やWebマーケ支援会社では、テレアポなど新規開拓の行動量が求められることもあります
- 学ぶことが多い:媒体や広告メニュー、ツールの知識を常にアップデートする必要があります
ただし、働き方の実態は会社によって大きく異なります。近年は業務の分業化や働き方の見直しを進める会社もあるため、「広告業界だから激務」と一括りにせず、残業時間の実態、担当社数、営業と運用・制作の役割分担を個別に確認することが大切です。
一方でやりがいも大きく、自分が手がけた広告が世の中に出て反響を生んだり、施策によって顧客の売上が伸びたりする瞬間は、この業界ならではの喜びです。成果が数字で見えるため、成長を実感しやすい仕事でもあります。
広告・Web業界の営業のキャリアパス
広告・Web業界での営業経験は、マーケティングの知識と提案力の両方が身につくため、キャリアの選択肢が広がりやすいのが特徴です。
- 社内でのキャリアアップ:営業マネージャーとしてチームを率いる道や、大手顧客を担当するアカウントプランナーとして専門性を高める道があります
- プランナー・ディレクター職へ:戦略立案や企画、Web広告の運用、ディレクションなど、制作・企画側の職種へ移るキャリアもあります
- 事業会社のマーケティング職:支援する側から、広告主側のマーケティング担当として自社の施策を動かす立場へ。広告業界出身者に多い転職先のひとつです
- SaaS・IT業界の法人営業:MAツールや広告関連のSaaSなど、Webマーケティングの知識を活かせる商材の営業へ。詳しくはSaaS・IT業界の営業で解説しています
- 営業企画・カスタマーサクセス:データ分析や改善提案の経験を活かし、営業企画への転職やカスタマーサクセスへの転職を目指す方もいます
未経験から広告・Web業界を目指す場合は、まずWebマーケ支援会社や媒体社で専門知識を身につけ、その後に代理店や事業会社のマーケティング職へ広げていくという順番も考えられます。法人営業としての基本的な進め方は法人営業への転職ガイドも参考にしてください。
広告・Web業界の営業に向いている人と転職のポイント
向いている人の特徴
- 新しいサービスやトレンドに興味があり、自分で調べることが苦にならない人
- 数字やデータから仮説を立て、改善策を考えるのが好きな人
- 多くの関係者と協力しながら、ひとつのプロジェクトを形にしたい人
- 顧客の商品や事業に関心を持ち、一緒に成果を追いかけられる人
- 締め切りに向けて段取りを組み、優先順位をつけて動ける人
未経験・異業界から挑戦する場合
広告・Web業界の営業は、他業界の営業経験者や営業未経験者を受け入れている会社も少なくありません。その際に評価されやすいのは、目標に向けて行動を積み上げた経験、顧客の課題を聞き出して提案した経験、データをもとに改善を重ねた経験などです。販売職での売り場づくりや、前職での社内資料の改善なども、伝え方次第で「施策を考えて成果につなげた経験」としてアピールできます。
あわせて、自分でも業界の基礎知識に触れておくと面接での説得力が増します。たとえば、Web広告の主要な種類(検索連動型広告、ディスプレイ広告、SNS広告など)や、広告効果を測る代表的な指標の意味を押さえておくだけでも、入社後の立ち上がりがスムーズになります。Webマーケティング関連の資格や、無料で受講できる広告プラットフォームの学習コンテンツを活用するのもひとつの方法です。
求人選びで確認したいこと
- 会社の立ち位置(代理店・媒体社・支援会社)と、得意とする領域
- 顧客の規模と業種、新規開拓と既存顧客対応の比率
- 営業が運用・分析・制作にどこまで関わるのか
- 繁忙期や残業時間の実態、担当社数の目安
面接でこうした点を具体的に質問すると、入社後のイメージがつかみやすくなるだけでなく、業界理解の深さを示すことにもつながります。気になる会社がある場合は、その会社が手がけた事例や発信している情報に目を通し、自分ならどんな提案をするかを考えておくと、志望動機にも具体性が出てきます。
まとめ:立ち位置の違いを理解して、自分に合う会社を選ぼう
広告・Web業界の営業は、広告代理店・媒体社・Webマーケティング支援会社のどこで働くかによって、扱う商材も、提案の自由度も、身につく専門性も大きく変わります。幅広い手段を組み合わせてプロジェクトを動かしたいなら代理店、特定のメディアの価値を深く伝えたいなら媒体社、Webマーケティングの専門性と数字で成果を出す力を磨きたいならWebマーケ支援会社が候補になります。
納期や成果へのプレッシャーなど大変な面はありますが、マーケティングの知識と提案力を同時に身につけられ、事業会社のマーケティング職やSaaS営業など、その後のキャリアも広がる仕事です。応募前には、担当範囲や役割分担、働き方の実態を個別に確認しましょう。
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